オスカー作品賞の名作ベスト50

<トップ10>
順位 作品名 受賞年と説明
「カサブランカ」

カサブランカ

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監督:マイケル・カーティス

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1944年
(第16回)

史上最高の恋愛映画としての評価が定着している。第2次世界大戦下のモロッコを舞台にした傑作ロマンス。名場面と名台詞に彩られた永遠の恋愛映画である。反ナチスを背景に、モロッコの異国情緒、サスペンスの要素が絡む。

ハンフリー・ボガートの名ゼリフ「君の瞳に乾杯」で知られる。うるんだ瞳のイングリッド・バーグマンの美しさが際立つ。

オスカーでは作品賞のほか、監督賞、脚色賞を受賞。かつての恋人たちの思い出を奏でる名曲「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」が切ない。

アメリカ映画の最高傑作といえば、本作と「市民ケーン」「ゴッドファーザー」の3本が挙げられることが多い。

【物語】1940年、仏保護領モロッコ。米国人リック(ハンフリー・ボガート)が経営する酒場。ドイツ占領地から逃れてきたレジスタンスのリーダーとその妻イルザが現れる。イルザはかつて、パリでリックと愛し合った仲だった。
「ゴッドファーザー」

ゴッドファーザー

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監督:フランシス・フォード・コッポラ

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1973年
(第45回)

米国のイタリア系マフィアの内幕を描いた傑作。監督は、当時まだ32歳だったフランシス・コッポラ。主人公のヴィト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は、イタリアのシシリア島からアメリカへ移住した。苦労の末に富を築き上げた。相手が貧しく微力でも、助けを求めに来れば親身になって問題を解決する。抗争では冷酷だが、仲間からは「ドン」「ゴッドファーザー」と慕われ、何よりも家族を大切する。マリオ・プーゾのベストセラー小説が原作。
「風と共に去りぬ」

風と共に去りぬ

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監督:ヴィクター・フレミング

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1940年 年
(第12回)

「不朽の名作」といえば、この映画を思い浮かべる人も多いだろう。 アメリカに限らず世界で「感動映画」の代名詞のように語り継がれてきた。アカデミー賞は10部門受賞。

大物プロデューサー、デビッド・O・セルズニックが、小説家マーガレット・ミッチェル女史から映画化権を獲得。 ビクター・フレミングを監督に起用し、当時としては破格の製作費600万ドルを投じて作り上げた。

南北戦争が始まる直前の南部ジョージア州。 大農場主の娘スカーレットの波乱万丈の人生が圧倒的スケールで描かれた。

野性的なバトラーを演じたクラーク・ゲーブル、そしてスカーレット役ビビアン・リーの名演。 アトランタ市街の大炎上など見せ場シーンの迫力も圧巻。 カラーの彩色技術も称賛された。 マックス・スタイナーの音楽なども見事にマッチ。

インフレ率を加味した興行収入(北米)は、歴代1位を維持している。

1939年の作品だが、日本で最初に公開されたのは戦後の1952年。 多くの人たちが、豪華な衣装やビビアン・リーの美しさに魅了された。 その後も数年おきに映画館で再上映。 1967年のリバイバルでは、東京の映画館に連日長蛇の列ができた。 洋画の代表的な名作として記憶に残された。
「アラビアのロレンス」

アラビアのロレンス

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監督:デヴィッド・リーン

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1963年
(第35回)

イギリス映画。デビッド・リーン監督。

第1次世界大戦時、アラブの動向を探るべく英軍のロレンス少佐が砂漠へと派遣される。やがて彼はアラブの民を率いてトルコ軍と戦い、英雄となっていくが…。実在する英国の探検家がモデルとなっている。

コンピューターグラフィックス(CG)が未発達の時代に、果てしなく広がる砂漠を舞台にして迫力ある映像を表現した。主演ピーター・オトゥールの演技も絶賛された。
「シンドラーのリスト」

シンドラーのリスト

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監督:スティーブン・スピルバーグ

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1994年
(第66回)

第二次世界大戦下のポーランド。ナチスの党員でありながら、自ら経営するほうろう製造工場で働く約1200人のユダヤ人をホロコースト(大虐殺)から救ったドイツ人事業家オスカー・シンドラーの実話。

ユダヤ人の血を引くスティーブン・スピルバーグ監督が、執念を持って歴史を再現した。 白黒映像で、3時間15分の長尺ながら、緊張感があふれ、一瞬たりとも目を放せない。自分が現場にいるような気分にさせられるようなリアル感。 ナチス将校役を演じたレイフ・ファインズ(助演男優賞ノミネート)の好演もあって、ファシズムのもつ退廃、恐ろしさが画面にあふれる。



「波止場」

波止場

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監督:エリア・カザン

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1955年
(第27回)

