受賞&ノミネート一覧

【主要8部門】 作品賞監督賞主演男優賞主演女優賞助演男優賞助演女優賞脚本賞脚色賞
【ジャンル別3部門】 アニメ賞国際映画賞ドキュメンタリー賞
【技術系10部門】 撮影賞視覚効果賞編集賞配役賞歌曲賞作曲賞衣装デザイン賞美術賞メイク&ヘア賞音響賞
【短編3部門】 短編アニメ賞短編ドキュメンタリー賞短編実写賞
 受賞&ノミネート数ランキング | 前哨戦の結果 | 興行収入比較
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作品賞

■ 前哨戦で独走した「ワン・バトル・アフター・アナザー」が逃げ切る

「ワン・バトル・アフター・アナザー」と「罪人たち」による事実上の2強対決となった。前哨戦では「ワン・バトル」が序盤から圧倒的にリード。天王山となるPGA(米製作者組合賞)も制した。一方、「罪人たち」はアカデミー賞史上最多となるノミネート16個(16部門)を獲得。終盤に向けてハリウッド映画人の間の応援ムードも高まり、勢いづいた。「近年稀に見る接戦」と伝えられるなか、結果はワン・バトルが逃げ切り、「ムーンライト」「パラサイト」のときのような大逆転劇は起きなかった。

  • 【ノミネート10本】
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
  • 「罪人たち」
  • 「センチメンタル・バリュー」
  • 「ハムネット」
  • 「マーティ・シュプリーム」
  • 「トレイン・ドリームズ」
  • 「シークレット・エージェント」
  • 「F1/エフワン」
  • 「フランケンシュタイン」
  • 「ブゴニア」

部門 受賞(2026)
作品賞
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー

    名匠ポール・トーマス・アンダーソン(略称:PTA)監督10作目にして初のアクション系大作。大手スタジオ(ワーナー・ブラザース)から得た200億円以上の予算を、自らの作家性や職人的センスをフルに発揮する方向で使い切り、「映画的快楽」を堪能できる贅沢な作品に仕上げた。同時に、自己陶酔型の語り口に陥ることなく、活劇としてのスリルや政治風刺の面白味も楽しめる娯楽作として成立させている。

    追跡と逃走の家族劇

    レオナルド・ディカプリオ演じる政治テロ犯が、同じ組織内の女性と恋仲になり、娘をもうけて家庭人に。やがてその娘の身が危険にさらされ、救出へと向かう、という逃走&追跡劇。

    批評家の評価ナンバー1

    米国で「満点」のレビューを出す批評家が続出。主な評者の得点を平均するメタクリティックのスコアは驚異の95点で、あの「オッペンハイマー」(90点)をあっさり乗り越え、自己最高だった「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(93点)を凌ぎ、「ソーシャル・ネットワーク」(96点)、「それでも夜は明ける」(96点)、「パラサイト 半地下の家族」(97点)といった神作レベルの域に迫った。ちなみに、さらに上には「ムーンライト」(99点)や「6才のボクが、大人になるまで」(100点)などがある。いずれにせよ、本年の主要作品の中で断トツの批評家ウケの良さ。

    <絶賛ポイント>

    • ・没入感、持続する緊張感、迫力(とくに後半)
    • ・現代政治風土の描写の鋭さ。豊かな寓話性、風刺の面白み。
    • ・主役から端役(はやく)に至るまで全キャストの高度な演技と、それを引き出す演出
    • ・優れた喜劇性

    一般支持率も「マグノリア」以来の高さ

    一般層の反応もおおむね良好で、米映画館の出口調査シネマスコアで「A」を獲得。ロッテン・トマトの観客支持率は「85%」で、クセが強めのポール・トーマス・アンダーソン作品としては2作目「ブギーナイツ」(89%)、3作目「マグノリア」(89%)以来の高水準となった。ただ、競合相手「罪人たち」(96%)に比べると、一定割合の否定派が存在する。

    前哨戦で「オッペンハイマー」並みの圧勝

    前哨戦で圧倒的な強さを見せた。批評家系の主要な賞は総なめ。映画業界の組合系の賞でも、最重要とされるPGA(米製作者組合賞)とDGA(米監督組合賞)をダブルで制覇。英国アカデミー賞でも勝利。2年前の絶対王者「オッペンハイマー」に劣らない勝ちっぷりだった。

    【前哨戦での受賞】
    ・PGA(米製作者組合賞)
    ・DGA(米監督組合賞)
    ・英国アカデミー賞
    ・クリティック・チョイス賞
    ・ゴールデングローブ賞(コメディ部門)
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・ロサンゼルス批評家賞
    ・シカゴ批評家賞
    ・米国映画評議会議(ナショナル・ボード・オブ・レビュー/NBR)
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め
    ・サンフランシスコ批評家賞
    ・アトランタ批評家賞
    ・ダラス批評家賞
    ・フロリダ批評家賞
    ・オースティン批評家賞
    ・フィラデルフィア批評家賞
    ・ラスベガス批評家賞
    ・フェニックス批評家賞
    ・セントルイス批評家賞
    ・米南東部批評家賞
    ・カンザスシティ批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
    ・ミネソタ批評家賞
    ・ニュー・ジャージー批評家賞
    ・トロント国際映画祭
    ・ゴッサム賞

    【ワン・バトル全結果】
    受賞部門 作品賞
    監督賞
    助演男優賞
     ショーン・ペン
    脚色賞
    編集賞
    配役賞
    ノミネート部門 主演男優賞
     レオナルド・ディカプリオ
    助演男優賞
     ベニシオ・デル・トロ
    助演女優賞
     テヤナ・テイラー
    撮影賞
    作曲賞
    音響賞
    美術賞
     監督&脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
     主演:レオナルド・ディカプリオ&チェイス・インフィニティ
     助演:ショーン・ペン、ベニシオ・デル・トロ、テヤナ・テイラーほか
     製作国:アメリカ
     配給会社:ワーナー
     長さ:2時間42分
     公開日:2025年10月3日(日本)
    【興行収入】
    北米:7061万ドル
    世界:2億220万ドル (
    【製作費】
    1億3000万~1億7500万ドル
    【配信:アマゾン

    【評点】
    メタクリティック 95点
    最新→
    ロッテン・トマト 95%
    最新→
    IMDB 8.4
    最新→
    シネマスコア  A
    レターボックス 4.3
    最新→

    【予告編▼】
    動画集を開く▼ <「ビスタビジョン」の魅力▼>

    <劇伴のアルバム再生リスト▼>

    <挿入歌:スティーリー・ダン「ダーティ・ワーク」▼>

    <ディカプリオ氏らのレッドカーペット談▼>

部門 ノミネート(2026)
作品賞ノミネート
  • 「罪人(つみびと)たち」 罪人たち
    【配信:アマゾン

    ブルース音楽劇

    1930年代のアメリカ南部の黒人兄弟の挑戦を、ブルースの源流や軌跡と絡めて描く音楽ドラマ活劇(フィクション)。ホラーや西部劇の要素を取り入れ、新鮮なアプローチで米現代史の一面を切り取った。興行も大成功し、停滞気味のハリウッド映画業界に一つの新しい方向性を示した。

    天才クーグラー監督初の完全オリジナル

    アカデミー作品賞ノミネート「ブラックパンサー」(2018年公開)を若干31歳で撮った天才ライアン・クーグラー監督が、初めて手掛けた完全オリジナル作品。ストーリーや構成の独創性に加えて、映像や音楽の卓越したクオリティの高さ及び物語との一体感が絶賛された。クーグラー監督のデビュー作から出演し、二人三脚でハリウッドの王道を走り抜いてきたマイケル・B・ジョーダンが、一人二役(双子の兄弟)の大主演。

    批評家の97%、観客の96%が肯定派

    米国内での評価の高さは、批評家と一般観客の「両立」という点において年間トップ。ロッテン・トマトの支持率は批評家が97%、観客が96%。劇場来館者の評価を聞き取り調査する「シネマスコア」でホラー映画として史上初の「A」を獲得した。

    怒涛のロングラン

    注目されるのは、こうした口コミ評価のパワーが、ふだんは「配信待ち」の層を次々と映画館へ呼び込んだこと。公開2週目の興行収入の落ち込みが初週比でわずか6%下落という驚異的な維持率を達成し、その後もしばらく興収ランキングの上位に鎮座。中毒的なリピーターも増やしつつ、怒涛のロングランを続けた。
    4月公開という点で本来は賞レース上は不利だが、3年前の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(3月公開)を彷彿とさせる耐久性を発揮し、賞シーズンを迎えた。

    史上最多16ノミネートの衝撃

    とはいえ、秋に公開された「ワン・バトル・アフター・アナザー」の強さは凄まじく、前哨戦では後塵を拝した。とりわけ批評家が選ぶ賞ではワン・バトル相手に完敗だった。それでも、オスカーでは「史上最多16個(16部門)ノミネート」という偉業を達成。「タイタニック(14個/14部門)」「ラ・ラ・ランド(14個/13部門)」「イヴの総て(14個/12部門)」が持っていた記録を塗り替えた。映画の話法を大きくグレードアップするような本作の革新性は、批評家よりも映画業界人(クリエイターたち)に響いたことは間違いない。

    重みのあるスケール感

    米国史のダークサイドとそこから這い上がろうとする民衆パワーを生々しくあぶり出した本作の重厚感は貴重。そして何より、新鮮なオリジナリティをもって映画ファンの裾野を広げた功績が大きい。

    配給会社の米ワーナーは、本作の権利を取得するにあたり、「25年後にライアン・クーグラー監督の会社に著作権を移管する」という異例の条件を呑んだ。ビジネスモデルも斬新だ。

    【罪人たち全結果】
    受賞部門 脚本賞
    主演男優賞
     マイケル・B・ジョーダン
    撮影賞
    作曲賞
    ノミネート部門 作品賞
    監督賞
    助演男優賞
     デルロイ・リンドー
    助演女優賞
     ウンミ・モサク
    編集賞
    配役賞
    歌曲賞
    視覚効果賞
    衣装デザイン賞
    美術賞
    メイク&ヘア賞
    音響賞

    【前哨戦での受賞】
    ・SAGアワード(俳優組合賞)キャスト賞
    ・ワシントン批評家賞
    ・ボストン批評家賞
    ・ミシガン批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞
    ・テキサス北部批評家賞
    ・ロンドン批評家賞
    ・プエルトリコ批評家賞

     監督:ライアン・クーグラー(ブラックパンサー、クリード)
     プロデューサー:クーグラー夫妻&セヴ・オハニアン
     ※セヴ・オハニアンは38歳(授賞式時点)。クーグラー監督の南カリフォルニア大学(USC)映画芸術学部の後輩。クーグラー監督が長編デビュー作「フルートベール駅で」を手伝ってくれる人材を求めて大学の恩師(教授)に相談したところ、「逸材の生徒」として紹介されたのがオハニアンだった。
    続き▼ オハニアン氏は、「フルートベール駅で」への参加が決まると、すぐに大学を中退。まだデビュー前のクーグラー監督が仕切る現場に入る。当初は「アソシエイト・プロデューサー」という立場だったが、献身的な働きぶりが認められ、すぐに共同プロデューサーに昇格した。2013年に完成にこぎつけた「フルートベール駅で」は、サンダンス映画祭で観客賞&審査賞をダブル受賞するなど、鮮烈な実績を残した。
    その後、独自でキャリアを重ねる。共同プロデューサー兼共同脚本家として手掛けた映画「サーチ」(2018年)を大ヒットさせた手腕は高く評価されている。
    2018年、クーグラー監督とともに映画会社「プロキシミティ・メディア」を設立。その第一弾となった「ユダ&ブラック・メシア」がアカデミー作品賞ノミネートを果たす。その大成功を踏み台にして、オリジナル巨大プロジェクトとなる「罪人たち」に挑んだ。
     主演:マイケル・B・ジョーダン(ブラックパンサー、クリード)
     脚本:ライアン・クーグラー
     公開日:2025年6月20日(日本)
     製作国:アメリカ
     制作会社:米プロキシミティ・メディア(ライアン・クーグラーの会社)
     米国配給会社:ワーナー
     長さ:2時間17分
     影響を受けた作品「フロム・ダスク・ティル・ドーン」など
    【興行収入】
    北米:2.8億ドル
    世界:3.6億ドル (
    【製作費】
    9000万ドル
    【配信:アマゾン

    【物語の背景】

    1932年のアメリカ南部ミシシッピ州を舞台とする本作では、「奴隷解放」後も続いた黒人たちの苦悩、希望、躍動が克明に紡ぎ出される。

    「奴隷解放」後の黒人

    南北戦争(1861~1865年)で南軍が敗れ、奴隷解放宣言が行われた後、黒人たちは農園主から住居や農具を与えられ、収穫した綿花の約半分の収益を支払う「小作人」として働くことになった。ところが小作人たちは衣類や食料を買うための生活費を農園主から前借りしなければならず、経済的に支配され続けた。

