作品賞ノミネートの注目・有望作品

トップガン マーヴェリック
Everything Everywhere All at Once
フェイブルマンズ
イニシェリン島の精霊
ホエール(The Whale)
ター(Tar)
ウィメン・トーキング
バビロン
【失速】ザ・サン
【失速】バルド

<注目作品の一覧>
作品 説明
「トップガン マーヴェリック」

(日本公開:2022年5月27日)

トップガン マーヴェリック

【注目の部門】作品賞、主演男優賞(トム・クルーズ)、音響賞、撮影賞、編集賞、視覚効果賞、歌曲賞(レディー・ガガ)

■ロッテントマト評価:
96%(最新スコア→

■IMDB評価:
8.4(最新スコア→

■シネマスコア(観客の評価):
A+

【動画】
<予告編>

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<メイキング>

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1986年の大ヒット映画「トップガン」の続編。 「奇跡の続編」と呼ばれるほどの圧倒的な出来栄えにより、2022年の年間米国興行収入でぶっち切りの1位を独走中。 映画評論家からもアクション系娯楽大作としては異例の高評価を得て、賞レースに堂々と名乗り出た。

初代トップガンは1987年のアカデミー賞で「歌曲賞」「編集賞」「録音賞」「音響編集賞」の4部門にノミネートされた。 このうち、歌曲賞で受賞を果たした。受賞対象は挿入歌「愛は吐息のように (Take My Breath Away)」。ロックバンド「ベルリン」による恋愛バラードで、流行歌となった。

そんな1作目から36年にして初めての続編。若者向けの青春ドラマだった前作から物語性や普遍性を大きく発展させ、老若男女の魂を揺さぶり得るハイグレードな大作となった。 中年になったトム・クルーズ演じる主人公の人間的な成熟ぶりや苦悩、若い世代との緊張関係や絆が丁寧に描かれており、ドラマとしての質が格段に向上。ド迫力の空中戦シーンも大絶賛された。

コロナ禍で映画館から遠ざかっていた大人世代を呼び戻した功績は大きい。 米国では2022年暮れから「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」で若い世代が劇場に殺到したが、中高年は依然として足取りが重かった。 「大人は配信サービスで済ませる時代になったのか」という声が広がるなか、トップガン マーヴェリックは劇場復権の起爆剤となった。

とりわけIMAX(アイマックス)などの特殊スクリーンの座席は激しい争奪戦となり、日本を含め世界の興行界に希望をもたらした。

【▼特集:「トップガン マーヴェリック」アカデミー賞の行方▼
「Everything Everywhere All at Once(エブリシング・エブリホエア・オール・アット・ワンス)」

(米国公開:2022年3月、日本公開:2023年3月)

Everything Everywhere All at Once

【注目の部門】作品賞、監督賞、脚本賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞ほか

■ロッテントマト評価:
95%(最新スコア→

■IMDB評価:
8.1(最新スコア→

【動画】
<予告編>

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異次元空間との往来をテーマにしたSF系ドラマ。コメディやアクションの要素も強い娯楽作ながら、映画アート要素も豊富。ミシェル・ヨー主演。

<独創性に評論家が熱狂>
2022年上半期において、「トップガン マーヴェリック」と並ぶ高い評価を得た。 新鮮で独創的な面白さという点においては「パラサイト 半地下の家族」に匹敵する称賛を集めた。 賛否が分かれやすい奇抜な作風とストーリーであるにもかかわらず、ロッテン・トマト集計で批評家の95%、一般観客の89%が支持している。 とりわけ批評家や映画マニアの間では「満点」レビューが相次いだ。

商業的にも大成功し、全米では当初の中規模公開から大規模公開へと拡大。熱烈な口コミ評価を追い風にロングランとなった。インデペンデント系有力映画会社「A24」にとって歴代最高の興行収入を記録した。

<ダニエルズ>
監督は「ダニエルズ」と呼ばれる2人組。ダニエル・クワン(34歳)とダニエル・シャイナート(35歳)の若手コンビである。脚本も書いた。

クワンはアジア系で米東部マサチューセッツ州出身。シャイナートは南部アラバマ州の出身。2人はボストンの大学で映画を学んでいるときに出会った。卒業後、2人組の監督としてヒット曲の音楽ビデオを手掛け、成功した。その後、映画に参入し、「スイス・アーミー・マン」(2016年)でサンダンス映画祭の監督賞を獲得した。 本作が2作目の長編映画。