社会派ドラマ。1940、1950年代を代表するエリア・ガザン監督。セミ・ドキュメンタリー調。

暴力に支配されたニューヨークの波止場が舞台。 港湾労働者の青年の激しい行動力を描く。 この主人公はボクサーくずれ。一匹狼。 マーロン・ブランドが演じる。 ブランドは主演男優賞を受賞した。 なんと、4年連続でのノミネートだった。

11部門でノミネートされ、8部門で受賞した。
「イヴの総て」

イヴの総て

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監督:ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ

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1951年
(第23回)

スターの座をめぐる女優たちの下克上の物語。 華やかなステージの裏で繰り広げられる人間ドラマを描く。 緻密な構成が見事。

ブロードウェーのトップ女優マーゴに憧れ、近づいた女優志願の若い女性イヴが、策を弄(ろう)して、その座を奪い取ろうとする。 追い詰めるイヴ。感情のバランスを壊していくマーゴ。緊迫した心理サスペンスに、イヴの才能と下心をともに見抜いて近づく演劇評論家や、2人の運命の重要な鍵を握る劇作家夫婦などがからみ、物語が進行する。

映画評論家・山田宏一氏によれば、最も複雑なフラッシュバック(回想形式)を駆使したオーソン・ウェルズ監督の名作「市民ケーン」に対して、本作は最も洗練されたフラッシュバックによる巧みな語り口が評価されている。 ベティ・デイビスの年齢を隠さない存在感と演技が絶賛された。イヴ役のアン・バクスターとの火花を散らす場面も圧巻だった。
「ゴッドファーザーPARTⅡ」

ゴッドファーザーPARTⅡ

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監督:フランシス・フォード・コッポラ

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1975年
(第47回)

続編の映画として史上初めてオスカー作品賞に輝いた。「パート1」の「前」と「後」の物語が描かれている。マフィアのコルレオーネ一族のうち、ロバート・デニーロ演じる父親と、アル・パチーノ演じる息子が主人公。
「或(あ)る夜の出来事」

或る夜の出来事

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監督:フランク・キャプラ

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1935年
(第7回)

オスカーで軽視されがちな恋愛コメディながら、初の主要5部門(作品、監督、脚本、主演男優、主演女優)受賞という快挙を成し遂げた。

民主主義を高らかにうたい上げ、「アメリカ映画界の良心」と呼ばれた名匠フランク・キャプラ監督の代表作。

「ロマンチック・コメディー」というジャンルの確立と流行に大きな役割を果たした。 さらに、車での旅の道のりを描く「ロードムービー」の草分けでもある。 日本の映画史にも大きな影響を与えた。
10 「タイタニック」

タイタニック

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監督:ジェームズ・キャメロン

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1998年
(第70回)

1912年に処女航海で氷山に衝突して沈没した豪華客船タイタニック号の悲劇を描いた。史上最高の製作費2億ドル(約260億円)を投じ、タイタニック号を原寸大セットで再現するなど、最新のテクノロジーを駆使して製作が進められた。一方で、ジェームズ・キャメロン監督は「単なるパニック映画ではなく、大人の鑑賞に堪え得る物語にしたい」と、画家の卵と上流階級の娘の恋愛ドラマをストーリーの中心に据えた。

世界の興行記録を塗り替えた。日本でも新記録を達成した。
<11位~20位>
順位 作品名 受賞年
11 「アニー・ホール」

アニー・ホール

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監督:ウディ・アレン

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1978年
(第50回)

ウディ・アレンの最高傑作のひとつ。ロマンチック・コメディ。アレン自ら演じる男とが、恋人アニー(ダイアン・キートン)との関係が失敗した理由を探っていく物語。当時アレンは41歳。脚本は、史上最も愉快な傑作として称えられている。
12 「我等の生涯の最良の年」

我等の生涯の最良の年

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監督:ウィリアム・ワイラー

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1947年
(第19回)

戦場から戻ってきた3人の男を描いた。第二次世界大戦に勝利した米国だったが、元兵士たちは家庭や職場で様々な悩みや問題を抱えてきた。

爆撃手だった青年フレッド、元銀行員の陸軍軍曹のアル、両手を失った若い水兵のホーマー。戦勝国が負った深い傷を浮き彫りにした。

ワイラー監督は既にオスカーに輝いていた大物映画人だったが、記録映画撮影のために従軍した。戦争の恐ろしさを身をもって経験し、復員後の一作目として本作に挑んだ。
13 「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還

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監督:ピーター・ジャクソン

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2004年
(第76回)
14 「パラサイト 半地下の家族」

パラサイト 半地下の家族

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監督:ポン・ジュノ

(公開:2020年1月10日)

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2020年
(第92回)

韓国映画。言語が英語でない映画として、初めての作品賞を受賞した。
15 「サウンド・オブ・ミュージック」

サウンド・オブ・ミュージック

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監督:ロバート・ワイズ

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1966年
(第38回)
16 「ロッキー」

ロッキー

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監督:ジョン・G・アヴィルドセン

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1976年
(第48回)
17 「ウエスト・サイド物語」

ウエスト・サイド物語

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監督:ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンス

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1962年
(第34回)

ミュージカル映画に新しいスタイルをもたらした画期的な作品。 それまでのハリウッドのミュージカル映画は、『雨に唄えば』(1952年)のように、屋内のセットで撮影していた。 本作は外で撮影された。ニューヨークの街でロケが行われ、実際のアスファルトの上でスニーカーをはいて踊った。

また、ミュージカルとえば楽しいおとぎ話という印象が強かった。しかし、本作は従来の陽気なミュージカルと異なり、人種対立や貧困問題という重いテーマにも切り込んだ。 やり場のない若者のエネルギーや焦燥感を表現し、緊迫した流れを作り上げた。

何よりも躍動感あふれる踊りが見事。 舞踏家・麿赤児(まろ・あかじ)氏は「ダンスのキレやリズム、間の取り方が違う。特にシャーク団のボスを演じていたジョージ・チャキリスの踊りはカミソリみたい」と評した。 また、ジェローム・ロビンスの振り付けについて「奇をてらうと言うよりは民族性に潜む何かをうまくすくい出している」と称賛した。
18 「カッコーの巣の上で」

カッコーの巣の上で

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監督:ミロシュ・フォアマン

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1976年
(第48回)
19 「アパートの鍵貸します」

アパートの鍵貸します

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監督:ビリー・ワイルダー

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1961年
(第33回)
20 「戦場にかける橋」

戦場にかける橋

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監督:デヴィッド・リーン

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1958年
(第30回)
<21位~30位>
順位 作品名 受賞年
21 「ディア・ハンター」 1979年
(第51回)
20 「ベンハー」 1960年
(第32回)
23 「ムーンライト」 2017年
(第89回)
22 夜の大捜査線

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1968年
(第40回)
24 「許されざる者」

許されざる者

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1993年
(第65回)

西部劇。 クリント・イーストウッド(当時61歳)が監督、主演、そして、プロデューサーを務めた。 作品賞、監督賞、助演男優賞(ジーン・ハックマン)、編集賞を受賞。 長年、世界的なトップスターだったイーストウッドが、ついにその実力をハリウッドの主流映画人たちに認めさせた。

秀逸なシナリオ、演出も重厚で濃密が光る名作。 映画ジャーナリストの野島孝一氏は「伝統の西部劇のムードを盛り上げながら、かなり思い切ったアウトロー像を展開していくことで、既存の西部劇と一線を画している」と評価した。 そのうえで「ヤマ場を一つずつクリアーしながら、興奮を盛り上げていくイーストウッド監督の手腕は称賛に値する」と論じた。

初老の域に達した元ガンマン(イーストウッド)が、幼い子供の将来のために再び賞金稼ぎの旅に出る。
25 「羊たちの沈黙」

羊たちの沈黙

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1992年
(第64回)

サイコ・スリラーの傑作。「猟奇犯罪」「狂気的殺人」といったテーマを、ハリウッドの人間ドラマに取り入れた画期的な作品として評価されている。

作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞の主要5部門を独占した。

トマス・ハリスのベストセラー小説をジョナサン・デミ監督が忠実に映画化。連続殺人事件が発生し、FBIの学校に通う若き女性クラリスが捜査に参加する。彼女は、残忍な手口を解明するため、同じような罪で監禁されていた精神科医のレクター博士に接近、ヒントを得ようとする。
26 「地上より永遠に」

地上より永遠に

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1954年
(第26回)
27 スティング 1974年
(第46回)
28 わが谷は緑なりき

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1942年
(第14回)
29 フォレスト・ガンプ/一期一会 1995年
(第67回)
30 巴里(パリ)のアメリカ人

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1952年
(第24回)
<31位~>
順位 作品名 受賞年
31 アマデウス 1985年
(第57回)
32 マイ・フェア・レディ 1965年
(第37回)
33 グランド・ホテル

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1933年
(第5回)
34 クレイマー・クレイマー 1980年
(第52回)
35 わが命つきるとも

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1967年
(第39回)
36 フレンチ・コネクション

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1972年
(第44回)
37 それでも夜は明ける 2014年
(第86回)
38 ハムレット

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1949年
(第21回)
39 「愛と追憶の日々」

愛と追憶の日々

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1984年
(第56回)
40 レベッカ

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1941年
(第13回)
41 西部戦線異状なし 1930年
(第3回)
42 プラトーン 1987年
(第59回)
43 ハート・ロッカー 2010年
(第82回)
44 「真夜中のカーボーイ」

真夜中のカーボーイ

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1970年
(第42回)
45 恋におちたシェイクスピア 1999年
(第71回)
46 普通の人々 1981年
(第53回)
47 オール・ザ・キングスメン 1949年
(第22回)
48 ディパーテッド 2007年
(第79回)
49 失われた週末 1946年
(第18回)
50 ノーカントリー 2008年
(第80回)
51 ノマドランド 2021年
(第93回)
53 ミリオン・ダラー・ベイビー 2005年
(第77回)