    続き▼
    綿摘みのメッカ「デルタ地域」

    マイケル・B・ジョーダン演じる主人公の双子兄弟が生まれたデルタ地域は、ミシシッピ川とヤズー川に挟まれた肥沃(ひよく)なエリアで、19世紀からプランテーションが広がり、黒人奴隷が綿摘み労働を担ってきた。

    黒人の起業

    物語は、故郷デルタを離れて北部シカゴで荒稼ぎしてきた兄弟が、地元に戻ってきたところからスタートする。蓄えた資金で「ジューク・ジョイント」と呼ばれる酒場の開業を計画する兄弟は、立ち上げに必要な場所や人材の確保へと動き出す。

    演奏小屋「ジューク・ジョイント」

    ジューク・ジョイントは、当時アングラ的に流行した黒人の社交場(ダンスホール)で、1930年代にデルタ地域の農園近くや街道沿いに点在していた。歌やギターが得意な農夫たちは、仕事の後にジューク・ジョイントで腕前を披露したという。演目はもちろん、黒人の農園労働者らに歌い継がれてきた「ブルース」。初期ブルース(デルタ・ブルース)を代表する伝説的なギタリスト兼歌手として知られ、本作でも言及されるチャーリー・パットンも、綿摘みなどの農作業をしながら、ジューク・ジョイントでブルースを演奏していたこで有名。

    見事な音楽シーン

    ブルースはジューク・ジョイントを媒介に、デルタ地帯からメンフィス、セントルイス、シカゴへと北上。ジャズやロックなど現代ポピュラー・ミュージックの源になるのだが、本作ではその歴史的な繋がりや広がりが、卓越した音楽の数々とその演奏シーンで鮮やかに表現されている。

    黒人霊歌

    もともとは、米国の黒人音楽といえばゴスペルが主流であり、本作でも、教会で歌われる神聖な音楽として扱われている。アフリカ大陸から奴隷船で運ばれてきた人々は、自らの土着文化を否定されたが、虐待や絶望に苦しむなかで独自の霊歌を生み出し、天国での救済を唄うようになった。それが聖歌(ゴスペル)として発展したのだった。

    世俗的で快楽的な「悪魔の音楽」

    しかし、南北戦争で奴隷制度が撤廃された後も差別が終わらなかったことに、信仰深かった黒人たちは失望した。その憂うつ(ブルー)な気分を世俗的な歌詞とサウンドで正直に表現し、急速に広まっていったのが「ブルース」だった。神にささげるゴルペルとは対局をなす世俗的な歌詞と快楽的なリズムやノリ。信仰深い人たちからすると、音楽による陶酔は悪魔の誘惑であり、「悪魔の音楽」と呼ばれた。禁酒法による統制も加わり、酒場でブルースにのって足を踏み鳴らしたり、踊り狂ったりするような人々は堕落の象徴とされた。

    少年ミュージシャンと吸血鬼

    本作は、そんな「堕落文化」に胸を躍らせる人々(Sinners=罪人たち)の姿を活写する。その象徴として、牧師の息子でありながらブルース音楽家を志す少年ミュージシャン(主人公の従弟)が準主役として登場。父親から「悪魔の音楽をやめろ!」と叱責されつつも、天才的なギター演奏と歌声で人々を熱狂させる。そのサウンドの魔力が、招かれざる客(吸血鬼)を引き寄せることとなり、大きな騒動へと発展する。

    【評点】
    メタクリティック 84点
    最新→
    ロッテン・トマト 97%(観客96%)
    最新→
    IMDB 7.6
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    シネマスコア  A
    レターボックス 4.1
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    【予告編▼】
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    <サントラのアルバム▼>

    <劇伴のアルバム再生リスト▼>

    <メイキング映像▼>
    <伝説のブルース奏者兼歌手、バディ・ガイのライブ映像▼>






  • 「センチメンタル・バリュー」
    センチメンタル・バリュー

    美しく内省的な家族劇

    ノルウェーを舞台とする家族劇。疎遠になっていた父と娘2人の再会、そして確執を描く。アカデミー賞脚本賞にノミネートされた「わたしは最悪」と同じ監督&脚本&主演。美しくじんわり染みる内省的な一本。

    「撮りたい」父と「演じたくない」娘

    かつて映画監督として名声を高めた父親(ステラン・スカルスガルド)が、自分の家族の歴史を映画化しようとする試みが、物語の起点となる。父親は、舞台俳優である娘(レナータ・ラインスヴァ)に主役を演じてもらいたいと申し出るが、娘は拒絶する。家族について「語りたい(撮りたい)」父と、「演じたくない」娘の溝は埋まるのか。「親子関係」をテーマに据えつつ、「映画(創作活動)を通じて自らの人生を語る」あるいは「語り直す」ことの価値や是非を、作品の命題に取り込んだ。

    主要キャスト4人の演技パワー

    主要キャスト4人の演技の力を最大限に引き出しながら、パーソナルな題材を普遍的な物語として静かに紡いでいく手法が高い評価を得た。静謐(せいひつ)でありながら、描かれる葛藤は鋭利で生々しい。「心の内側で静かに爆発する映画」などと絶賛された。

    監督の自伝的な要素も

    なお、ヨアキム・トリアー監督は本作で自伝的な要素も取り入れたという。父は音響技師、母は短編映画作家、そして何より祖父のエリック・ローシェンは、ノルウェー映画史に名を残す巨匠監督だった。ステラン・スカルスガルド演じる「かつての巨匠監督」という設定には、トリアー監督が見てきた祖父や親の世代が持つ「芸術への絶対的な信念と、それゆえの独善リスク」が色濃く反映されている。同時に、娘役が抱える「巨星すぎる父への複雑な感情とプレッシャー」は、自身の若い頃の心情が投影されているという。

    非英語として史上最多の主要部門ノミネート数

    9個のノミネートを獲得した。これは外国語(非英語)の作品として「グリーン・デスティニー」「ローマ」に次ぎ、「西部戦線異状なし(2022年版)」と並ぶ史上2位タイの記録。ノミネート9個のうち7個は「主要8部門」が占めており、これは「ローマ」の5個を抜いて史上最多記録。主要キャスト4人全員がノミネートされたのが画期的。

    【センチメンタル・バリュー全結果】
    受賞 国際映画賞
    ノミネート部門 作品賞
    監督賞
    主演女優賞
     レナータ・ラインスヴァ
    助演男優賞
     ステラン・スカルスガルド
    助演女優賞
     インガ・イブスドッテ・リレオス
    助演女優賞
     エル・ファニング
    脚本賞
    編集賞
     監督:ヨアキム・トリアー(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )
     脚本:エスキル・フォクト(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )、ヨアキム・トリアー
     主演:レナータ・ラインスヴァ(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )
     助演:ステラン・スカルスガルド、インガ・イブスドッテ・リレオス、エル・ファニング(「名もなき者」「マレフィセント」など)
     公開日:2026年2月20日(日本)
     製作国:ノルウェー、仏、独、デンマーク
     言語:ノルウェー語(一部英語)
     米国配給会社:ネオン
     長さ:2時間15分
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭 2位(グランプリ賞)
    ・英国アカデミー賞 非英語作品賞
    ・ボストン批評家賞 非英語作品賞
    ・ワシントン批評家賞 国際映画賞
    ・ダラス批評家賞 外国語映画賞
    ・ジョージア批評家賞 国際映画賞
    ・サンフランシスコ批評家賞 脚本賞
    【評点】
    メタクリティック 86点
    最新→
    ロッテン・トマト 97%
    最新→
    IMDB 7.9
    最新→
    レターボックス 4.2
    最新→

    【予告編▼】
    動画集を開く▼ <カンヌのレッドカーペット▼>






  • 「ハムネット」
    ハムネット

    本年度きっての優良文芸作品

    2021年オスカーで作品賞&監督賞に輝いた「ノマドランド」のクロエ・ジャオ監督の4年ぶりの新作。歴史に名を残す戯曲が生まれる背後にあった「夫婦愛」と「親子愛」を、触覚的で繊細な映像表現と自然体の演技で浮かび上がらせる。本年度きっての優良文芸作品。

    シェイクスピアの妻アグネス

    英国の劇作家シェイクスピアの妻アグネスを主人公とする創作劇。2020年に発表された作家マギー・オファーレルの小説が原作。
    シェイクスピアは18歳のときに8つ年上の女性アグネス結婚。双子の子供(長男ハムネットと長女ジュディス)をもうけたが、ハムネットは12歳で夭逝(ようせい)する。
    この史実をベースに、豊かな想像力と大胆な再解釈を加え、長年にわたり「悪妻の典型」とも言われてきたアグネスの生き様を全く新たな視点で描く。ジャオ監督が原作者と共同で脚本を書いた。

    悲劇と芸術

    悲劇に直面する母親(妻)の情念と、父親(夫)の内なる格闘を徹底して掘り下げることで、逃げ場のない没入感を生み出している。癒えない傷跡が創造的なエネルギーへと変わり、一大芸術へと昇華されていくプロセスが強烈な救済感をもたらすとして、絶賛された。女性からの支持は圧倒的。

    映画化への道のり

    スピルバーグの指名▼

    原作小説『ハムネット』が出版される前の2019年後半、英国テレビドラマ界で優れた実績のある敏腕プロデューサー、ライザ・マーシャルが映像化の権利を獲得する。同じく英国の大物監督サム・メンデス氏(「アメリカン・ビューティー」など)の制作会社とタッグを組み、映画化を企画する。

    演劇畑出身でシェイクスピアにも思い入れが強いメンデス氏は当初、自らメガホンを撮ろうかと思ったが、「これはオレじゃないな」と踏みとどまり、自身を映画界の成功者へと導いてくれた恩師スティーブン・スピルバーグ氏に相談する。

    共同プロデューサーとして加わったスピルバーグ氏は、「大自然の営みと人間の心の奥底にある本質の両方に対して、まるで魔法のような深い理解と共鳴力を持っている」として尊敬の念を抱いていたクロエ・ジャオ氏に、監督就任をオファーする。

    ジャオ監督は最初、原作を読むことなくオファーを断った。「母親としての経験がない自分には無理だ」と思ったからだ。

    しかし、その直後、ある映画祭で、当時まだ無名だった男優ポール・メスカルに出会う。初対面のメスカルを見て、「この役者ならシェイクスピアを演じられるのでは」と直感したジャオ監督は「シェイクスピア役に興味ある?」と尋ねる。メスカルは「もしかして小説『ハムネット』を映画化するの?あの本大好き!ぜひ読んで」と逆に薦められる。

    小説を読んで感銘を受けたジャオ監督は、主人公アグネス役として「この人しかいない」と浮かんだ女優ジェシー・バックリーにさっそく出演を打診。彼女が了解したことから、監督を引き受けることにしたという。


    【ハムネット全結果】
    受賞 主演女優賞
     ジェシー・バックリー
    ノミネート部門 作品賞
    監督賞
    脚色賞
    配役賞
    作曲賞
    衣装デザイン賞
    美術賞
     監督:クロエ・ジャオ
     主演:ジェシー・バックリー
     助演:ポール・メスカルほか
     脚本:マギー・オファーレル(兼原作者)、クロエ・ジャオ
     原作:小説『ハムネット』(2020年、マギー・オファーレル著)
     公開日:2026年4月10日(日本)
     製作国:イギリス、アメリカ
     言語:英語
     米国配給会社:フォーカス
     長さ:2時間5分
    【前哨戦での受賞】
    ・トロント国際映画祭 観客賞
    ・ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)
    【評点】
    メタクリティック 84点
    最新→
    ロッテン・トマト 86%
    最新→
    IMDB 8.0
    最新→
    レターボックス 4.2
    最新→

    【予告編▼】
    動画集を開く▼ <劇伴▼>

    <ゴールデングローブ賞ドラマ作品賞の受賞スピーチ▼>

    <初公開となったテルライド映画祭での監督挨拶▼>

    <製作陣インタビュー▼>






  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム

    米国の世界的な卓球選手(マーティ・リースマン)の人生から着想を得たフィクション。これまで兄弟コンビで「アンカット・ダイヤモンド」などを手掛けてきたサフディ・ブラザーズの兄のほうであるジョシュ・サフディの初の単独監督作。本年度のA24イチオシ。製作費も興行収入も、A24として過去最高となった。

    成功への妄執を描く

    舞台は1952年。『自分は特別だ』『絶対に成功する』という妄執に取りつかれた人物の暴走がひたすら描写される。人格破綻者である主人公が何をしでかすか分からないという意味においてスリラー的で、全編を貫く疾走感や緊張感が中毒的だとして、多くの批評家に支持された。「スポーツ版ウルフ・オブ・ウォールストリート」とも称された。

    演技や技術への称賛

    傍若無人な男の危なさを表現した主演シーンティモシー・シャラメの役作りが称賛された。テンポの良い編集、カメラワークの切れ味、音楽との一体感といった技巧面も高評価。卓球シーンも見ごたえたっぷり。

    卓球ハスラー(勝負師)

