映画「ブラックパンサー」は、2019年のアカデミー賞(オスカー)で作品賞にノミネートされました。 作品賞ノミネートは、スーパーヒーロ映画として史上初めての快挙。 アメコミ映画としても史上初でした。 公開当初から一般の映画ファンはもとより、評論家から絶賛され、映画レビューを集計する「ロッテン・トマト」で97%という驚異的なスコアを記録。 「ダークナイト」と「アイアンマン」の94%を上回り、 実写版のスーパーヒーロー映画として歴代1位の高い評価(2019年1月現在)を得ました。
オスカーでは、作品賞は逃しましたが、 衣装デザイン賞、美術賞、作曲賞の3部門を受賞しました。 映画の舞台となるアフリカの民族衣装やドレス、装飾などを華麗に表現したことが評価されました。 マーベル・スタジオが製作した映画として初のオスカー獲得となりました。
受賞 | 衣装デザイン賞 |
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美術賞 | |
作曲賞 (ルドウィグ・ゴランソン) アルバム試聴(Amazon)→ |
ノミネート | 作品賞
予告編(Amazon)→ |
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歌曲賞 ケンドリック・ラマー&シザ「オール・ザ・スターズ」 動画→ 試聴(Amazon)→ |
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録音賞 | |
音響編集賞 |
ブラックパンサーは、アクションや特殊効果だけでなく、演技、監督、脚本、キャスティング、衣装デザインなど様々な点で総合的に称賛されました。 ヒーロー映画の一つのブレイクスルーとされています。 主役や監督をはじめ、主要なキャストと製作スタッフの大半を黒人が占めており、 かつ、作品全体としてアフリカ文化の魅力を存分に引き出したとして、 文化的な意義も評価されています。
これまでのアカデミー賞で、スーパーヒーロー映画は冷遇されてきました。 スーパーヒーロ映画やアメコミ映画が作品賞にノミネートされたことはありませんでした。
2018年は、同じくアメコミ映画の秀作として絶賛され、候補入りが有力視されていた「ワンダーウーマン」が全くノミネートされず、 批判が出ました。
その9年前の2009年には、 名作として称えられたバットマン・シリーズの「ダークナイト」が作品賞にノミネートされず、 全米の映画ファンからひんしゅくを買いました。
ダークナイトが作品賞にノミネートされなかったことは、 オスカーの作品賞のノミネート枠が拡大するきっかけの一つになりました。 従来ノミネートは5作品でしたが、2010年から「最大10」に増えました。 それから9年後、ついにアメコミファン念願のノミネート入りを果たしました。
オスカーでは年末に上映された映画が有利になることが多く、 2018年の1月下旬に公開されたブラックパンサーは、 その点では不利でした。 しかし、配給会社ディズニーがオスカー獲りに向けたキャンペーンをしっかり展開したこともあり、 無事ノミネートされました。
ブラックパンサーは興行成績の面でも記録的なヒットとなりました。 北米市場における興行収入は「スター・ウォーズ/フォースの覚醒(2015年)」「アバター(2009年)」に次いで史上3位となりました。 2019年のアカデミー賞から創設されることが一時内定した「ポピュラー映画賞(人気映画賞)」は、 ブラックパンサーを意識して準備されたと見られています。 結局この賞は新設が見送られましたが、 大衆に幅広く支持された映画を称えることは、 オスカーの注目度アップや授賞式の視聴率アップにつながるという期待も大きいです。
ブラックパンサーは、アメリカの漫画(アメコミ)の映画化作品です。 マーベルの作品の一つであり、マンガのキャラクターとしては50年以上の歴史を持っています。 映画「アベンジャーズ」シリーズに脇役として登場することはありましたが、主人公として映画になるのは初めてです。
アフリカの秘境に位置するワカンダが舞台。 世界からは「小国」と見られているものの。奇跡的なパワーを持つ鉱石ヴィブラニウムを保持しています。 その新国王となったティ・チャラは王として国を治めながら、漆黒のスーツに身を包んだ闇のヒーロー「ブラックパンサー」として秘密を守る使命を負うことになります。
「Black Panther」
意味:クロヒョウ
2018年3月1日(木)
「ブラックパンサー」は、Amazonビデオでストリーミング配信されています。
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