「アベンジャーズ/エンドゲーム」などの監督として知られるルッソ兄弟などがプロデューサーを務めた。

<ミシェール・ヨー>
世界の映画界で長年活躍してきた中国系マレーシア人の女優ミシェル・ヨーが、主演女優賞の有力候補として注目されている。 ヨーはこれまで、アカデミー作品賞にノミネートされた「グリーン・デスティニー」(2000年)や、「クレイジー・リッチ」(2018年)「シャン・チー/テン・リングスの伝説」などのメジャー映画で多様な役柄を演じてきた。 アジア系俳優の認知度向上を引っ張ってきた人物。今回、キャリア最高級の演技を見せている。

<キー・ホイ・クァンの華麗な復帰>
ミシェル・ヨーの夫役キー・ホイ・クァンも、助演男優賞でノミネート入りが期待されている。 子供のころ「グーニーズ」と「インディ・ジョーンズ2」の子役として登場し、世界的な人気者となった。 その後は大学で映画学を専攻し、制作サイドの仕事に従事。俳優業は休んでいたが、今回見事なカムバックを果たした。

<上半期の映画賞を独占>
本作は、上半期の映画を対象とする「ハリウッド批評家協会半期賞」において、7部門を全て独占するという快挙を成し遂げた。 作品賞や監督賞では強豪「トップガン マーヴェリック」を抑えた。 主演女優賞(ミシェール・ヨー)、助演男優賞(キー・ホイ・クァン)も獲得。 助演女優賞には、本作から娘役のステファニー・スーと、税務署職員役のジェイミー・リー・カーティスの2人がノミネートされ、スーが受賞した。

<歴史的な一作>
映画ファンの間では「エターナル・サンシャイン」(2004年)、「マトリックス」(2004年)のような歴史的なインパクトのあるSF作品との高評価も多い。「歴代ベスト級」との声もある。

【あらすじ】米国でコインランドリー店を経営する中国系家族が、宇宙を救うミッションへと巻き込まれる。

■配給会社:A24
「フェイブルマンズ(The Fabelmans)」

(全米公開:2022年11月23日、日本公開:未定)

The Fabelmans

【注目の部門】作品賞、監督賞(スティーブン・スピルバーグ監督)、助演女優賞(ミシェル・ウィリアムズ)

■ロッテントマト評価:
96%(最新スコア→

■IMDB評価:
8.5(最新スコア→

【動画】
<予告編>

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巨匠スピルバーグ監督の半自伝的な青春映画。オスカー前哨戦の「初戦」として注目されるトロント国際映画祭で観客賞(最高賞)を獲得した。 ライバル視されていた「ウィメン・トーキング」や「イニシェリン島の精霊」を破り、堂々の勝利だった。

評論家や映画ファンからは称賛の声が相次いだ。ロッテン・トマトのスコアはトロント映画祭が終わった時点で98%という高水準。IMDbも8.6(投稿数469件)という好スタートを切った。

「ウエスト・サイド・ストーリー」のような商業的な失敗とならなければ、作品賞レース終盤まで有力候補の一角として走り続ける可能性が高いだろう。 監督賞、脚本賞、母親役のミシェル・ウィリアムズの助演女優賞(または主演女優賞)などもノミネート入りが期待されている。

監督の故郷である米アリゾナが舞台。8ミリ映画の撮影に明け暮れる主人公の少年サミーが、様々な出会いと別れを通して成長。映画づくりへの情熱をだんだんと形にしていく。一方で、両親の夫婦仲の悪化などの厳しい現実にも直面する。

「映画愛」と「家族」が大きなテーマとなっており、オスカーとの相性は良さそうだ。40年以上にわたって愛され続けている巨匠監督が、パーソナルな想いを詰め込んだとなると、ハリウッドだけでなく、世界のアカデミー会員が何らかの形で心を動かされるだろう。

スピルバーグは21世紀に入ってもオスカーのノミネート常連であり続けたが、受賞となると、1999年のプライベート・ライアンで監督賞を獲ったのが最後だ。「ウエスト・サイド・ストーリー」では、スピルバーグのマジックが健在であることを印象づけた。「GOAT」 (Greatest of All Time=史上最高)という呼称を用いて改めてスピルバーグに敬意を示す映画人も増えてきた。業界のムード的には、強い追い風が吹いている。