    着想元となったマーティ・リースマン選手(1930年~2012年)は、1949年と1952年の世界選手権シングル部門で銅メダルに輝いた人物。12歳のころから卓球クラブに通い始め、年上の選手を相手に金を賭けてプレーするギャンブル試合を展開。「卓球ハスラー」として有名になった。(本作では、当人の生い立ちや経歴はあまり描かれない)

    ライバルは日本人選手

    注目ポイントは、主人公のライバルとなる日本人選手「エンドウ」の存在。このエンドウは、1952年世界選手権で優勝した実在の選手、佐藤博治氏(1925年~2000年)から着想を得たキャラクターとされる。佐藤氏は本物のマーティとも試合をしており、映画内でも壮絶なマッチを展開する。

    川口功人選手が好演

    この役柄を演じているのは、2025デフリンピック卓球男子団体で銅メダルを獲得した川口功人(こうと)選手(トヨタ自動車所属)。映画初出演ながら、冷静沈着な立ち振る舞いで強い印象を与える。卓球シーンではキレのあるフォームで見せ場を連発。マーティの狂気的なスイングと、エンドウの氷のような静寂がぶつかり合うラリーは圧巻。

    モデルとなった佐藤博治選手とは▼ エンドウのモデルとなった佐藤博治(ひろじ)氏は青森県出身。1952年インドのムンバイ(当時ボンベイ)で開かれた「第19回世界卓球選手権大会」に出場し、男子シングルで優勝した。日本にとって初めての卓球世界選手権だったが、いきなりの快挙。突然の世界チャンピオン誕生に、戦後・日本が沸き返り、卓球ブームが起きた。

    本作では、この世界選手権が序盤の舞台となる。あくまでフィクションであるため、開催地はインドでなくイギリスになっているなど、いろいろ改変されている。

    この大会で日本チームは7種目のうち4種目(男子単・複、女子団体・複)で優勝という絶好調ぶりだったが、とりわけ欧米の強豪選手を相手に、個人・団体戦を通じて20戦全勝の快進撃を見せた佐藤の活躍が際立っていた。

    このとき話題になったのが、佐藤が使った新兵器「スポンジ・ラケット」。ひのき板の柾(まさ)目のラケットに厚さ6ミリの粒の細かいスポンジを張ったものだった。自らスポンジラバーをカミソリを使ってミリ単位で削り、最も速く打ち返せる6ミリという厚さを割り出したという。時計店の長男として生まれ、店を手伝ってきただけあって、創意にあふれた職人かたぎの技の成果だった。

    スポンジ・ラケットは攻撃には極めて有効だが、守備に回ると返球が難しいという難点があった。確実に球を打ち返し、相手のすきを突く「守備型」の選手だった佐藤選手は特訓を重ね、スポンジ・ラケットを守備でも上手に使いこなせるようになったという。

    一方、マーティ・リースマンは当時、「ハドバット(ラバーが薄く、木の音がするラケット)」の天才として世界的に名を馳せていた。それまでマーティが誇っていた超絶的なテクニックや打球音によるタイミングの計り方は、音もなく猛烈な回転をかける佐藤選手のスポンジ・ラケットの前では通用しにくくなる。これが、マーティの闘争心を一段と駆り立てたのであった。

    ヤマ場の舞台は戦後の東京

    本作では、戦後間もない日本の東京で開催される卓球のエキシビジョン・マッチ(模範試合)が、本作の重要な舞台の一つとなる。 どん底から這い上がろうとする復興期・日本の熱気や、「欧米化」する前の風土の独自固有性がなんとなく表現されており、東洋的な異国情緒が、主人公マーティの孤独な闘いを映画的に盛り立てる。

    【ノミネート部門(9個/受賞はゼロ)】
    ノミネート部門 作品賞
    監督賞
    主演男優賞
     ティモシー・シャラメ
    脚本賞
    撮影賞
    編集賞
    配役賞
    衣装デザイン賞
    美術賞
     監督:ジョシュ・サフディ
     主演:ティモシー・シャラメ
     助演:グウィネス・パルトローほか
     脚本:ロナルド・ブロンスタイン、ジョシュ・サフディ
     公開日:2026年3月13日(日本)
     製作国:アメリカ
     米国配給会社:A24
     製作費:7000万ドル
    (A24配給作品としては2024年「シビル・ウォー」の5000万ドルを上回り過去最高)
     長さ:2時間30分
    【評点】
    メタクリティック 88点
    最新→
    ロッテン・トマト 94%
    最新→
    IMDB 8.1
    最新→
    レターボックス 4.2
    最新→

    【予告編▼】
    動画集を開く▼ <モデルとなったマーティ・リースマンのインタビュー▼>

    <試合(1949年、世界選手権)▼>

    <劇伴アルバム▼>

    <挿入歌「フォーエバー・ヤング」など▼>

    <挿入歌「ルール・ザ・ワールド」▼>






  • 「トレイン・ドリームズ」
    トレイン・ドリームズ

    【配信:ネトフリ

    前年「シンシン」で絶賛された監督&脚本家による静かな一作。シンシンと同じくインデペンデント映画として制作された後、Netflixがサンダンス映画祭で配給権を獲った。

    鉄道敷設や森林伐採に汗を流し、家族を愛しながら、19世紀終盤から20世紀のアメリカを静かに歩み続けた「普通の労働者」の生涯を描いた。 大きな時代のうねりに対して無力でありながらも、ただ誠実に生き、働き、そして老いていく人間の「尊厳」が表現されている。

    内容的に地味ではあるが、味わい深さや詩的な魅力が高く評価された。「監督が静寂を恐れずに時間をたっぷり使って描いた演出(長回しなど)が、観客を没入させる」(米コライダー)などと批評家たちもほぼ称賛一色。

    【ノミネート部門(4個/受賞はゼロ)】
    ノミネート部門 作品賞
    脚色賞
    撮影賞
    歌曲賞
     監督:クリント・ベントリー(「シンシン」など)
     脚本:クリント・ベントリー&グレッグ・クウィダー(「シンシン」の脚本コンビ)
     主演:ジョエル・エジャトン(「ラビング 愛という名前のふたり」「ゼロ・ダーク・サーティ」など)
     助演:フェリシティ・ジョーンズ、ウィリアム・H・メイシーほか
     公開日:2025年11月21日(Netflix配信)
     製作国:アメリカ
     配給会社:Netflix
     長さ:1時間42分
    【評点】
    メタクリティック 88点
    最新→
    ロッテン・トマト 95%
    最新→
    IMDB 7.5
    最新→

    【予告編▼】





  • 「シークレット・エージェント」
    シークレット・エージェント
     国:ブラジル

    前年の「アイム・スティル・ヒア」に続き、ブラジル映画が2年連続で作品賞ノミネートという快挙を果たした。

    ひっそりと逃げる男の緊張感

    1977年の軍事独裁政権下のブラジルを舞台とする政治スリラー(フィクション)。「秘密工作員(シークレット・エージェント)」という題名からは、特殊な能力を持ったスパイのスリラー劇のような印象を受けるが、本作の主人公は逃げることに必死な「普通の学者」。軍事政権の監視の網をすり抜け、ただ『自らの存在を消し、生き延びること』が最大のミッションとなった男の緊張感に満ちた日常や出会い・触れ合いが描かれる。

    立ち込める独裁の恐怖

    スローテンポで、物語の展開はおおむね地味。それでも、迫りくる恐怖が全編を通して観客の肌にまとわりつくように立ち込める。軍事政権による物理的な暴力に加えて、反体制派の個人の存在が行政の記録から消し去られるという「静かな暴力」もあぶり出される。

    色彩が強いインパクト

    当時のブラジルが持っていた空気感を再現した巧みな映像表現が高く評価された。デジタル撮影でありながら、少しザラついた質感があり、まるで1970年代の35mmフィルムで撮られた未発表のアーカイブを見つけてきたかのような雰囲気。インパクトのある色彩の使い方も絶賛された。

    【ノミネート部門(4個/受賞はゼロ)】
    ノミネート部門 作品賞
    主演男優賞
     ヴァグネル・モウラ
    国際映画賞
    配役賞

     監督:クレベール・メンドンサ・フィリオ
     主演:ヴァグネル・モウラ
     製作国:ブラジル+独仏蘭
     言語:ポルトガル語、ドイツ語
     米国配給会社:ネオン
     長さ:2時間38分
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭【4冠】監督賞&主演男優賞&国際映画批評家連盟賞&フランスアート系映画館協会賞
    ・クリティック・チョイス賞 非英語作品賞
    ・ニューヨーク批評家賞 外国語映画賞(&主演男優賞も)
    ・ロサンゼルス批評家賞 外国語映画賞
    ・オースティン批評家賞 国際映画賞
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め 非英語作品賞(&作品賞3位)
    ・ゴールデングローブ賞 非英語作品賞

    【評点】
    メタクリティック 91点
    最新→
    ロッテン・トマト 98%
    最新→
    IMDB 7.9
    最新→
    レターボックス 3.9
    最新→
    【予告編▼】





  • 「F1/エフワン」
    F1/エフワン

    映画スター(ブラッド・ピット)が輝き、大画面でレースのスピードに酔いしれる体験型作品。「古き良きハリウッド文化」が、最新の映像・音響技術と融合し、「トップガン マーヴェリック」で感じたようなノスタルジーと高揚感をもたらす。世界興行収入1000億円のメガヒット作。

    本年度の作品賞ノミネート争いは秀作がひしめく激戦だったが、「エンタメもの」というレッテルを打ち破り、見事に「10枠」入りを果たした。とりわけ、批評家から絶大な支持を得た「シンプル・アクシデント/偶然」に競り勝ったことは注目に値する。イラン発・欧州出資のシンプル・アクシデントは、カンヌ映画祭の最高賞やNY批評家賞の監督賞に輝き、作家性や政治的な意味合いの強さからノミネート入りを予想する声が多かったが、超メジャー作品のF1が立ちはだかった。

    そもそもアカデミー事務局が作品賞ノミネートを5枠から10枠に増やし、同時にランキング形式の投票方式に変えたのは、「F1」のようなブロックバスターを押し上げるためだった。バットマン「ダークナイト」などの大衆娯楽作の相次ぐ落選を受けた苦肉の策でもあった。ところが、「ブラックパンサー」のような例外は出たものの、依然としてブロックバスターは冷遇され続け、むしろ作家系や外国語の作品が増えるという皮肉な結果を生んでいた。

    こうしたなか、エンタメ路線であることを恥じるのでなく、むしろ前面に出しながら堂々とキャンペーンを張ったF1が候補入りを果たした意義は大きい。しかも、「ウィキッド2」「アバター3」といった続きものではなく、オリジナル・ストーリーの本作が選ばれたことは、普通に喜ばしい。


    【F1/エフワン全結果】
    受賞 音響賞
    ノミネート部門 作品賞
    編集賞
    視覚効果賞

     監督:ジョセフ・コシンスキー(トップガン マーヴェリックなど)
     主演:ブラッド・ピット
     助演:ダムソン・イドリス(若手選手)、ハビエル・バルデム(チーム所有者)、ケリー・コンドン(車の開発者)ほか
     脚本(書下ろし):アーレン・クルーガー(トップガン マーヴェリックなど)
     公開日:2025年6月20日(日本)
     製作国:アメリカ
     製作会社:アップル
     配給担当:ワーナー
     長さ:2時間15分





  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン

    【配信:ネトフリ

    「世界初のSF小説」とも評されるメアリー・シェリーの怪物物語『フランケンシュタイン』(1818年刊)を、「シェイプ・オブ・ウォーター」でアカデミー賞作品賞・監督賞を受賞した名匠ギレルモ・デル・トロがリメイクした。

    「神話的・オペラ的な壮大さ」が高い評価を得た。ややメロドラマ的ではあるが、近年のホラーやSFが「リアリズム」や「ひねり(意外性)」を重視するなか、あえて19世紀文学の「大仰な感情表現(悲嘆、絶望、愛)」をストレートに映像化した点が、称賛の対象となった。

    「ヘルボーイ」や「シェイプ・オブ・ウォーター」などで、「異形の者への愛」を見せてきたデル・トロ監督の一つの集大成とも位置づけられている。

    デル・トロ監督は、7歳の頃に1931年版の映画「フランケンシュタイ」を見て衝撃を受け、それ以来、怪物(クリーチャー)に感情移入し、この物語に取り憑かれてきたという。何年もかけてクリーチャーのデザイン画を描きためたり、脚本の構想を練り続けたりしており、準備期間は実質20〜25年に及ぶとされる。

    その構想を実現につなげたのは、ほかでもないNetflixマネーだった。

    2018年、デル・トロ監督はNetflixの経営者(テッド・サランドス共同CEO)に対して、自身の「死ぬまでにやりたいことリスト」を提示。開発途中で頓挫していた「ピノッキオ」の完成と、構想段階だった「フランケンシュタイン」の2つを挙げ、協力を求めた。

