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「オデュッセイア」
※「オッペンハイマー」のクリストファー・ノーラン監督による超大作。古代ギリシャの神話を、戦争後の心の傷と罪責を抱えた男の帰還劇として描いた。
「アラビアのロレンス」「ベン・ハー」のような古典的大作に連なる壮大な叙事詩として称賛されており、肯定的な反応が圧倒的に多い。アドベンチャー巨編としての快感も強く、技術面、ストーリー面、演技面がそろった総合力が評価されている。
映画文法としての革新性を強調する賛辞はオッペンハイマーのときほどではないが、娯楽性や面白さについての評価はオッペンハイマーをしのぐ。
【あらすじ・設定】
古代ギリシャの小国の王オデュッセウスは、トロイア戦争を終え、妻と息子が待つ故郷への帰還を目指す。だが、神々の呪い、怪物、誘惑が彼の前に立ちはだかる。
【ノミネート有力部門】
| 部門 |
作品賞 |
| 監督賞 |
主演男優賞 マット・デイモン |
助演男優賞 ロバート・パティンソン |
助演男優賞 トム・ホランド |
助演女優賞 アン・ハサウェイ |
助演女優賞 サマンサ・モートン |
| 脚色賞 |
| 撮影賞 |
| 作曲賞 |
| 編集賞 |
| 配役賞 |
| 視覚効果賞 |
| 衣装デザイン賞 |
| 美術賞 |
| メイク&ヘア賞 |
| 音響賞 |
監督&脚本:クリストファー・ノーラン
主演:マット・デイモン
助演:トム・ホランド、アン・ハサウェイ、ロバート・パティンソン、ルピタ・ニョンゴ、ゼンデイヤ、シャーリーズ・セロンほか
製作国:アメリカ、イギリス
配給会社:ユニバーサル
長さ:2時間53分
公開日:2026年9月11日(日本)
【製作費】
2.5億ドル
【評点】
| メタクリティック |
88点
最新→ |
| ロッテン・トマト |
94%
最新→ |
| シネマスコア |
A
※ノーランの過去作「オッペンハイマー」「バットマン ビギンズ」「ダークナイト」「ダークナイト・ライジング」と同一で、ノーラン作品として最高値。
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| IMDB |
8.5
最新→ |
| レターボックス |
4.4
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「ラ・ボラ・ネグラ(黒い球)」
※1936年にファシスト政党に殺害されたスペインの詩人フェデリコ・ガルシア・ロルカが残したわずか4ページの未完の小説と、現代の劇作家アルベルト・コネヘーロの戯曲から着想を得た大河ドラマ。1932年、1937年、2017年という3つの時代を生きる3人のゲイ男性たちの人生が交錯。戦争、恋愛、家族の物語に音楽を織り交ぜながら、抑圧のなかでも誰かを愛し、自分らしく生きようとする人々の姿を映し出す。
スペインとフランスの合作。カンヌ国際映画祭で絶賛され、監督賞を受賞。Netflixがアメリカでの配給・配信権を買い取った。トロント国際映画祭では最高賞の「観客賞」に輝いた。
スペイン現代史の中で抑圧されてきたクィアの先人たちへ捧げる、美しく感動的なモニュメントとして高評価を得た。「3つのタイムラインを流麗に繋ぎ合わせ、一貫性のある物語を創り上げた構成力は驚異的」(米IndieWire)などと絶賛する声が相次いだ。躍動的なカメラワークや壮大な劇伴も好評。
演技面も称賛された。スペインの人気歌手アルバロ・ラフエンテ・カルボ(芸名:ギタリカデラフエンテ)は、本作が映画初出演ながら繊細で傷つきやすい主人公を造形。ペネロペ・クルスはフランコ軍を慰問するキャバレー歌手役として優れた歌唱を披露。アメリカの大女優グレン・クローズも学者役として登場し、スペイン語を操って物語の重要な繋ぎ目を担う。
題名の「La Bola Negra(黒い球)」は、同性愛者を社会から排除する行為を象徴する言葉。ある会員制社交クラブの入会審査で、賛成票が「白い球」、反対票が「黒い球」で表され、黒い球によって同性愛者の入会が否決されたことに由来するという。
【ノミネート有力部門】
| 部門 |
作品賞 |
| 監督賞 |
助演女優賞 ペネロペ・クルス |
| 脚色賞 |
| 国際映画賞 |
| 編集賞 |
| 歌曲賞 |
| 配役賞 |
| 撮影賞 |
| 作曲賞 |