スピルバーグ監督は2001年の「AI」以来、約20年ぶりに自ら脚本に参加した。脚本執筆の相棒はトニー・クシュナー。「ミュンヘン」「リンカーン」「ウエスト・サイド・ストーリー」などスピルバーグ作品で常連の脚本家である。

スピルバーグとクシュナーは、コロナ禍で都市封鎖されていた2020年10月から脚本を着手した。1日4時間・週3日のペースで書き、2か月で仕上げたという。

■映画祭:トロント国際映画祭で観客賞(最高賞)

■配給会社:ユニバーサル
「イニシェリン島の精霊」

【注目の部門】作品賞、主演男優賞(コリン・ファレル)、脚本賞

(日本公開:2023年1月)

イニシェリン島の精霊

■ロッテントマト評価:
100%(最新スコア→

■IMDB評価:
8.1(最新スコア→

【動画】
<予告編>

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マーティン・マクドナー監督。アカデミー作品賞ノミネート「スリー・ビルホード」以来5年ぶりの新作となった。脚本もマクドナーがオリジナルで書いた。ブラック・コメディ兼ドラマ。アイルランドの孤島のイニシェリン島が舞台。

コリン・ファレル主演。ファレルは一度もアカデミー賞にノミネートされたことがない。本年度は「13人の命」で好演を見せたこともあり、待望の初ノミネートへの期待が高まっている。

オスカー獲得キャンペーンが得意な米サーチライトが配給を手掛ける。本年度のサーチライト作品の中では「エンパイア・オブ・ライト」もあるが、本作のほうが評価が高いため、作品賞は本作に絞ってキャンペーンを張る可能性が高い。

■映画祭:ベネチア国際映画祭に出品

■配給会社:サーチライト
「The Whale」(ホエール)

(日本公開:2023年、米国公開:2022年12月9日)

The Whale

■ロッテントマト評価:
70%(最新スコア→

■IMDB評価:
未定(最新スコア→
ダーレン・アロノフスキー監督。

主演のブレンダン・フレイザーが大絶賛されている。 見事なカムバックに映画ファンも大いに盛り上がっている。 「レスラー」のときのミッキー・ロークを彷彿とせる。

アロノフスキー監督は、「ブラック・スワン」「レスラー」で知られる超実力派。

■映画祭:ベネチア国際映画祭に出品。

■配給会社:A24
「Tar」(ター)

(日本公開:2023年、米国公開:2022年10月7日)

Tar

■ロッテントマト評価:
97%(最新スコア→

■IMDB評価:
7.9(最新スコア→

【動画】
<予告編>

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ケイト・ブランシェット主演の心理ドラマ。

トッド・フィールド監督の3作の長編映画。同監督は俳優出身。2002年に監督デビュー作「イン・ザ・ベッドルーム」でアカデミー賞の作品賞と脚本賞にノミネート。さらに2007年に2作目の「リトル・チルドレン」で脚本賞にノミネートされた。 それ以来、いくつかの映画またはテレビのプロジェクトに参加したが、いずれも作品が実現しなかった。その間、映画ファンは新作を待望し続けていた。本作は、実に16年ぶりの作品となる。

主演ケイト・ブランシェットの演技が称賛されている。すでに7回オスカーにノミネートされ、2回受賞しているブランシェットだが、本作の演技も過去の代表作に匹敵すると評価されている。

架空の女性指揮者リディア・ターが主人公。彼女はクラシック音楽界で世界トップ級の指揮者と評価されており、ドイツの著名オーケストラを率いている。

■映画祭:ベネチア国際映画祭に出品。

■配給会社:フォーカス
「Women Talking」(ウィメン・トーキング)

(米国公開:2022年12月2日、日本公開:未定)

ウィメン・トーキング

【注目の部門】作品賞、監督賞、脚色賞、助演女優賞(ジェシー・バックリー、クレア・フォイ)、助演男優賞(ベン・ウィショー)ほか

■ロッテントマト評価:
86%(最新スコア→

■IMDB評価:
8.0(最新スコア→
女優出身のサラ・ポーリー監督。女性パワーの結集をテーマにしたドラマ。現代版の「十二人の怒れる男」とも評される。実力派の俳優たちが見事なアンサンブル演技を披露し、称賛を浴びた。