    Netflixはまず「ピノッキオ」計画の救済・再開のための資金を提供。2022年に公開にこぎつけ、オスカーでアニメ賞を受賞するなど成功を収める。ほどなくフランケンシュタインの契約も締結し、ストリーミング配信作品としては破格の製作費(約180億円)を拠出した。

    巨大なセット、精巧なアニマトロニクス(機械仕掛けの人形)、特殊メイクなどの物理的な美術造形に巨額資金が充てられ、重厚な映像美が構築された。

    なお、デル・トロ監督の過去作と比べた米国での評点の高さは、「パンズ・ラビリンス」「シェイプ・オブ・ウォーター」よりだいぶ劣るものの、「ナイトメア・アリー」「ヘルボーイ」と比べて遜色ない。

    【フランケンシュタイン全結果】
    受賞 美術賞
    衣装デザイン賞
    メイク&ヘア賞
    ノミネート部門 作品賞
    助演男優賞
     ジェイコブ・エロルディ
    脚色賞
    撮影賞
    作曲賞
    音響賞
     監督:ギレルモ・デル・トロ
     脚本:ノア・オッペンハイム
     主演:オスカー・アイザック
     助演:ジェイコブ・エロルディ(怪物役)ほか
     公開日:2025年11月7日(Netflix配信)
     製作国:アメリカ
     配給会社:Netflix
     長さ:2時間30分
    【製作費】
    1.2億ドル
    【前哨戦での受賞】
    ・トロント国際映画祭 観客賞2位
    【評点】
    メタクリティック 78点
    最新→
    ロッテン・トマト 85%
    最新→
    IMDB 7.5
    最新→

    【予告編▼】





  • 「ブゴニア」
    ブゴニア

    「女王陛下のお気に入り」(2018年)を起点として、「哀れなるものたち」(2023年)、「憐れみの三章」(2024年)と続いてきたヨルゴス・ランティモスとエマ・ストーンの協働プロジェクトが、またしても世界の賞レースにモロに絡んだ。

    社会的な疎外感を抱く労働者が、圧倒的な富と権力を持つ製薬会社の女性CEOを、「隠れ宇宙人だ」と思い込むことから始まるブラックコメディ。「この男は狂った陰謀論者か、それとも救世主か」という問いを、観客に突きつけたまま物語が進行する。

    原作は、カルト的な人気を誇ってきた韓国のブラックコメディ映画「地球を救え!」(2003年)。「パラサイト 半地下の家族」を手掛けた韓国エンタメ企業「CJ ENM」が、「地球を救え」のハリウッド版リメイクを目指して2020年に企画を始動させた。

    原作映画のファンだった「ヘレディタリー」「ミッドサマー」のアリ・アスター監督がプロデューサーとして名乗りを挙げ、テレビドラマ「メディア王(サクセッション)」で注目を集めた新進の脚本家ウィル・トレイシーを起用。台本を気に入ったランティモスが監督を引き受けた。原作である韓国版を撮ったチャン・ジュナン監督(大ヒット作「1987、ある闘いの真実」で有名)は、エグゼクティブ・プロデューサーに回った。

    歴代のランティモス作品の中では比較的ストレートに観やすく、一般観客の支持率も高め。ただ、「哀れなるものたち」に比べると、映像面の華やかさや奇想天外な世界観の構築は弱め。また、ストーリーの緻密さの面で「女王陛下のお気に入り」より劣る、というのが評価の相場。

    【ノミネート部門(4個/受賞はゼロ)】
    ノミネート部門 作品賞
    主演女優賞
     エマ・ストーン
    脚色賞
    作曲賞
     監督:ヨルゴス・ランティモス(「哀れなるものたち」「女王陛下のお気に入り」など)
     脚本:ウィル・トレイシー(テレビドラマ「メディア王(サクセッション)」シーズン2・第5話の脚本を書き、エミー賞脚本賞を受賞)
     主演:エマ・ストーン、ジェシー・プレモンズ
     公開日:2026年2月13日(日本)
     製作国:アイルランド、韓国、米国
     配給会社:フォーカス
     長さ:1時間58分
    【製作費】
    5000万ドル
    【評点】
    メタクリティック 72点
    最新→
    ロッテン・トマト 87%
    最新→
    IMDB 7.7
    最新→

    【予告編▼】
歴代の作品賞→

監督賞

部門 受賞(2026)
監督賞
  • ポール・トーマス・アンダーソン
    「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ポール・トーマス・アンダーソン
    これまで主に中規模の予算で「内省的な人間模様」を精緻に描いてきたが、今作では大規模予算を使いこなし、「外向的なスペクタクル」を現出させた。幅広い観客を楽しませる責任を果たしながら、一瞬たりとも自らの審美眼を曇らせない。
    主役のレオナルド・ディカプリオから「カリスマ性」を剥ぎ取り、少し背中の丸まった、しかし観客が共感せずにはいられない「ボブ」という一人の人間を立ち上げる。ベニチオ・デル・トロに「静の安心感」を、ショーン・ペンに「動の恐怖」を割り振り、それらがぶつかり合うタイミングを1秒単位でコントロールしているようなリズム感は、まさに名指揮者。
    伝説的なビスタビジョン・カメラを使い、広大なカリフォルニアの風景から車内の狭い空間までを、歪みなく、かつ圧倒的な実在感で捉える空間把握力は見事。CGに頼らず、車などの物理的な衝撃やスピード感をカメラワークのみで表現する演出は、デジタル全盛の時代において、「最も新しく、力強い映画体験」として見る側に突き刺さった。
    1970年6月、ロサンゼルス生まれ。俳優の息子。26歳で撮った長編2作目「ブギーナイツ」(1997年)が世界中で大絶賛を浴び、オスカー脚本賞にノミネート。それ以来、何度も候補入りを果たし、前作「リコリス・ピザ」まででノミネート数は11個に上った。しかし、受賞はゼロ。中でも代表作とされる「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(20007年)が、コーエン兄弟の傑作「ノーカントリー」(同)とぶつかってしまったのは不運だった。
    フィリップ・シーモア・ホフマン、マーク・ウォールバーグ、ジョン・C・ライリーらの新進俳優を世界に知らしめた立役者でもある。今作の完成時54歳。
    <過去のノミネート歴>
    作品 部門
    1997 「ブギーナイツ」 脚本賞
    1999 「マグノリア」 脚本賞
    2007 「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」 作品賞
    監督賞
    脚色賞
    2014 「インヒアレント・ヴァイス」 脚色賞
    2017 「ファントム・スレッド」 作品賞
    監督賞
    2021 「リコリス・ピザ」 作品賞
    監督賞
    脚本賞

    【前哨戦での受賞】
    ・DGA(米監督組合賞)
    ・英国アカデミー賞
    ・クリティック・チョイス賞
    ・ロサンゼルス批評家賞
    ・シカゴ批評家賞
    ・ゴールデングローブ賞
    ・米映画評議会議(ナショナル・ボード・オブ・レビュー)
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め
    ・サンフランシスコ批評家賞
    ・アトランタ批評家賞
    ・ダラス批評家賞
    ・オースティン批評家賞
    ・フェニックス批評家賞
    ・セントルイス批評家賞
    ・ラスベガス批評家賞
    ・フィラデルフィア批評家賞
    ・カンザスシティ批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
    ・ミネソタ批評家賞
    ・ニュー・ジャージー批評家賞
部門 ノミネート(2026)
監督賞ノミネート
  • ライアン・クーグラー
    「罪人(つみびと)たち」
    ライアン・クーグラー
    キャリア初のオリジナル作品。
    1932年の米南部(ジム・クロウ法時代)という歴史的リアリズムに、「吸血鬼」という超自然的要素を衝突させる大胆な発想と演出。ホラーとして「ただ怖い」ことを追い求める以上に、ブルース音楽や黒人文化の歴史的深みを映像に刻み込むことで、一級のヒューマンドラマとして成立させた。
    俳優陣から美術、視覚効果、音響、衣装など技術部門に至るまで、バラバラになりがちな各セクションに自らの「ビジョン」を浸透させ、一つの世界観として統合させたオーケストレーション能力は、まさに現代の巨匠の風格。大学時代にキャンパスで発掘し、オスカー作曲賞の常連となった音楽家ルートヴィッヒ・ヨーランソンを見れば明らかな通り、クリエイターの才能や魅力を引き出す力は神がかっている。
    1986年5月生まれ。加州オークランド出身。
    続き▼ 2013年、地元近くの黒人青年の射殺事件を描いた「フルートベール駅で」で長編デビュー(当時27歳)。サンダンス映画祭で最高の栄誉である「審査員グランプリ」と「観客賞」の2冠を制した。商業的にも成功し、製作費90万ドルに対して興行収入1740万ドルを稼ぐ。主役に起用したマイケル・B・ジョーダンも称賛を浴びる。
    続いて「ロッキー」シリーズの新作「クリード」の監督に抜擢されると、期待以上の質の高さで再び絶賛の的に。さらにマーベル映画「ブラックパンサー」の監督を任され、アメコミ映画として史上初のアカデミー作品賞ノミネートへと導いた。2021年の「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」では、共同プロデューサーとして作品賞にノミネートされた。
    従来のホラー映画の枠を超える「体験型のエピック(叙事詩)」として本作を構想。視覚的リアリティを極限まで高めるため、クリストファー・ノーラン夫妻に直接アドバイスを仰ぎ、特注のUltra PanavisionとIMAXカメラを導入した。

    【前哨戦での受賞】
    ・ボストン批評家賞
    ・ワシントン批評家賞
    ・ミシガン批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞
    ・米南東部批評家賞
    ・テキサス北部批評家賞





  • ヨアキム・トリアー
    「センチメンタル・バリュー」
    ヨアキム・トリアー
    ※ノルウェー人。1974年生まれ。前作「わたしは最悪」で2022年オスカーの国際映画賞と脚本賞にノミネートされたが、いずれも濱口竜介監督「ドライブ・マイ・カー」に敗れた。





  • クロエ・ジャオ
    「ハムネット」
    クロエ・ジャオ
    ※中国出身。アメリカに移住。低予算「ノマドランド」で2021年の作品賞、監督賞に輝く。マーベル大作「エターナルズ」を経て、本作が4年ぶりの新作。





  • ジョシュ・サフディ
    「マーティ・シュプリーム」
    ジョシュ・サフディ
歴代の監督賞→

主演男優賞

部門 受賞(2026)
主演男優賞賞
  • マイケル・B・ジョーダン
    「罪人たち」
    マイケル・B・ジョーダン
    ※双子の兄弟を一人二役で演じた。厳格で引率力のある兄スモークと、陽気で脇の甘い弟スタック。しぐさ、目つき、声、そして何より雰囲気を巧みに使い分けた。
    物語の進行とともに、希望、後悔、恐怖、怒り、連帯感といった心の動きをさりげなく表現し、観客を歴史ドラマの深みへと引き寄せていく。多層なジャンルへと転調・拡張していく本作において、その確かな存在感が「太い縦串」として機能した。
    持ち前のカリスマ性をやたら強調するわけでも、繊細な演技術を誇示するわけでもない。あくまで一人の人間キャラとしての体温や呼吸を感じさせるサジ加減とリラックスぶりが、見ていて心地よい。
    1987年生まれ、ニュージャージー育ち。
    続き▼ 10歳の頃からモデルや子役として働いた。15歳で伝説的なHBOドラマ「THE WIRE/ザ・ワイヤー」に出演。
    同世代のライアン・クーグラー監督は映画学校の学生のころから、ドラマの脇役としてテレビに出るジョーダンを見て、「不完全な人物を、愛すべき存在として演じられる役者」として高く評価していたという。
    デビュー作となる「フルートベール駅で」の準備に入ったクーグラー監督は、脚本を書いている段階から、会ったことがないジョーダンを「主役」と決めていた。2012年、初対面の喫茶店で台本を渡し、出演をオファー。これがジョーダンにとって初主演となった。低予算ながら高い評価を受け、ジョーダン個人も米映画評議会やゴッサム賞の新進賞を受賞。注目を浴びた。
    以降、クーグラー作品の常連となり、「クリード」「ブラックパンサー」シリーズで大スターになった。オスカー・ノミネートは今回が初。
    【前哨戦での受賞】
    ・SAGアワード(俳優組合賞)
    ・ワシントン批評家賞
    ・ミシガン批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞
    ・米南東部批評家賞
    ・フィラデルフィア批評家賞
    ・カンザスシティ批評家賞
    ・テキサス北部批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
部門 ノミネート(2026)
主演男優賞ノミネート
  • ティモシー・シャラメ
    「マーティ・シュプリーム」
    ティモシー・シャラメ
    ※野心が過剰にあふれる危ない卓球選手役。
    過去の貴公子的なイメージを完全に封印し、あえて「鼻持ちならない、自己中心的な男」を演じきった。徹底したナルシシズムを押し出し、観客に強い拒絶感を抱かせる。それでも、圧倒的なエネルギーとカリスマ性により、「破滅的な熱狂から目を離せなくなる」という奇妙なトランス状態へと導く。
    卓球シーンで見せる俊敏な動きは圧巻。数ヶ月の猛特訓を積み、スイングやフットワークを身に着けたという。試合で放つ生々しい輝きは、いかに酷い人物であるかを散々見せられた後であっても、抗(あらが)たい魅力として伝わる。
    ジョシュ・サフディ監督特有の、追い詰められた人間の熱量を見事に体現。「日本への渡航代を稼ぐ」という目的達成への異常な執念や焦燥にも、なぜか説得力を感じさせる。
    前年の「名もなき者」でボブ・ディランを好演。主演男優賞レースで先頭を走っていたエイドリアン・ブロディ(ブルータリスト)を猛追したが、惜しくも敗れた。「今度こそ」の期待が膨らむ。
    【前哨戦での受賞】
    ・クリティック・チョイス賞
    ・シカゴ批評家賞
    ・ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)
    ・ラスベガス批評家賞
    ・フェニックス批評家賞
    ・オースティン批評家賞
    ・テキサス北部批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
    ・ミネソタ批評家賞
    ・ニュー・ジャージー批評家賞
    ・プエルトリコ批評家賞





