アメリカにおける日本映画(邦画)興行収入ランキング(歴代)。北米市場(全米とカナダの合計)。1位は「ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」、2位は「ゴジラ-1.0」、3位は「鬼滅の刃(きめつのやいば)無限列車編」。上位の大半はアニメが占め、実写ではゴジラ-1.0が断トツ。~データ参照元:エクシブ投資顧問
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順位 | 作品名 | 北米興行収入 | 詳細 |
---|---|---|---|
1位 |
「ポケットモンスター ミュウツーの逆襲」
(英題:Pokémon:The First Movie - Mewtwo Strikes Back) (1998年) |
8574万ドル | 説明▼ |
2位 |
「ゴジラ-1.0」
(英題:Godzilla Minus One) (2023年) |
5641万ドル | 詳細→ |
3位 |
「鬼滅の刃 無限列車編」
(英題:Demon Slayer:Kimetsu no Yaiba – The Movie:Mugen Train) (2020年) |
4950万ドル | 詳細→ |
4位 |
「君たちはどう生きるか」
(英題:The Boy and the Heron) (2023年) |
4678万ドル | 詳細→ |
5位 |
「ポケットモンスター 幻のポケモン ルギア爆誕」
(英題:Pokémon:The Movie 2000 - The Power of One) (1999年) |
4375万ドル | |
6位 |
「ドラゴンボール超 スーパーヒーロー」
(英題:Dragon Ball Super:SUPER HERO) (2022年) |
3811万ドル | |
7位 |
「呪術廻戦 0」
(英題:Jujutsu Kaisen 0) (2021年) |
3454万ドル | |
8位 |
「ドラゴンボール超 ブロリー」
(英題:Dragon Ball Super:BROLY) (2019年) |
3071万ドル | |
9位 |
「遊☆戯☆王デュエルモンスターズ 光のピラミッド」
(英題:Yu-Gi-Oh!The Movie:Pyramid of Light) (2004年) |
1989万ドル | |
10位 |
「借りぐらしのアリエッティ」
(英題:The Secret World of Arrietty) (2012年) |
1959万ドル | 詳細→ |
11位 |
「崖の上のポニョ」
(英題:Ponyo) (2008年) |
1574万ドル | 詳細→ |
12位 |
「千と千尋の神隠し」
(英題:Spirited Away) (2001年) |
1520万ドル | 詳細→ |
13位 |
「子猫物語」
(英題:The Adventures of Milo and Otis) (米国公開1989年8月、日本公開1986年7月) 畑正憲監督。全盛時代の「フジテレビ」が製作した。 アメリカでは吹替版が公開された。日本版から15分カットされた。 2023年に「ゴジラ-1.0」に追い抜かれるまで、34年間にわたり、実写の日本映画として米国興収の歴代1位だった。 その後のインフレ(物価上昇)を加味すると、米国内での興行収入は3300万ドル(2023時点のインフレ計算)に達する。 米国配給:コロンビア・ピクチャーズ(ソニーに買収される直前) 日本でも大ヒットし、同じくフジテレビが製作した「南極物語」に次ぐ歴代興収2位(当時)を記録した。 |
1329万ドル | |
14位 |
「ワンピース・フィルムレッド」
(英題:One Piece Film:Red) (2022年) |
1277万ドル | |
15位 |
「『鬼滅の刃』上弦集結、そして刀鍛冶の里へ」
(英題:Demon Slayer:Kimetsu No Yaiba - To the Swordsmith Village) (2023年) |
1011万ドル | |
16位 |
「ゴジラ2000 ミレニアム」
(英題:Godzilla 2000) (1999年) |
1003万ドル | |
17位 |
「Shall we ダンス?」
(英題:Shall We Dance?) (米国公開:1996年7月) ※日本公開は1996年1月 全米268館で大公開された。190万人の観客動員を達成。 吹き替えでなく、英語字幕での公開という点で画期的だった。 「安定した単調な生活から、少しだけ逸脱したい」という本作のテーマが、米国人の琴線にも見事に触れたようだ。 米国の配給会社(ミラマックス)の判断で、米国版は日本版より約20分短くなった。監督自身の意思で作り変えた部分もある。日本版の冒頭ナレーションは社交ダンスの歴史と、日本における社交ダンスに対する偏見について述べていた。だが、米国版では日本人にとっての夫婦の在り方と社交ダンスの関係を説明する文章になった。 米国のメディアや批評家は「人生最後の“花”を咲かせたいという、中年男の切ない欲求が込められている」(タイム誌)、「中年の不安という広く知られたテーマに、新鮮な展開を提供した」(マクリーンズ誌)などと絶賛された。 