<作品賞、監督賞、脚色賞の有力候補に>
サラ・ポーリーは、監督デビュー作となった2006年の「アウェイ・フロム・ハー君を想う」で、アカデミー賞の脚色賞にノミネートされた。このほか多数の賞を獲得した。女優としては秀作ホラー「ドーン・オブ・ザ・デッド」などでお馴染み。カナダ人。

本作は、カナダ人の作家による同名小説が原作。キリスト教(メノナイト派)の女性8人が、密かに納屋に集まる、この地域では、女性のレイプ被害が相次いでいた。

<見事なアンサンブルキャスト。助演女優賞の本命か>
役者陣の中では、とりわけジェシー・バックリーとクレア・フォイが称賛を浴びており、助演女優賞ノミネートの有力候補と見られている。バックリーは前年のオスカーでも「ロスト・ドーター」で助演女優賞にノミネートされた。 ベン・ウィショーの助演男優賞ノミネートも期待されている。

2度のオスカー女優フランシス・マクドーマンドも出演。マクドーマンドは4人のプロデューサーの1人に名をつらねる。ブラッド・ピットもプロデューサー。

■映画祭:テルライド映画祭に出品

■配給:UA
「バビロン(Babylon)」

(米国公開:【地域限定】2022年12月25日、【全米拡大】2023年1月6日、日本公開:2023年)

バビロン

【動画】
<予告編>

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「ラ・ラ・ランド」「セッション」のデミアン・チャゼルが監督。「ファースト・マン」以来4年ぶりの監督作となる。

出演:ブラッド・ピット、マーゴット・ロビー。題材といい、布陣といい、まさにオスカー絡みの期待作。

1920年代の黄金期のハリウッドが舞台。無声映画から発声映画への移行期を描く。

主人公は、サイレント映画時代のトップ俳優ジョン・ギルバート。破天荒な私生活でも知られた彼を、ピットが演じる。

実在の人物と架空のキャラクターを織り交ぜた物語だという。

出演している俳優トビー・マグワイアはエグゼクティブ・プロデューサーの一人に名をつらねている。

■配給会社:パラマウント
「The Son」(ザ・サン)

(米国公開:2022年11月11日)

ザ・サン

【動画】
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ベネチア国際映画祭とトロント国際映画祭に出品されたが、評論家のレビューはあまり良くなかった。

2020年のアカデミー賞で主演男優賞(アンソニー・ホプキンス)を獲得した「ファーザー」の前日譚(たん)。

ファーザーと同様、フランスの有名劇作家フローリアン・ゼレールが監督を務める。 自らの舞台演劇に基づいている点も、ファーザーと同じ。

実力派をそろえた豪華キャストが見物。ヒュー・ジャックマン、ローラ・ダーン、バネッサ・カービー、アンソニー・ホプキンスが出演する。このうちダーンとホプキンスはオスカー獲得済み。ジャックマンとカービーはノミネート経験がある。

英国と米国の合作。

■映画祭:ベネチア国際映画祭、トロント国際映画祭に出品。

■配給会社:ソニー・ピクチャーズ・クラシックス
「Triangle of Sadness」(トライアングル・オブ・サッドネス)

(日本公開:未定)

トライアングル・オブ・サッドネス

■ロッテントマト評価:
70%(最新スコア→

■IMDB評価:
7.8(最新スコア→

【動画】
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カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した。リューベン・オストルンド監督にとって「ザ・スクエア 思いやりの聖域」に続き2度目の受賞となった。
「Armageddon Time」(アルマゲドン・タイム)

(日本公開:未定)

アルマゲドン・タイム

■ロッテントマト評価:
89%(最新スコア→

■IMDB評価:
6.7(最新スコア→

【動画】
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青春映画。友情を描く。2人の学生は仲良しだった。2人とも先生に嫌われていた。大学のキャンパスで喫煙しているのが見つかった。

『アド・アストラ』(2019)などで知られるジェームズ・グレイ監督。

アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、ジェレミー・ストロング、アンソニー・ホプキンスら豪華俳優陣。

グレイ監督は、ニューヨークでの学生生活を基に自ら脚本も執筆した。

■映画祭:カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品したが、敗北した。
「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」

(日本公開:2022年12月16日)

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

【動画】
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ジェームズ・キャメロン監督

■配給会社:ディズニー
「キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン」(Killers of the Flower Moon)