  • レオナルド・ディカプリオ
    「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    レオナルド・ディカプリオ
    ※左翼活動家の青年期と中年期を演じた。「理想主義」の空回りを痛々しく見せながら、脱力感あるコミカル表現で笑わせる役目。とくに後半は、薬物や酒に溺れたジャンキーとしてのダメぶりがフル回転。ミドルエイジの疲弊感をリアルに感じさせた。その一方で、娘思いなお父さんぶりが温かい。
    過去作「ディパーテッド」「ウルフ・オブ・ウォールストリート」「レヴェナント」等では、精神や肉体の極限状態におかれた人物像で観客を魅了した。
    本作では、狂気と正気、真面目とユーモアを滑らかに行き来する均衡力を発揮。「ディカプリオはもはや狂気の縁で演じるのではなく、その境界の上で“踊っている”」(英ガーディアン紙のピーター・ブラッドショウ記者)と評されるような熟練のバランス演技を見せた。(Hitomi AI
    【前哨戦での受賞】
    ・米映画評議会議(NBR)
    ・アトランタ批評家賞
    ・セントルイス批評家賞
    ・ダラス批評家賞





  • イーサン・ホーク
    「ブルー・ムーン」
    イーサン・ホーク
    ※作詞家ロレンツ・ハート(Lorenz Hart)を演じた。本来の発声・動き・外見などをすっかり変え、別人になりきった。
    細かなタッチや余白を大切にした演技。軽やかな言葉遣いながら、身体的にはやや控えめ・縮んだ感じという対比的な演技設計を採用。才能あるが自己破壊的で、性的な抑圧もあり、プロとしても人間としても苦悩している複雑な人物像をとらえた。
    ロレンツ・ハートはアメリカ音楽史でもっとも重要な作詞家の一人とされ、作曲家リチャード・ロジャースとの名コンビで1920年代から1940年代初頭まで、ブロードウェイ黄金期の礎を築いた人物。
    【前哨戦での受賞】
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め
    ・ロサンゼルス批評家賞
    ・ボストン批評家賞
    ・サンフランシスコ批評家賞
    ・トロント批評家賞





  • ヴァグネル・モウラ
    「シークレット・エージェント」
    ヴァグネル・モウラ
    ※米国で活躍するブラジル出身の人気俳優。Netflixのドラマ「ナルコス」で麻薬王パブロ・エスコバルを演じたことで有名。
    1970年代の軍事政権下のブラジルを舞台に、逃亡中の学者を演じた。暴力的な勢力に狙われる「チャーミングな普通の人」を体現。ゆるやかに進行するドラマの中で、ひたすらカメラの被写体として輝き続ける。深みの漂う眼差しや、柔和な笑顔と語り口で、気骨ある人間味や「追われ者」としての緊張感をしっかりと伝えた。
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭 男優賞
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)
歴代の主演男優賞→

主演女優賞

部門 受賞(2026)
主演女優賞
  • ジェシー・バックリー
    「ハムネット」
    ジェシー・バックリー
    ※シェイクスピアの妻アグネス役を演じた。
    野性味にあふれ、感性や本能を頼りにたくましく生きるキャラクター。「匂い」や「風の音」で世界を感じているような鋭さが、スクリーンからにじみでる。
    思ったことをはっきり言う勝気ぶりも自然体そのもの。自分の言葉で世界と対峙しつつ、地元に深く根差して生き抜こうとする姿は、都会的な夫ウィリアム(ポール・メスカル)との対比を際立たせる。
    不幸なシーンでの感情の爆発と、その後に続く空虚感は圧巻。
    監督のクロエ・ジャオは、原作を最初に読んだとき「アグネス役はジェシー・バックリーしかいない」と直感。すぐに連絡をとった。バックリーから前向きな返事をもらえたことが、監督を引き受ける決断につながったという。
    説明的なシーンやセリフを省き、観客の感受性や知性に委ねるのがジャオ監督の基本スタンス。主役のバックリーが本作の世界観に完全に溶け込んだことで、「言語化されない監督の意図」が見る側に伝わりやすくなり、本作を秀作たらしめた。
    アイルランド出身。1989年生まれ。2022年、「ロスト・ドーター」の助演で初のオスカーノミネート。
    【前哨戦での受賞】
    ・SAGアワード(俳優組合賞)
    ・英国アカデミー賞
    ・クリティック・チョイス賞
    ・ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)
    ・ワシントン批評家賞
    ・ミシガン批評家賞
    ・アトランタ批評家賞
    ・フィラデルフィア批評家賞
    ・フェニックス批評家賞
    ・セントルイス批評家賞
    ・米南東部批評家賞
    ・テキサス北部批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
    ・ミネソタ批評家賞
    ・ニュー・ジャージー批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞(タイ)
    ・英国批評家賞
部門 ノミネート(2026)
主演女優賞ノミネート
  • ローズ・バーン
    「If I Had Legs I'd Kick You」
    ローズ・バーン
    「病気の娘の看病」「ストレスフルな仕事」「自宅の損壊」といった目の前の難題に対処できず、精神が摩耗していく母親を演じた。顔のアップシーンが長く続くなかで、表情の痙攣や目つきなどで爆発寸前の人間の危うさをあぶり出した。
    身勝手で嫌悪感を与えかねないキャラクター設定ではあるが、むしろ欠陥を正当化せず、開き直って醜態を晒す演技に徹したことが評価された。コナン・オブライエンとの対話シーンも印象的。
    オーストラリア出身。「ブライズメイズ」「ネイバーズ」などのコメディ映画で有名。
    【前哨戦での受賞】
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・ロサンゼルス批評家賞
    ・シカゴ批評家賞
    ・ゴールデングローブ賞(ドラマ部門)
    ・米映画評議会議(NBR)
    ・ボストン批評家賞
    ・サンフランシスコ批評家賞
    ・フロリダ批評家賞
    ・オースティン批評家賞
    ・ダラス批評家賞
    ・カンザスシティ批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞(タイ)
    ・トロント批評家賞
    ・プエルトリコ批評家賞
    ・ベルリン国際映画祭 主演俳優賞





  • レナータ・ラインスヴァ
    「センチメンタル・バリュー」
    レナータ・ラインスヴァ
    ダークで、鋭利で、かつ壊れそうな繊細さを見事に体現した。
    父親(ステラン・スカルスガルド)に対して、「嫌悪感」と「認められたい渇望」という相反する感情を抱く役柄。その複雑な心理状態が、切実に伝わる。
    精神的な不安定ぶりも巧みで、いつ崩れるか分からないような危うさを見せる。一方で、演劇の舞台に立った時のシーンなどで放つカリスマ性が華やかで、そのスイッチの切り替えが凄い。
    1987年ノルウェー生まれ。本作と同じヨアキム・トリアー監督の「わたしは最悪」(2021年)で世界的にブレイク。





  • エマ・ストーン
    「ブゴニア」
    エマ・ストーン
    カリスマ的なCEOとしての自信に満ちた姿から、陰謀論者に責められるときの痛々しい姿まで、場面ごとの状況や心情をさりげなく伝える。同時に「結局、どんな人物なのか」という疑問を、観客に抱かせ続ける絶妙さが光る。
    2度目のオスカーに輝いた「哀れなるものたち」では、生まれたての子供のような純粋さと力強い好奇心を「目」で表現していた。今作では、危機下での恐怖感や、それでも決して失われない洞察力、計算力、コミュニケーション力といった極限の生存スキルを、再びあの目力で見事に表現している。





  • ケイト・ハドソン
    「ソング・サング・ブルー」
    ケイト・ハドソン
歴代の主演女優賞→

助演男優賞

部門 受賞(2026)
助演男優賞
  • ショーン・ペン
    「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ショーン・ペン
    ※3度目の受賞。
    差別主義者の悪役を演じた。とにかく狂気的で不気味。変態男ぶりを滑稽かつ大げさに演じつつ、屈折した内面や脆弱性を丁寧に表現した。近年のハリウッド作品の中でも際立つヴィラン造形との高評価も。
    過去2度、主演男優賞を受賞(「ミスティック・リバー」「ミルク」)。その前にも3回の主演ノミネートという輝かしいオスカー歴を誇る。今回は「ミルク」で受賞したとき以来17年間ぶりノミネート。
    【前哨戦での受賞】
    ・SAGアワード(俳優組合賞)
    ・英国アカデミー賞
    ・セントルイス批評家賞
    ・フロリダ批評家賞
    ・カンザスシティ批評家賞
    ・英国批評家賞
部門 ノミネート(2026)
助演男優賞ノミネート
  • ステラン・スカルスガルド
    「センチメンタル・バリュー」
    ステラン・スカルスガルド
    長年疎遠だった娘たちと対峙する父親を演じた。かつて名声を得たベテラン映画監督という設定。
    普段はあまり感情を表に出さず、むしろ冷淡さが目立つ人物像だが、時折見せる思慮深さ、優しさ、茶目っ気が絶妙で、観客の共感を静かに繰り寄せる。
    映像作家として時代の潮流に取り残された焦燥と、それでも手放せないクリエイターとしての矜持(きょうじ)を、「頑固な老人」というステレオタイプに陥ることなく、生々しい実存感を伴って具現化した。
    主要キャスト4人による息を呑むような演技の応酬において、重鎮らしい「アンカー(錨)」としての役割を履行。美しいアンサンブルを完遂へと導く。
    スウェーデン出身のベテラン(1951年生まれ)。世界的な名脇役として活躍してきた。ハリウッド映画では「パイレーツ・オブ・カリビアン」シリーズ、「アベンジャーズ」「マンマ・ミーア」「ドラゴン・タトゥーの女」などの大作に次々と出演。近年では「デューン 砂の惑星」シリーズの変態悪役(ハルコンネン男爵)でおなじみ。
    HBOの傑作ドラマ「チェルノブイリ」(2019年)でエミー賞の助演男優賞(リミテッド・シリーズ部門)ノミネート。オスカーは今回が初ノミネート。
    【前哨戦での受賞】
    ・ゴールデングローブ賞
    ・ボストン批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞
    ・ダラス批評家賞
    ・ラスベガス批評家賞
    ・ミネソタ批評家賞
    ・ニュー・ジャージー批評家賞





  • デルロイ・リンドー
    「罪人たち」
    デルロイ・リンドー
    大ベテランだが、今回が初のノミネート。
    米国史の暗部をえぐる本作において、黒人コミュニティの「語り部」として破格の貫禄と味わい深さを発揮した。
    序盤から路上パフォーマーとして登場する。その名は「デルタ・スリム」。いい感じの酔っ払いおじいちゃんぶりをコミカルに表現しつつ、「大物感」を存分に発揮。ハーモニカ演奏ぶりも魅力的。車の中の雑談で過酷な人生経験を吐露する場面は壮絶で、本作の重みを決定づけている。
    1952年、英国生まれ。ジャマイカ移民の息子。16歳で母親と米国移住。
    続き▼ 演劇学校を出た後、舞台劇でキャリアを重ねた。1990年代から映画に進出し、スパイク・リー監督「マルコムX」(1992年)のギャング役で注目を集める。「ゲット・ショーティ」「サイダーハウス・ルール」などの名脇役として名を馳せた。
    再び大きな脚光を浴びたのがスパイク・リー監督のNetflix映画「ザ・ファイブ・ブラッズ」(2020年)。ベトナム戦争の元兵士と、その人物が回想する数十年前の自身を熱演。ニューヨーク批評家賞などで主演男優賞に輝いた。しかし、オスカーにはノミネートされず、一部の批評家たちが激怒した。
    【前哨戦での受賞】
    ・テキサス北部批評家賞
    ・ユタ批評家賞
    ・ポートランド批評家賞