監督:ハビエル・カルボ、ハビエル・アンブロッシ(映画「ホーリー・キャンプ」、ドラマ「Veneno」「La Mesías」「Paquita Salas」)
脚本:ハビエル・カルボ、ハビエル・アンブロッシ、アルベルト・コネヘロ
出演:ギタリカデラフエンテ(スペインの歌手、本作で映画初出演)、ミゲル・ベルナルデアウ、カルロス・ゴンサレス、ミロ・キフェス
、ペネロペ・クルス、ロラ・ドゥエニャス、グレン・クローズほか
公開日:2026年9月25日(スペイン)、2026年10月16日(米国)
製作国:スペイン、フランス
言語:スペイン語
原題「La Bola Negra」
米国配給会社:Netflix
長さ:2時間35分
【前哨戦での受賞】
・カンヌ国際映画祭 監督賞
・トロント国際映画祭 観客賞
【評点】
| メタクリティック |
86点
最新→ |
| ロッテン・トマト |
91%
最新→ |
| IMDB |
7.0
最新→ |
| レターボックス |
4.2
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「急に具合が悪くなる」
今回のオスカーの注目点の一つは、濱口竜介監督旋風が再び起きるかどうか。とりわけ、「ドライブ・マイ・カー」(2021年)に続く作品賞ノミネート入りの成否が、最大の焦点となる。
ドライブ・マイ・カーは、濱口監督の独特の話法が一部のアカデミー会員に熱烈に支持された。今回の「急に具合が悪くなる」は、アート作品としてのインパクトはドライブ・マイ・カーに及ばないかも知れない。実際、メタクリティックの点数は今のところ「87」で、「91」だったドライブ・マイ・カーに比べて若干劣る。
とはいえ、今作は「テーマの切実さ(身近さ)」「普遍性」という強みがある。老い、病、介護、死、看取り、友情、ケアという、誰にとっても避けられない問題を扱い、誰にでも響きやすい。
「素直に感動できる」「普通に泣ける」という点でも、ドライブ・マイ・カーより勝るとの声が多い。3時間16分という長尺なのに、一般観客のスコアが極めて高いのもその証左。それでいて、芸術性や独創性を犠牲にしているという受け止めは少ない。
難点は「理想主義」「知的エリート主義」的な傾向がやや鼻につくとされる点か。認知症介護の過酷な現場を知る人にとっては「呑気すぎる」「上から目線」と受け止められかねず、前半部分の資本主義批判も少なからず教条的。
とはいえ、進歩的思想が片隅に追いやられつつある昨今、あえて理想論を掲げて現実社会にぶつかっていく登場キャラ及び制作陣の姿勢が、むしろ高評価につながる可能性もある。
【ノミネート有力部門】
| 部門 |
作品賞 |
| 監督賞 |
主演女優賞 ビアジニ・エフィラ |
| 脚色賞 |
| 国際映画賞 |
監督:濱口竜介(「ドライブ・マイ・カー」「悪は存在しない」)
脚本:濱口竜介、ルディムナ玲亜
主演:ビアジニ・エフィラ(ベルギー出身、「ベネデッタ」「パリの記憶」など)、岡本多緒(日本人、「ウルヴァリン:SAMURAI」など)
助演:長塚京三、黒崎煌代(こうだい)ほか
公開日:2026年6月19日(日本)
製作国:フランス、日本、ドイツ、ベルギー
言語:フランス語、日本語
英題「All of a Sudden」
米国配給会社:ネオン
長さ:3時間16分
【前哨戦での受賞】
・カンヌ国際映画祭 女優賞
【評点】
| メタクリティック |
87点
最新→ |
| ロッテン・トマト |
97%
最新→ |
| IMDB |
8.0
最新→ |
| レターボックス |
4.1
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「The Invite」
「ブックスマート」のオリビア・ワイルド監督3作目
「ブックスマート」(2019年)で映画監督としての鮮烈デビューを果たしたオリビア・ワイルドの3作目が、やや期待外れとされた2作目「ドント・ウォーリー・ダーリン」を経て放った起死回生の大人気作。
スペイン映画のリメイク
サンフランシスコのある夫婦の自宅を舞台とする会話劇コメディ。同じマンションの上の階に住むカップルを夕食に招いたことから始まる4人の会話の応酬と、視線、沈黙、気まずい間をひたすら追う。結婚、性生活、加齢、嫉妬、自由、退屈といった題材を、笑いの中に織り込んだ。原作は、ゴヤ賞の作品賞にノミネートされたスペイン映画「Sentimental(英題:The People Upstairs)」(2020年、日本未公開)。