(日本公開:未定)

キラーズ・オブ・ザ・フラワー・ムーン
監督はマーティン・スコセッシ。

主演はジェシー・プレモンス。共演はレオナルド・ディカプリオ、ロバート・デ・ニーロほか。

犯罪捜査ドラマ。

原作は、デビッド・グランのノンフィクション小説『花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』(早川書房刊)。

アメリカ南部・オクラホマ州で1920年代に起こった先住民族オセージの殺人事件に迫る。

舞台は1920年代のオクラホマ州オーセージ。

その土地の石油鉱業権を保持し、高い利益を得ていた先住民オーセージ族が次々と謎の死を遂げる。

元テキサス・レンジャーの特別捜査官トム・ホワイトは、後のFBIとなる捜査局と29歳のジョン・エドガー・フーヴァー長官の下、大規模な捜査を開始する。

しかし、利権や人種差別が複雑に絡み合う事件に捜査は難航する。

背景には、現地での石油発見があった。

脚本は、スコセッシと『ミュンヘン』(2005)のエリック・ロス。

撮影監督は『沈黙 -サイレンス-』(2016)『アイリッシュマン』のロドリゴ・プリエト。

■配給会社:パラマウント、アップル
「13人の命」

(日本公開:2022年8月【Amazon配信】)

13人の命

■ロッテントマト評価:
87%(最新スコア→

■IMDB評価:
7.8(最新スコア→

【動画】
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ロン・ハワード監督

主演ヴィゴ・モーテンセン、助演コリン・ファレル。

2018年にタイで起きた洞窟遭難事故を描く。

地元の少年サッカーチームの12人とコーチ1人の計13人が閉じ込められた。本作では、救出劇にスポットを当てられている。洞窟を専門とする民間ダイバー(潜水士)たちにが海外から駆けつけ、命がけの救出に臨む。

奇跡としか言いようのない実話を、一級の撮影技術と演技で再現した。

批評家や一般客に高い評価を得た。「ビューティフル・マインド」(2001年)でアカデミー賞を獲った名匠ロン・ハワードにとって、久しぶりに大多数から賛辞を得る作品となった。

当初、配給会社MGMは劇場公開を予定していた。しかし、AmazonがMGM買収を完了させたことで、配信作品になった。賞レースに参加するため、アメリカは1週間だけ劇場公開が行われた。

■配給会社:MGM(UA)、アマゾン
「Stars at Noon」(スターズ・アット・ヌーン)

(日本公開:未定)

スターズ・アット・ヌーン

■ロッテントマト評価:
67%(最新スコア→

■IMDB評価:
5.3(最新スコア→
カンヌ国際映画祭で2位(グランプル)を受賞した。(欧州映画「Close」と同点受賞だった)

アメリカ映画
「エンパイア・オブ・ライト」

(日本公開:2023年2月)

エンパイア・オブ・ライト

■ロッテントマト評価:
50%(最新スコア→

■IMDB評価:
6.3(最新スコア→

【動画】
<予告編>

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サム・メンデス監督。4年前に「1917」で「パラサイト 半地下の家族」と作品賞を競り合ったメンデス監督の新作。「スカイフォール」「アメリカン・ビューティ」でも有名な彼が、英国の恋愛物語を自らのオリジナルストーリーで描いたが、脚本をめぐって賛否の評価が分かれた。

主演のオリビア・コールマンらの演技は称賛された。

■出演:
オリビア・コールマン
マイケルウォード
コリン・ファース

■配給会社:サーチライト
「バルド、偽りの記録と一握りの真実」(Bardo

(Netflix)

(日本公開:2022年12月16日)

バルド

■ロッテントマト評価:
53%(最新スコア→

■IMDB評価:
6.9(最新スコア→
「バードマン」で作品賞を受賞したアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の作品。 イニャリトゥ監督は「レヴェナント」でも監督賞を受賞するなど、オスカーの常連。

メキシコ映画。スペイン語。メキシコの有名なジャーナリストを描く。

■「期待外れ」の声
ベネチア国際映画祭に出品されたが、期待外れの声が多く出た。Netflixは当初、本作をオスカーキャンペーンの主眼に置く姿勢を見せていたが、批評家の評価が低いことから、戦略の見直しを余儀なくされた。