  • ベニシオ・デル・トロ
    「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ベニシオ・デル・トロ
    ※空手の指導者役。「センセイ」と呼ばれ、生徒だけでなく、地域のラテンコミュニティのリーダー格として慕われる存在。さりげないカリスマ性や賢者ぶりをユーモラスに表現。ひょうひょうとした立ち振る舞いながら、脳に確かに響く名セリフを連発する。ふとした瞬間にこぼれる笑顔もあいまって、とにかくチャーミング。特異なキャラクターが多い本作に親近感をもたせてくれる役目でもある。
    「トラフィック」(2000年)で文句なしの助演男優賞に輝いたときを想起させる、四半世紀ぶりの超絶ハマリ役。
    【前哨戦での受賞】
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・シカゴ批評家賞
    ・米映画評議会議(NBR)
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め
    ・ワシントン批評家賞
    ・アトランタ批評家賞
    ・フィラデルフィア批評家賞
    ・サンフランシスコ批評家賞
    ・オースティン批評家賞
    ・フェニックス批評家賞
    ・米南東部批評家賞
    ・トロント批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
    ・プエルトリコ批評家賞





  • ジェイコブ・エロルディ
    「フランケンシュタイン」
    ジェイコブ・エロルディ
    ※性格的に繊細な面を持つ怪物を演じた。
    【前哨戦での受賞】
    ・クリティック・チョイス賞
歴代の助演男優賞→

助演女優賞

部門 受賞(2026)
助演女優賞
  • エイミー・マディガン
    「ウェポンズ」
    エイミー・マディガン
    大ヒットした異色ホラーの立役者。「グラディスおばさん」という強い個性を持った役柄を演じた。オレンジのウィッグ、はみ出した口紅、大きな眼鏡といった外見は一見、滑稽なピエロのようだったが、決しておちゃらけているわけではなく、独自の論理や大胆な行動力を備えた女性として実在感を発揮した。哀れさ、滑稽さ、不気味さなどがリアルに同居。セリフの言い回しもベテランらしい巧みさが光り、批評家からは「オペラ的で古典的なスケール感があふれる名演」などと称賛された。
    1980年代半ばからハリウッドの王道で活躍。オスカー作品賞ノミネート「プレイス・イン・ザ・ハート」で罪悪感に悩む南部の女性教師を演じ、日本で大ヒットした「ストリート・オブ・ファイヤー」ではタフな元兵士を演じた。「フィールド・オブ・ドリームズ」でのケビン・コスナーの妻役としても有名。エド・ハリスとのおしどり夫婦ぶりでも知られる。
    オスカーには1986年に「燃えてふたたび」の助演で初ノミネート。それ以来、オスカーには縁がなく、今回が実に40年ぶりのノミネートとなった。
    【前哨戦での受賞】
    ・SAGアワード(俳優組合賞)
    ・クリティック・チョイス賞
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・ボストン批評家賞
    ・アトランタ批評家賞
    ・サンフランシスコ批評家賞
    ・オースティン批評家賞
    ・ラスベガス批評家賞
    ・サンディエゴ批評家賞
    ・フェニックス批評家賞
    ・セントルイス批評家賞
    ・米南東部批評家賞
    ・カンザスシティ批評家賞
    ・テキサス北部批評家賞
    ・ジョージア批評家賞
    ・ミネソタ批評家賞
    ・ニュー・ジャージー批評家賞
    ・プエルトリコ批評家賞
部門 ノミネート(2026)
助演女優賞ノミネート
  • ウンミ・モサク
    「罪人たち」
    ウンミ・モサク
    娘を失った悲しみを抱えながらも、マイケル・B・ジョーダン演じる夫を精神的に支え、ときに叱咤する「辛口の聖母」のような役柄。「喪失の悲劇を気高さへと転華させ、慈愛の真髄を圧倒的な重厚感で表現した魂の演技」などと称賛された。
    冒頭のナレーションも担当。その呪術や信仰に関する言葉は、作品に深い神秘性を与える。低く、深く響く声は、観客を異世界へと誘う「オラクル(神託者)」のようだと評された。
    1986年にナイジェリアで生まれ、1歳のとき家族で英国に移住した。
    続き▼ 3人姉妹の末っ子。 両親はいずれも大学教授という学術一家。 母親が英マンチェスター大学で化学の博士号を取得する機会を得たことが、移住のきっかけだった。 母は後に人材紹介・派遣業のビジネスを立ち上げる。 姉もやがて学者(犯罪学)になった。
    9歳の時に劇場でミュージカル「アニー」を見て感動し、地元の合唱団に入団。高校卒業後は大学で数学を勉強する予定だったが、アニーの感動が忘れられず、名門「王立演劇学校」(演劇コース)に進学する。2007年に卒業後、テレビや独立系映画で脇役として活動。2016年に英BBCの1話完結ドラマ「Damilola, Our Loved Boy」で母親役を演じ、英国アカデミー賞の助演女優賞(テレビ部門)を受賞した。
    2020年、イギリスのホラー映画「獣の棲む家」で初の主演を務める。これが「罪人たち」の構想を練っていたライアン・クーグラーの目に留まった。クーグラーから「『罪人たち』は僕たちのルーツとアイデンティティの物語だ。君の声がその道標になる」という熱烈な手紙を受け取り、出演を快諾したという。
    1930年代の米国深南部(ディープ・サウス)のアクセントを習得。洗練された英国訛りを封印した。
    【前哨戦での受賞】
    ・英国アカデミー賞
    ・ミシガン批評家賞
    ・英国批評家賞
    ・ゴッサム賞





  • テヤナ・テイラー
    「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    テヤナ・テイラー
    ※気性の激しいテロリスト役。強烈な演技で前半を盛り上げる。獰猛かつ無慈悲に暴れ回るシーンや、敵の幹部(ショーン・ペン)をサディスティックに挑発する場面などが印象的。
    【前哨戦での受賞】
    ・ロサンゼルス批評家賞
    ・シカゴ批評家賞
    ・ゴールデングローブ賞
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め
    ・ワシントン批評家賞
    ・フロリダ批評家賞
    ・ダラス批評家賞
    ・フィラデルフィア批評家賞





  • インガ・イブスドッテ・リレオス
    「センチメンタル・バリュー」
    Inga Ibsdotter Lilleaas
    ※家族劇における娘(次女)の役を演じた。家庭から離れていった父親(ステラン・スカルスガルド)と、それを恨む長女(レナータ・ラインスヴァ)の間に立ち、調停役(バランサー)のような役割を担う。感情を静かに抑制する演技が光る。
    あくまで「一般の人」に見えるところが高評価のポイント。主要キャスト4人のうち、他の3人はバリバリの表現者(俳優や映画監督)という設定で、唯一の家庭人として登場。その「普通ぶり」が、作品のリアリズムを一段と格上げするのに貢献。多くの批評家から「光り輝く自然体(Luminous Naturalism)」などと称えられた。
    1989年生まれのノルウェー。Netflix「ビューティフル・ライフ」(2023年、デンマーク)などに出演。
    【前哨戦での受賞】
    ・米映画評議会議(ナショナル・ボード・オブ・レビュー)





  • エル・ファニング
    「センチメンタル・バリュー」
    エル・ファニング
    北欧の映画監督とその娘たちが織りなす家族劇に、「人気ハリウッド俳優」という立場で静かな波乱をもたらす役柄を演じた。内省的な空気感の中に「アメリカ的」なエネルギーとダイナミズムを持ち込み、単なる華やかさを超えて世界観の広がりをもたらした。
    「スター性」と「真面目な職人気質」を融合させたキャラ造形が素晴らしい。圧倒的なオーラを放ちながらも、仕事に対して真摯なプロとしての顔を見せる。自分が関わる芸術に対して倫理的な責任を持とうとする表現者としての苦悩を演じ切ったことで、物語に独特な緊張感が加わった。
    前年の作品賞ノミネート「名もなき者」でボブ・ディランの恋人役を演じた。自身は今回が初のオスカーノミネート。1998年、米南部ジョージア州生まれ。姉は、有名子役ダコタ・ファニング(宇宙戦争)。
歴代の助演女優賞→

脚本賞

部門 受賞(2026)
脚本賞
  • 「罪人たち」
    罪人たち
    脚本:ライアン・クーグラー
    「1930年代の南部ジム・クロウ法下の社会派ドラマ」×「サザン・ゴシック・ホラー」×「吸血鬼伝説」×「ミュージカル」という、一歩間違えれば空中分解しかねない要素を有機的に融合させた珠玉の台本。あまりに重く、直視しがたい「黒人差別・黒人搾取の歴史的事実」を、ホラーという超自然的なメタファー(暗喩)に変換することで、全人類・全世代に届く「普遍的な恐怖と勇気の物語」へと書き換えた。その大胆な構造と、知的で緻密なディテール設計が秀逸。
    当時の人々の吐息、土の匂い、音楽(ブルース)。差別を受ける黒人たちの無念さだけでなく、その裏側にある内面の豊かさ、誇り、愛を、シナリオに丁寧に忍び込ませた。
    史実の大きな枠組みや重みを損なうことなく、それを「エンターテインメントの糧」にするという、倫理的にも技術的にも極めて困難な「トーンの制御」も見事。
    本作の脚本を執筆する際、「これが自分にとって最後の映画になるかもしれない」という覚悟で、自身のルーツ、歴史観、そしてジャンル映画への愛を真摯に見つめ直し、すべてを注ぎ込んだという。
部門 ノミネート(2026)
脚本賞ノミネート
  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム
    脚本:ロナルド・ブロンスタイン&ジョシュ・サフディ





  • 「センチメンタル・バリュー」
    センチメンタル・バリュー
    脚本:エスキル・フォクト(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )、ヨアキム・トリアー





  • 「シンプル・アクシデント/偶然」
    シンプル・アクシデント
    脚本:ジャファール・パナヒ





  • 「ブルー・ムーン」
    ブルー・ムーン
    脚本:ロバート・カプロウ
歴代の脚本賞→

脚色賞

部門 受賞(2026)
脚色賞
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー
    脚本:ポール・トーマス・アンダーソン
    現代アメリカを代表する小説家の一人、トマス・ピンチョンの「ヴァインランド」(1990年刊)から着想を得た。
    原案となった小説は、1980年代を生きる父娘の物語を通じて、1960年代の政治闘争を振り返る内容だが、本作では、複雑な政治的事情をいったん「背景」へと退かせ、普遍的な「父と娘の絆」を物語の軸に据えた。そのうえで、21世紀のアメリカの分断の構図を持ち込み、タイムリーな「寓話」として成立させた。
    前半から中盤までのダイアログや何気ないユーモアの一つ一つに、伏線やキャラクターの厚みをしのびこませ、後半で「点」を一気に「線」として繋ぎ合わせたうえで、終盤の圧倒的なカタルシスへと導く。
    続き▼ フレッシュさが満ち溢れていた出世作「ブギーナイツ」はともかく、これまでのポール・トーマス・アンダーソン(PTA)の作品には、意味深な長台詞や「間」をたっぷり持たせた演出が、結果として「もったいぶっている」という印象を与える面があった。「インヒアレント・ヴァイス」や「リコリス・ピザ」には、物語がどこへ向かっているのか確信が持てないまま、ただその場の空気に浸ることを求める「彷徨い」のような感覚もあった。
    しかし、今作は、後半のスペクタクルに向けて明確な「熱量の勾配」が設計されており、シナリオのパーツの一つ一つが「映画全体のカタルシス」のために奉仕している。この構造の変化が、幅広い一般観客を「PTA疲れ」から解放し、没入度を高めた。
部門 ノミネート(2026)
脚色賞ノミネート
  • 「ハムネット」
    ハムネット
    脚本:マギー・オファーレル(兼原作者)&クロエ・ジャオ