権威ある「米国映画批評会議(ナショナル・ボード・オブ・レビュー/NBR)賞」の外国語映画賞を受賞した。米雑誌「ピープル」の年間ベスト10に入った。 アカデミー賞の国際映画賞(当時:外国語映画賞)の日本代表に選ばれず対象外となった。 日本映画製作者連盟(映連)が「学校II」(山田洋次監督、配給:松竹)を日本代表に選んでしまったからだ。 Shall we ダンス?が代表だったら、受賞が確実だったと言われた。「学校II」はノミネートすらされなかった。 このときの映連の愚行は、日本の映画界はもとより、日本国全体にとって大きな損害だった。 また、主演男優賞(役所広司)、脚本賞、音楽賞の3部門でアカデミー賞ノミネートが有力視された。ところが、当時の「ロサンゼルスで劇場公開される前に(アメリカ国外であっても)テレビ放送された作品はテレビ映画とみなし、賞の対象から除外する」というルールがあったため、対象外になってしまった。 なお、周防正行監督は全米公開に至るまでに、米国配給を担当した会社「ミラマックス」の豪腕社長ハーベイ・ワインスタインを相手に悪戦苦闘する。2時間を超える外国映画は観客が見てくれないという理由での無残なカットに激怒し、ステレオタイプの「恥の文化」を背景とした映画宣伝にうんざりする。 自分の父の記憶を背景として、抑圧されている日本のサラリーマンの自己解放というテーマについて全米各地でのキャンペーンでねばり強く説明してゆく。そして次第に「中年の精神的危機(ミッドライフ・クライシス)」という日米のサラリーマンに共通したテーマがあることを発見したという。 世界30か国で公開された。2000年には、日本映画の上映が規制されていた韓国でも公開され、興行ランキング1位になった。ほぼ同時に公開されたジュリア・ロバーツ主演の米映画「エリン・ブロコビッチ」、「スクリーム3」などに倍以上の差をつけた。 韓国で公開された日本映画の第1号は、1998年12月の北野武監督の「HANA-BI」。以来、1999年11月に公開された「Love Letter」の観客動員130万人を筆頭に「鉄道員」「SF」が、ともに60万人を動員するなど、日本の作品は人気が高かった。 韓国では当時、日本映画に関して(1)全年齢が見られる映画(2)カンヌ、ベネチアなど世界70大映画祭で受賞した作品以外は、植民地時代からの国民感情を考慮し、公開が禁止されていた。 ハリウッドでリメークされ、2004年に公開された。リチャード・ギア、ジェニファー・ロペス共演という豪華キャスト。日本版と大きく違うのは物語の後半以降の展開。ハリウッド版では、より夫婦の恋愛が強く描かれており、米国ならではのクライマックスシーンもある。 2004年10月のニューヨーク初公開(プレミア)に出席した周防監督は「リメークしてもらってよかった。いい意味で別物を作ってくれた。オリジナルと見比べてもらうと、ものすごく面白い」と語った。 |
949万ドル
(11億円) |
※日本とアメリカの共同製作(日米合作)の映画は含めていません。(出典:エクシブ投資顧問)
アニメ映画。1998年夏に大ヒットした後、翌年の1999年11月10日に全米で英語吹替版が劇場公開された。
公開規模は約2800館だった。日本映画としては同年10月19日から全米公開された「もののけ姫」の1000館を上回る新記録となった。
興行収入(ボックス・オフィス)の週間ランキングで1位になった。邦画として史上初だった。「世界のクロサワ(黒澤明監督)」も、「ゴジラ」も、リチャード・ギア主演でリメークされるほど全米でヒットした周防正行監督の「Shall we ダンス?」(役所広司主演)もできなかった。
エクシブ投資顧問によると、公開初日だけで1010万ドル(約10億6000万円)を記録。それまで邦画の興収記録だった「Shall we ダンス?」の950万ドル(約10億円=半年以上かけて記録)を、1日分であっさりと抜き去った。公開初週の週末3日間で、2位の全米大ベストセラーの映画化「ボーン・コレクター」(デンゼル・ワシントン主演)の1203万ドルを大きく引き離すダントツの数字を達成した。
英語のタイトルは「ポケモン ザ・ファースト・ムービー」となった。 入場者は先着順に「ピカチュウ」など登場キャラクターのカードをもらえたこともあり、映画館には家族連れの列ができている。
ポケモンは、アメリカでは前年の1998年9月からテレビ版が全米111局で放送された。平均15%の高視聴率を記録した。子供たちに大人気で、ニューヨークなどの小学校ではポケモンカードの持ち込みが禁止された。
劇場版の公開については1998年から多くのメジャー映画配給会社からオファーがあったが、1999年6月、テレビ放送も手掛けるワーナー・ブラザースに決定した。
アメリカ公開用に、新たに合計10分ほど映像を作り直した。背景を細かくしたり、ポケモンキャラクターの動きを手直しした。さらに、1998年公開の日本版にはなかった映像も加わった。この再編集版をさらに微調整したものが全米の劇場で上映された。
北米興収の年間ランキング(1999年)の順位は24位だった。ちなみに1位は「スター・ウォーズ エピソード1 ファントム・メナス」。