受賞 | 作品賞 |
---|---|
監督賞 クリント・イーストウッド |
|
助演男優賞 ジーン・ハックマン |
|
編集賞 ジョエル・コックス |
ノミネート | 主演男優賞 クリント・イーストウッド |
---|---|
脚本賞 ホイット・スティルマン |
|
録音賞 レス・フレッショルツ、バーン・プア、ディック・アレクサンダー、ロブ・ヤング |
|
美術賞 ヘンリー・バムステッド (美術)、Janice Blackie-Goodine (装置) |
|
撮影賞 ジャック・N・グリーン |
かつてお尋ね者の殺し屋だった男が、再び始めた賞金稼ぎを始める。その過程で友人を殺され、保安官以下の町の悪党に復讐する。製作・監督・主演のクリント・イーストウッドが初の監督賞に輝き、助演男優賞にジーン・ハックマン、ほかに編集賞を含めて4部門で受賞した。
監督賞の表彰でステージに上がったイーストウッドは「本当かい」と言うように司会者に向かって両手を広げておどけた。「許されざる者」は下馬評では監督、作品賞の最有力だった。当然の受賞なのだが、あえて両手を広げて驚いて見せたところに、イーストウッドの米映画界への皮肉が込められている。「この映画はヒットしなかったが、フランスの評論家の方々などに絶賛していただき、感謝している」と笑顔のスピーチにも、イーストウッドの“毒”が含まれていた。
イーストウッドは下積み時代に人気テレビシリーズ「ローハイド」などに出演した。しかし、映画俳優としては認められず、イタリアに渡って出演したマカロニ・ウエスタン「荒野の用心棒」「夕陽のガンマン」などでスターダムにのし上がった。1970年代から再び米国を拠点にしたが、米映画界では常に「イタリア上がりの三流スター」との評価がつきまとった。
1971年スタートの「ダーティハリー」シリーズの大ヒットで、マネーメーキング・スターの第1位にランクされ、米国を代表する人気スターとなった。また、1986年から2年間、カリフォルニア州カーメル市長を務め、その政治的発言は映画界以外でも脚光を浴びた。
しかし、ヨーロッパや日本での高い評価とは対照的に、米映画界での評価は変わらなかった。1988年の監督作品「バード」はフランス・カンヌ映画祭では大きな話題になったが、アカデミー賞では相手にされなかった。(梅木豪之)
1992年/アメリカ/131分/原題「Unforgiven」
参考:日経エンタテインメント!増刊 アカデミー賞特集号 [雑誌]
「許されざる者」は、Amazonビデオでストリーミング配信されています。
字幕版はこちら→
字幕なしです。