  • 「トレイン・ドリームズ」
    トレイン・ドリームズ
    脚本:クリント・ベントリー&グレッグ・クウィダー





  • 「ブゴニア」
    ブゴニア
    脚本:ウィル・トレイシー





  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン
    脚本:ギレルモ・デル・トロ
歴代の脚色賞→

ジャンル別映画3部門

アニメ賞国際映画賞ドキュメンタリー賞

アニメ賞

部門 受賞(2026)
アニメ賞
  • 「K-Popガールズ!デーモン・ハンターズ」
    K-Popガールズ!デーモン・ハンターズ
    (Netflix)
    Netflix史上最も視聴された映画になった。
    『スパイダーマン:スパイダーバース』でアニメーションの歴史を塗り替えたソニー・ピクチャーズ アニメーションが制作。K-POPのミュージックビデオのようなスタイリッシュな視覚と、「セーラームーン」に代表される1990年代の日本の魔法少女アニメのようなキュートさが融合し、世界中の視聴者を釘付けにした。
    一つ一つの動きが流動的で、各キャラクターの表情やポージングが強調されており、セリフや感情が強く伝わってくるのが持ち味。風変わりなデザインやドリーミーな色彩も魅力。
    とりわけ各音楽シークエンスは、独自のセンスに溢れている。米ビルボード・チャートで首位を獲得した「Golden」などキャッチーな曲が次々と流れ、楽曲が映画の付随物ではなく、物語の核として最大限に機能する。
    個性を消して完璧さを求められることのプレッシャーや、ファンの期待に応えようとする葛藤など、アイドルの裏側にある人間ドラマも共感も呼んだ。
    続編やリメイクが続く映画界において、全く新しいキャラクターと設定による「完全オリジナル」の成功事例になったことも、オスカー的に大きなプラス材料。
     監督:マギー・カン(韓国出身のカナダ人)&クリス・アップルハンズ
    ※マギー・カン監督は韓国出身。本作が監督デビュー作。原案を考案し、ソニー・ピクチャーズ・アニメーションに提案した。故郷の音楽(K-Pop)への深い愛着を込めてストーリーを創造したという。
    続き▼ ソウルで生まれのカン氏は、5歳のときに両親と共にカナダに移住。父親は熱心な映画ファンで、VHSやDVDなどの映画ソフト5万本以上収集。娘マギーにチャップリン、黒澤明、キューブリックなどの名作を紹介したという。
    幼少期から自分で物語をつくってイラストを描くのが好きだったこともあり、アニメ学で有名な「シェリダン・カレッジ」に進学。在学中に積み上げたポートフォリオが評価され、米ドリームワークス・アニメーションに就職する。
    「マダガスカル2」などで絵コンテ作家として活躍した後、イルミネーションやワーナーアニメなどでキャリアを重ね、「カンフー・パンダ3」(2016年)、「レゴニンジャゴー ザ・ムービー」(2017年)等の脚本づくりにも参加。業界から高い評価を得た。
    2018年に本作のコンセプトを思いつき、プロジェクトのリーダーとして企画・制作を引っ張った。
     公開日:2025年6月20日(Netflix配信)
    ※配信スタートに先立ち、ニューヨークとカリフォルニアの映画館で限定的な劇場公開を行い、アカデミー賞の選考基準を満たした。その後、配信での大成功を受けて、2025年8月23日と24日の週末、米国、カナダ、オーストラリアなどで2日間限定の劇場公開(声出し上映)が行われ、大ヒットを記録した。

     製作国:アメリカ
     制作会社:ソニー・ピクチャーズ・アニメーション
     言語:英語
    【評点】
    メタクリティック 77点
    最新→
    ロッテン・トマト 96%
    最新→
    IMDB 7.6
    最新→

    【製作費】
    1億ドル
    動画集を開く▼ <予告編▼>

    <挿入歌「ゴールデン」▼>

    <カン監督インタビュー▼>

    <両監督インタビュー▼>
部門 ノミネート(2026)
アニメ賞ノミネート
  • 「ズートピア2」
    ズートピア2
    (ディズニー)
    ※前作から約9年ぶりの続編。前作が持っていた「社会風刺」と「エンターテインメント」の絶妙なバランスを維持しつつ、よりスケールアップした続編として、ファン・批評家の双方から概ね「成功」と見なされている。
    高い評価を得ているのが、主役3人の関係性の深化だ。前作では相棒になるまでの過程が描かれたが、今作では「互いの弱さをさらけ出し、真の信頼を築く姿」に焦点が当てられている。また、爬虫類という新しいキャラ群の存在がもたらす「未知の価値観」が、物語に新鮮な緊張感を与えている。爬虫類たちが暮らす独特の街並みが、最新のCG技術によって壮大なスケールで表現されているのも見どころ。
    前作の「ロッテン・トマト98% / メタクリティック78」という驚異的なスコアと比較すれば、少なくとも数字の上ではやや後退した。
    【評点】
    メタクリティック 73点
    最新→
    ロッテン・トマト 91%
    最新→
    IMDB 7.7
    最新→

    <予告編▼>





  • 「アルコ」
    アルコ
    (フランス)
    ※高度な技術を持ちながらも空の上で暮らす未来の人間と、環境破壊が進む過渡期の地球に生きる少女との交流を描いた、独創的なタイムトラベル・ファンタジーだ。監督のウゴ・ビアンヴニュ自身のスケッチをベースに構築されたビジュアルは、バンド・デシネ(フランスの漫画)の伝統を受け継ぐ洗練された線画と、現代的な色彩感覚が融合している。
    環境問題という重いテーマを扱いながら、子供たちの純粋な冒険譚として昇華させた手腕が高く評価された。
    アヌシー国際アニメーション映画祭2025 最高賞(クリスタル賞)
    【評点】
    メタクリティック 75点
    最新→
    ロッテン・トマト 93%
    最新→
    IMDB 7.6
    最新→

    <予告編▼>





  • 「アメリと雨の物語」
    アメリと雨の物語
    (フランス)
    独創的な映像表現が称賛された。色使いや世界観が、幼児期の視覚体験や感覚的な記憶を表現するために工夫されており、「視線が世界を捉える絵画的手法」と評された。
    固定的な形を持たない水や霧の描写、鮮やかな色彩の対比を通じて、言葉を持たない乳幼児がどのように世界を「発見」していくのかを、抽象的かつ感覚的に描き出している。
    主人公のアメリは、日本の神戸で暮らすベルギー人の家族のもとに生まれた。物語の冒頭、アメリは自らを「神」であると信じ、周囲を観察するだけの植物的な状態で過ごしている。しかし、2歳の誕生日に起きた地震をきっかけに「覚醒」し、自由に行動し始める。
    日本の文化・風景(例:池の鯉、霧、雨、幼児期の感覚)などが物語に登場する。
    作家アメリ・ノートンの自伝的小説『管の形而上学』が原作。
     公開日:2026年3月20日(日本)
     言語:フランス語
     長さ:1時間17分
    ※アヌシー国際アニメーション映画祭2025 観客賞
    【評点】
    メタクリティック 80点
    最新→
    ロッテン・トマト 98%
    最新→
    IMDB 7.7
    最新→

    <予告編▼>





  • 「星つなぎのエリオ」
    星つなぎのエリオ
    (ピクサー)
    【評点】
    メタクリティック 66点
    最新→
    ロッテン・トマト 83%
    最新→
    IMDB 6.7
    最新→

    <予告編▼>
歴代のアニメ賞→

国際映画賞

部門 受賞(2026)
国際映画賞
  • 「センチメンタル・バリュー」
     国:ノルウェー
    センチメンタル・バリュー

    美しく内省的な家族劇

    ノルウェーを舞台とする家族劇。疎遠になっていた父と娘2人の再会、そして確執を描く。アカデミー賞脚本賞にノミネートされた「わたしは最悪」と同じ監督&脚本&主演。美しくじんわり染みる内省的な一本。

    「撮りたい」父と「演じたくない」娘

    かつて映画監督として名声を高めた父親(ステラン・スカルスガルド)が、自分の家族の歴史を映画化しようとする試みが、物語の起点となる。父親は、舞台俳優である娘(レナータ・ラインスヴァ)に主役を演じてもらいたいと申し出るが、娘は拒絶する。家族について「語りたい(撮りたい)」父と、「演じたくない」娘の溝は埋まるのか。「親子関係」をテーマに据えつつ、「映画(創作活動)を通じて自らの人生を語る」あるいは「語り直す」ことの価値や是非を、作品の命題に取り込んだ。

    主要キャスト4人の演技パワー

    主要キャスト4人の演技の力を最大限に引き出しながら、パーソナルな題材を普遍的な物語として静かに紡いでいく手法が高い評価を得た。静謐(せいひつ)でありながら、描かれる葛藤は鋭利で生々しい。「心の内側で静かに爆発する映画」などと絶賛された。

    監督の自伝的な要素も

    なお、ヨアキム・トリアー監督は本作で自伝的な要素も取り入れたという。父は音響技師、母は短編映画作家、そして何より祖父のエリック・ローシェンは、ノルウェー映画史に名を残す巨匠監督だった。ステラン・スカルスガルド演じる「かつての巨匠監督」という設定には、トリアー監督が見てきた祖父や親の世代が持つ「芸術への絶対的な信念と、それゆえの独善リスク」が色濃く反映されている。同時に、娘役が抱える「巨星すぎる父への複雑な感情とプレッシャー」は、自身の若い頃の心情が投影されているという。

    非英語として史上最多の主要部門ノミネート数

    9個のノミネートを獲得した。これは外国語(非英語)の作品として「グリーン・デスティニー」「ローマ」に次ぎ、「西部戦線異状なし(2022年版)」と並ぶ史上2位タイの記録。ノミネート9個のうち7個は「主要8部門」が占めており、これは「ローマ」の5個を抜いて史上最多記録。主要キャスト4人全員がノミネートされたのが画期的。

     監督:ヨアキム・トリアー(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )
     脚本:エスキル・フォクト(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )、ヨアキム・トリアー
     主演:レナータ・ラインスヴァ(ノルウェー人、「わたしは最悪」など )
     助演:ステラン・スカルスガルド、インガ・イブスドッテ・リレオス、エル・ファニング(「名もなき者」「マレフィセント」など)
     公開日:2026年2月20日(日本)
     製作国:ノルウェー、仏、独、デンマーク
     言語:ノルウェー語(一部英語)
     米国配給会社:ネオン
     長さ:2時間15分
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭 2位(グランプリ賞)
    ・英国アカデミー賞 非英語作品賞
    ・ボストン批評家賞 非英語作品賞
    ・ワシントン批評家賞 国際映画賞
    ・ダラス批評家賞 外国語映画賞
    ・ジョージア批評家賞 国際映画賞
    ・サンフランシスコ批評家賞 脚本賞
    【評点】
    メタクリティック 86点
    最新→
    ロッテン・トマト 97%
    最新→
    IMDB 7.9
    最新→
    レターボックス 4.2
    最新→

    【予告編▼】
    動画集を開く▼ <カンヌのレッドカーペット▼>
部門 ノミネート(2026)
国際映画賞ノミネート
  • 「シンプル・アクシデント/偶然」
     国:フランス
    シンプル・アクシデント

    車の修理工が、かつて政府から拷問を受けたときと同じような「足音」を職場で聞いたことから始まるドラマ。 その足音を立てる男は、本当に拷問者なのか――。 真相を求める修理工の探訪がスタートする。
    イラン政府から厳しい弾圧を受けるジャファール・パナヒ監督が、国内でこっそりゲリラ的に撮影した命がけの一作。最小限の素材(一台の車、数人の俳優など)だけでつくられているが、極めて独特なスリル、ユーモア、心理的ジレンマなどが味わえる。
    イランに限らず世界中のあらゆる場所にある「過去の傷とどう向き合うか」「法なき場所で人はどう裁くのか」という普遍的なテーマも提示される。
    カンヌで最高賞(パルムドール)を受賞。「絶望的な状況下でも、人間は時に滑稽で、愛おしい。悲劇と喜劇が紙一重で同居するこのトーンこそが、パナヒ監督を世界的な巨匠たらしめている」(英BBC放送)などと絶賛された。
    欧州(フランスなど)の映画会社が出資。

     監督&脚本:ジャファル・パナヒ(「チャドルと生きる」など )
     公開日:2026年5月8日 (日本)
     製作国:イラン、フランス、ルクセンブルク
     米国配給会社:ネオン
     長さ:1時間45分
     言語:ペルシア語

    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭 1位 パルムドール(最高賞)
    ・ニューヨーク批評家賞 監督賞
    ・ロサンゼルス批評家賞 脚本賞
    ・シカゴ批評家賞 外国語映画賞&脚本賞
    ・米国映画批評会議(ナショナル・ボード・オブ・レビュー/NBR)国際映画賞
    ・サンディエゴ批評家賞 外国語映画賞&脚本賞
    ・アトランタ批評家賞 国際映画賞
    ・セントルイス批評家賞 国際映画賞
    ・シアトル批評家賞 国際映画賞
    ・ゴッサム賞 監督賞&脚本賞

    【評点】
    メタクリティック 91点
    最新→
    ロッテン・トマト 97%
    最新→
    IMDB 7.5
    最新→
    レターボックス 4.0
    最新→

    【予告編▼】
    動画集を開く▼ <カンヌのレッドカーペット>

    <アルジャジーラ報道>





  • 「シークレット・エージェント」
     国:ブラジル
    シークレット・エージェント
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭【4冠】監督賞&主演男優賞&国際映画批評家連盟賞&フランスアート系映画館協会賞
    ・クリティック・チョイス賞 非英語作品賞
    ・ニューヨーク批評家賞 外国語映画賞(&主演男優賞も)
    ・ロサンゼルス批評家賞 外国語映画賞
    ・オースティン批評家賞 国際映画賞
    ・全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め 非英語作品賞(&作品賞3位)
    ・ゴールデングローブ賞 非英語作品賞