■映画祭:ベネチア国際映画祭に出品。

「トップガン マーヴェリック」のアカデミー賞の行方

トップガン マーヴェリック

「トップガン」ノミネートの有力部門(予想)

部門 対象人物や有力度
作品賞 ■プロデューサー(以下の4人):

(1)ジェリー・ブラッカイマー(初代トップガンを製作した超有力プロデューサー)

(2)トム・クルーズ(プロジェクト全体の推進役になった。過去のノミネート↓

(3)クリストファー・マッカリー(脚本家。「ミッション・インポッシブル4」「オール・ユー・ニード・イズ・キル」などのトム・クルーズ作品で脚本を手掛けてきた。「ユージュアル・サスペクツ」の脚本家としても有名。本作では3人の共同脚本家の1人)

(4)デビッド・エリソン(製作会社スカイダンスの経営者。オラクルを創業した大富豪ラリー・エリソンの息子)

【アクション映画は不利だが、それでもノミネートの可能性は高い?】
 作品賞ノミネートに向けたポイント↓↓
主演男優賞 トム・クルーズ
過去のノミネート↓

【俳優としてのノミネートは厳しい?】
音響賞 【受賞の最有力?】
編集賞 エディ・ハミルトン
(「ミッション・インポッシブル」フォールアウト、ローグ・ネイション、「キングスマン」シリーズの編集を担当)

【ノミネート有力?】
撮影賞 撮影監督:クラウディオ・ミランダ
(「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」でアカデミー賞受賞。「ライフ・オブ・パイ」「オブリビオン」でも知られる )

実際に機内にIMAX(アイマックス)カメラを搭載して、撮影した。

【ノミネート有力?】
視覚効果賞 【ノミネートがやや有力?】
歌曲賞 レディー・ガガ「ホールド・マイ・ハンド」

【ノミネート有力?】
作曲賞 ハロルド・フォルターメイヤー
ハンス・ジマー
ローン・バルフ

【やや困難か?】

トム・クルーズのオスカー歴

ノミネート3回。受賞はゼロ

トム・クルーズは過去に3度、アカデミー賞にノミネートされました。受賞は一度もありません。

<トム・クルーズのノミネート歴>
結果 作品 部門
2000 ノミネート 「マグノリア」 助演男優賞
1997 ノミネート 「ザ・エージェント」 主演男優賞
1990 ノミネート 「7月4日に生まれて」 主演男優賞

作品賞ノミネート獲得に向けたポイント

強み

映画館「復活」への多大な貢献 コロナ禍の後の映画館の復興に貢献した。

当初は2020年に公開予定だったが、コロナで延期。その後も劇場での大規模公開にこだわり、延期を重ねた。

この間、主演のトム・クルーズは劇場文化への支持を熱心に訴え続けた。自分と関係のない映画「TENET(テネット)」の公開時、マスクを着用して一般観客に混じって鑑賞する姿を自ら撮影し、SNSに投稿。大スクリーンの良さを伝えた。

本作の最大の見せ場は迫力満点の戦闘機の空中戦シーン。それが、長い間劇場から遠ざかった中高年層を大型スクリーンへと誘う呼び水となった。とりわけIMAX(アイマックス)に代表される特別施設に人が集まった。
「すぐに配信」の潮流に歯止め 劇場公開から短期間でネット配信を始めなかった点も、高く評価されている。一部の大手ハリウッドスタジオは最近、ネット配信を始めるようになった。例えばディズニーは人気作品をわずか45日間で配信スタートしている。これが、映画館離れにつながっている。

プロデューサーの1人であるトム・クルーズの強い意向もあって、トップガン マーヴェリックは「オンリー・イン・シアター」を強調。しばらくストリーミング配信を見送ることとなった。
専門家と一般観客の双方の支持 評論家と大衆の両方から、極めて高い評価を得た。近年の映画界は、評論家や業界人などの専門家に支持される作品と、一般観客に好まれる作品の乖離が大きくなっている。このため、映画業界人が投票するアカデミー賞の作品は、一般ではあまり知られていないことが多い。本作は「シネフィル(映画人間)」と「一般層」がら、垣根なく愛された。本作を作品賞にノミネートすることは、「オスカーを大衆側に戻す」という時代的な要請に合致する。
高い年齢層からの支持 アカデミー会員の年齢層は高い。中高年以上の支持がなければ、作品賞ノミネートは難しい。コミック映画がなかなかノミネートされないのは、これが原因の一つだ。