4人芝居の妙味
家に招くのはセス・ローゲンとオリビア・ワイルドが演じる夫妻。招かれる隣人はペネロペ・クルスとエドワード・ノートン。4人の演技が称賛された。
サンダンス後にA24が取得
サンダンス映画祭の初上映後に争奪戦になり、A24が米国配給権を取得した。
【ノミネート有力部門】
| 部門 |
作品賞 |
助演男優賞 エドワード・ノートン |
助演女優賞 ペネロペ・クルス |
| 脚色賞 |
監督:オリビア・ワイルド(「ブックスマート」「ドント・ウォーリー・ダーリン」)
脚本:ウィル・マコーマック(アニメ「愛してるって言っておくね」の監督・脚本)&ラシダ・ジョーンズ
※2人とも兼俳優として有名。「トイ・ストーリー4」の脚本にも参加。
原作:スペイン映画「Sentimental(英題:The People Upstairs)」(2020年)
主演:セス・ローゲン、オリビア・ワイルド
助演:ペネロペ・クルス、エドワード・ノートン
製作国:アメリカ
配給会社:A24
長さ:1時間47分
公開日:2026年6月26日(米国)
【興行収入】
北米:4900万ドル
【製作費】
推計600万〜1200万ドル規模
【評点】
| メタクリティック |
82点
最新→ |
| ロッテン・トマト |
96%
最新→ |
| シネマスコア |
B+
|
| IMDB |
7.5
最新→ |
| レターボックス |
4.0
最新→ |
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<劇伴「Contentious Environment」▼>
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「もしもの愛」
Netflix配信の韓国映画
Netflixが世界で配信・配給する韓国映画。貧しい夫婦と裕福な夫婦が、一本のドキュメンタリー映画の撮影を通じて接近し、互いの欲望や心の傷をあらわにしていく。イ・チャンドン監督の「バーニング 劇場版」(2018年)以来、8年ぶりの長編。2時間44分の長尺。
イ・チャンドン監督が長年温めていた企画
イ・チャンドン監督は以前から、本作の夫婦を主人公とする別の映画を準備し、脚本もかなり書き進めていた。当時からソル・ギョングとチョン・ドヨンの出演を想定していたという。しかし、企画はいったん中断。その後、ドキュメンタリー監督の夫婦を加えることで再始動した。
Netflixは、脚本が完成した段階で企画への参加を決めたとされている。監督に創作上の自由を認めたことで、世界規模での配信・配給権の取得が決まった。
米アノニマスが参加
製作会社として、
イ・チャンドン監督系列の韓国2社(パインハウスとナウフィルム)に加えて、
米国のアノニマス・コンテントが参加した。
アノニマスは、「スポットライト 世紀のスクープ」「レヴェナント:蘇えりし者」「エターナル・サンシャイン」などのオスカー映画に携わってきた。
プロデューサー陣は、監督の弟イ・ジュンドン氏とアノニマスの2名で構成。
ベネチア国際映画祭で絶賛
ベネチア国際映画祭で絶賛された。貧富の格差という問題を、夫婦の愛情・欲望・自尊心の話に引き寄せ、緻密な人間ドラマに仕上げたことが高く評価された。
【ノミネート有力部門】
監督:イ・チャンドン(「オアシス」「シークレット・サンシャイン」「バーニング 劇場版」)
脚本:イ・チャンドン&オ・ジョンミ
※「バーニング 劇場版」に続く共同脚本。
原作:オリジナル脚本
出演:チョン・ドヨン、ソル・ギョング、チョ・インソン、チョ・ヨジョン
製作国:韓国、アメリカ
配給会社:Netflix
長さ:2時間44分
米国公開日:2026年10月23日
Netflix配信日:2026年11月6日(世界)
【評点】
| メタクリティック |
93点
最新→ |
| ロッテン・トマト |
100%
最新→ |
| IMDB |
7.9
最新→ |
| レターボックス |
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最新→ |
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<ベネチア国際映画祭のレッドカーペット▼>
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