本作は、50代以上の世代から熱い称賛の声を集めた。アクション・シーンで魅せる映画にしては珍しい現象だ。支持された理由としては大人向け人間ドラマとしてしっかりと成立していることが挙げられる。また、1980年代のノスタルジアが溢れている点も大きい。

過去の類似の例としては「マッドマックス 怒りのデス・ロード」が挙げられる。同作はアクション映画ながら、技術的なレベルの高さもあって作品賞にノミネートされた。しかも、その年の「最多受賞」を果たした。

また、事前の知識がなくても楽しめる点も大きい。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」や「アベンジャーズ/エンドゲーム」は前作までの予備知識が必須であるため、どうしても支持層が限定される。その点、トップガン マーヴェリックは、事前に何も知らなくても楽しめるように設計されている。
トム・クルーズへの支持 ハリウッド映画界において、トム・クルーズに対する信頼が、かつてないほど厚くなっている。とりわけ一つ一つのプロジェクトに全身全霊をかけて取り組む姿勢が評価されている。

本作では、自ら戦闘機に搭乗し、特撮に頼らないスタント・アクションに挑んだ。コンピューターで映像を合成してつくるのでななく、現場での撮影にこだわって本物志向の映像作品を創り上げていく姿勢は、業界内の幅広い職種の人たちから尊敬を集めている。
「続編」としてのお手本を示した。 ハリウッドを含めて世界の映画界で安直な続編が横行するなかで、徹底的に「質」に徹底的にこだわった。その結果、1作目(オリジナル)を大きく上回るクオリティーを達成した。

続編とはこうあるべき、という見本を示したといえる。
説教臭くない アカデミー会員の中には「説教臭い映画」を嫌う人も多い。とくに近年は、声高に正義感や理想論をふりかざしたり、伝統的価値観を一方的に攻撃する作品を敬遠するムードもある。

そうした意味では、「トップガン マーヴェリック」には理屈っぽさがない。社会的なアジェンダの押しつけもない。テーマは「組織と個人」「苦悩と成長」「師弟関係」などの普遍的なものであり、政治的な立場に関係なく楽しむことができる。

また、マイルドに愛国感があることも、米国本流の賞としては好材料。

弱み

公開時期が早い
革新性・独創性の弱さ 総合的に優れた映画であることは誰もが認めているが、独創性や革新性という点ではインパクトが強くない。映画の王道として突き抜けてはいるが、優等生的な作品である。
娯楽大作(ブロックバスター映画)である。 娯楽大作(ブロックバスター映画)やアクション映画は不利である。
社会問題 過去のオスカー受賞作は「人種差別(それでも夜は明ける)」「労働者の貧困(ノマドランド)」「性的少数派(ムーンライト)」「児童虐待(スポットライト 世紀のスクープ)」「格差社会(パラサイト 半地下の家族)」など、社会問題に切り込んだ作品が多い。本作は、社会派の作品ではない。

初代「トップガン」のオスカー受賞歴

受賞 歌曲賞
「愛は吐息のように (Take My Breath Away)」 by ベルリン

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ノミネート
編集賞
音響賞(旧・録音賞)
音響編集賞

前哨戦の結果

2023年の賞レースの星取表

2023年のアカデミー賞の前哨戦の結果一覧です。

<オスカー前哨戦の結果>
作品賞 監督賞 主演 助演
ベネチア映画祭

歴代
オール・ザ・ビューティ&ザ・ブラッドシェッド ルカ・グァダニーノ 【男優】
コリン・ファレル
「イニシェリン島の精霊」

【女優】
ケイト・ブランシェット
「ター(Tar)」
トロント映画祭

歴代
フェイブルマンズ

選考・発表・放送の日程

イベント 日時
主要部門のエントリー申請の期限 2022年11月15日
仮投票の開始 2022年12月12日
仮投票の終了 2022年12月15日
候補作の候補(ショートリスト)発表 2022年12月21日(水)
選考対象となる作品の公開日の期限 2022年12月31日
ノミネート投票開始 2023年1月12日(木)
ノミネート投票終了 2023年1月17日(火)
ノミネート発表 2023年1月24日(火)
最終投票開始 2023年3月2日
最終投票終了 2023年3月7日
授賞式(結果発表) 2023年3月13日(月)の昼間(日本時間)