  • 「ヒンド・ラジャブの声」
     国:チュニジア
    The Voice of Hind Rajab
    ※パレスチナ人の少女ヒンド・ラジャブさんの実話に基づくドラマ。2024年1月、ガザ市内で家族と車で避難しているところを、イスラエル軍に襲われた事件を再現した。
    車中に取り残され、唯一生き残った彼女がパレスチナ赤新月社(PRCS)の救急隊と交わした約12時間に及ぶ電話の音声記録は、SNSを通じて世界中に拡散された。暗闇と恐怖の中で助けを求め続けた彼女の「声」は、紛争下における民間人、とりわけ子供たちの保護という国際的な課題を突きつける象徴となった。
    本作は、事件の悲劇的な結末のみならず、極限状態における少女の孤独と、彼女を救おうとした救急隊員たちの葛藤を鋭く描き出す。
    カウテール・ベン・ハニア監督はチュニジア出身。2020年の「皮膚を売った男」でオスカー国際映画賞にノミネート。2023年の「フォー・ドーターズ」ではドキュメンタリー賞にノミネート。フィクションとドキュメンタリーの境界を大胆に往来する手法で、現代アラブ映画界を牽引する存在として知られる。
     監督&脚本:カウテール・ベン・ハニア(「皮膚を売った男」 など)
     製作国:チュニジア、フランス
     米国配給会社:Willa
     長さ:1時間29分
    【前哨戦での受賞】
    ・ベネチア国際映画祭 審査員大賞(2位の賞)
    【評点】
    メタクリティック 83点
    最新→
    ロッテン・トマト 94%
    最新→
    IMDB 8.7
    最新→
    レターボックス 4.3
    最新→
    【予告編▼】





  • 「シラート」
     国:スペイン
    シラート
    モロッコの砂漠地帯で孤独に暮らす男が、かつて犯した「ある罪」を背負い、贖罪のために旅に出る。タイトルの「シラート」とは、イスラム教の概念で「死後の審判の日に渡らなければならない、天国へと続く細い橋」を指す。天国と地獄の境界線を歩くような男の精神的な変容が描かる。
    35ミリフィルムで捉えられたモロッコの砂漠や光の質感など、視覚的、聴覚的な体験の深さが称賛された。ストーリー展開を含めて衝撃度が高い一作。
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭 審査員賞(3位の賞/サウンド・オブ・フォーリングと同点受賞)
     監督:オリベル・ラシェ(スペインの精鋭)
     主演:セルジ・ロペス(「パンズ・ラビリンス」 など)
     公開日:2026年(日本)
     製作国:スペイン、フランス
     言語:スペイン語など
     米国配給会社:ネオン
     長さ:1時間29分
    【前哨戦での受賞】
    ・ベネチア国際映画祭 審査員大賞(2位の賞)
    【評点】
    メタクリティック 80点
    最新→
    ロッテン・トマト 94%
    最新→
    IMDB 7.0
    最新→
    レターボックス 3.6
    最新→
    【予告編▼】
歴代の国際映画賞→

ドキュメンタリー賞

部門 受賞(2026)
ドキュメンタリー賞
  • 「名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で」
    名もなき反逆者 ロシア 愛国教育の現場で
    ※ロシアの地方に住む一人の小学校の職員が、ウクライナ侵略後に変貌していく教育現場を命がけで隠し撮りし、亡命するまでを記録した。
    舞台はウラル山脈近くの貧しい鉱山町。主人公の男性パヴェル(通称パシャ)は小学校でビデオグラファー兼イベントコーディネーターとして働いていた。ロシア政府は学校に対し、ウクライナ侵攻を正当化するための「愛国教育」を義務付けた。パシャは、それらの活動を政府のポータルサイトにアップロードするという職務上の名目を逆手に取り、当局に疑われることなく、教室での授業や職員会議、当局者の訪問といった内部の実態を撮り続けた。
    2024年夏、自宅に警察の監視が及んでいることを察知。制作陣やBBCの支援を受け、身の危険を感じながらロシアを脱出し、ヨーロッパへの亡命を果たした。
    デンマーク、チェコなどによる国際共同製作。批評家等から「市井の人々がいかにして権力に抵抗するかを力強く示した」などと絶賛された。
部門 ノミネート(2026)
ドキュメンタリー賞ノミネート
  • 「パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこへ向かうのか」
    (Netflix)
    パーフェクト・ネイバー:正当防衛法はどこへ向かうのか
    【配信:ネトフリ
    ※フロリダ州で起きた隣人トラブルの顛末録。警察官のボディ・カメラ(身体装着型カメラ)映像など、第三者が撮影した素材や公的機関の記録を編集・構成して映画に仕立てた。再現映像やナレーションはなし。製作陣は「素材をつなぐ」作業ではなく「観客に事件の流れと社会的文脈を体験させる」設計にこだわったという。強烈な没入感と緊張感が高い評価を得た。
    「正当防衛」の範囲の過度な拡大といった米社会の制度上の問題点を浮き彫りにする。





  • 「あかるい光の中で」
    (アップル)
    あかるい光の中で
    ※末期の卵巣がんと診断されたアメリカの詩人アンドレア・ギブソンの日常を追った。コロラド州の自宅で、妻と共に病気と向き合う姿を2024年を通じて記録。死の影が迫る中でも失われないユーモア、情熱、そして夫婦の深い愛が、ギブソンの朗読される詩と共にコラージュのように描き出される。





  • 「アラバマ・ソリューション」
    (HBO)
    アラバマ・ソリューション
    ※全米で最も過酷と言われるアラバマ州の刑務所の汚職や虐待、隠蔽工作を告発する。受刑者たちが密かに施設内に持ち込んだスマホで撮影した内部映像がふんだんに使われている。





  • 「Cutting Through Rocks」
    (国:イランなど)
    イランの保守的な農村部で、女性として初めて村評議員に選出されたサラ・シャフヴェルディの孤独で勇敢な闘いを追った。男尊女卑の価値観が根強く残る村で、変革の旗手として活動。村に根付く児童婚の慣習を廃止させるために奔走する。「岩を切り開く(Cutting Through Rocks)」ように自らの道を切り拓く姿が描かれている。
    Cutting Through Rocks
歴代のドキュメンタリー賞→

技術系9部門

撮影賞視覚効果賞編集賞配役賞歌曲賞作曲賞衣装デザイン賞美術賞メイク&ヘア賞音響賞

撮影賞

部門 受賞(2026)
撮影賞
  • 「罪人たち」
    罪人たち
    一つ一つのショットが芸術的に美しい。1930年代の南部という時代の「痛み」と「祈り」を視覚的に結晶化させたカメラワークが評価された。
    「全編65mmフィルム撮影」がもたらす「触覚的な実在感」が持ち味。デジタル撮影では決して到達できない、フィルム特有の粒子感が印象的。1932年のミシシッピの湿った空気、綿花の白さ、そして人々の肌に浮かぶ汗。それらが高精細である以上に、「そこに確かに存在している」という触覚的なリアリティとして映し出されている。
    広大な綿花畑や立ち並ぶ巨木を、IMAX 15/65mmカメラの圧倒的なスケール感で捉えることで、土地そのものが、すべてを目撃してきた記憶の器であることを提示。美しくもどこか不穏な風景ショットの積み重ねが、ホラーとしてのサスペンスと、大河ドラマとしての重厚さを両立させている。
    ■撮影監督:オータム・デュラルド・アーカポー
    ※女性初の撮影賞となった。1979年生まれ。加州出身。「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」「ロキ」で有名
    オータム・デュラルド・アーカポー
    <IMAXのメイキング映像▼>
    <インタビュー▼>
部門 ノミネート(2026)
撮影賞ノミネート
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー
    ビスタビジョン撮影。シンプルで原始的ながら迫力たっぷりのカーアクションが魅力。1950年代の巨大なフィルムフォーマットを、現代のハイスピードなカーチェイスに持ち込むという挑戦が、デジタルでは決して出せない圧倒的な情報量と質感をスクリーンに刻んだ。
    撮影監督:マイケル・バウマン
    ※「リコリス・ピザ」に続きポール・トーマス・アンダーソン監督とタッグ。照明技師出身ならではのライティング技術と、希少なビスタビジョン・カメラでの撮影が見どころ。





  • 「トレイン・ドリームズ」
    トレイン・ドリームズ
    撮影監督:アドルフォ・ヴェローソ
    ※ブラジル出身の撮影監督。





  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン
    撮影監督:ダン・ラウストセン
    ※「シェイプ・オブ・ウォーター」「ナイトメア・アリー」でアカデミー撮影賞に2度ノミネートされた名匠。





  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム
歴代の撮影賞→

視覚効果賞

部門 受賞(2026)
視覚効果賞
  • 「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」
    アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ
    ※シリーズ第3弾。過去2作でも視覚効果賞を受賞している。前作の「海(水)」に続いて、今回は「炎」のVFX表現に挑んだ。
    「火の破壊的なエネルギー」を表現するため、新たな火炎シミュレーター「Kora(コラ)」を開発した。燃料の種類、風、重力、空気抵抗が火の揺らぎにどう影響するかを正確に計算できるようになった。物理的に正しいだけでなく、ジェームズ・キャメロン監督が「この炎を右にこう動かしたい」というアーティスティックな指示を直接反映できる、自由度の高いシミュレーションを実現した。
    また、新登場の部族「ヴァラン(Varang)」率いる灰の民の描写は、本作の視覚的なハイライト。キャメロン監督が実際にバヌアツ共和国の火山で撮影した実写映像を参考に、肌にこびりつく灰の粉っぽさや、動くたびに舞い上がる灰の挙動を再現した。
    さらに、前作以上に「群衆」の描写が進化した。背景にいる何百人ものナヴィ一人ひとりに、悲しみや怒りといった「感情のチャンネル」をブレンドして表情を与える新ツールを導入。モブキャラであっても、ただ動いているだけでなく、シーンの空気に合わせた「演技」をしている。
部門 ノミネート(2026)
視覚効果賞ノミネート
  • 「F1/エフワン」
    F1/エフワン





  • 「ロスト・バス」
    ロスト・バス





  • 「罪人たち」
    罪人たち





  • 「ジュラシック・ワールド/復活の大地」
歴代の視覚効果賞→

編集賞

部門 受賞(2026)
編集賞
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー
    編集担当は、アンディ・ジャーゲンセン氏(Andy Jurgensen)。ポール・トーマス・アンダーソン監督の前作「リコリス・ピザ」に続く起用。
    主人公らによるテロ活動を描く冒頭シーンでは、説明を最小限に抑えたハード・カット(鋭い切り替え)を多用。観客を突き放すようなスピード感で、一気に物語の混沌へと引き込む。
    車の追跡シーンでは、複数の登場人物の視点を「切り替え接合」(クロス・カッティング)しながら、サスペンス(緊張感)や焦燥感を極大化。さらに場面の割付や拍節のリズムを調整することで、観客の心拍数を徐々に高め、自分もその車に乗って振り回されているかのような没入感を与える。
部門 ノミネート(2026)
編集賞ノミネート
  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム





  • 「罪人たち」
    罪人たち
    マイケル・P・ショーバー
    ※「ブラックパンサー」「クリード」「アビゲイル」などの編集を担当





  • 「センチメンタル・バリュー」
    センチメンタル・バリュー





  • 「F1/エフワン」
    ハウス・オブ・ダイナマイト
歴代の編集賞→

配役賞(キャスティング賞)

本年度に新設された部門。最有力と予想されていた「罪人たち」を、「ワン・バトル・アフター・アナザー」が破り、初代受賞者に。

部門 受賞(2026)
配役賞
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー
    大物スターだけでなく、次々と登場する脇役やちょい役たちが個性を発揮。反政府側も政府側もリアルで、ドラマの奥行きが深い。映画未経験だったチェイス・インフィニティも逸材ぶりを発揮。
    配役担当はカサンドラ・クルクンディス。ポール・トーマス・アンダーソン(PTA)監督の常連。1997年のPTA2作目「ブギーナイツ』で配役助手として働き、その才能を認められ、続く「マグノリア」(1999年)から配役ディレクターを務めるようになった。それ以来、PTAの全作品の配役を手掛けた。
    スパイク・ジョーンズ「her」やブレイディ・コーベット「ブルータリスト」などでも配役を担当。作家性の強い監督たちから厚い信頼を寄せられている。
部門 ノミネート(2026)
配役賞ノミネート
  • 「罪人たち」
    罪人たち
    キャラクターの一人一人が、1930年代の米南部を生きる一人の人間として息づいている。現代の映画にありがちな「整いすぎた、現代的な美男美女」を避け、当時の厳しい労働環境や食事、気候にさらされて生きてきた人々の「刻まれた苦労」を感じさせる顔立ちを、脇役にまで徹底して配置したという。
    物語の鍵を握るサミー・ムーア役として、俳優経験のなかったミュージシャンのマイルズ・ケイトンを見い出した。楽器を持つ仕草や歌声に宿る哀愁は、演技指導だけでは到達できない。ケイトンこそが、当時の音楽家が持っていたリアルな空気感を映画に吹き込んだ。
    配役担当は、フランシーヌ・メイズラー(Francine Maisler)。ハリウッドで超売れっ子のキャスティング・ディレクターで、「デューン 砂の惑星1&2」「ドント・ルック・アップ」「シビル・ウォー」「チャレンジャーズ」「シカゴ7裁判」など豪華キャスト作品の配役を仕切った実績を誇る。





  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム





  • 「ハムネット」
    ハムネット





  • 「シークレット・エージェント」
    シークレット・エージェント

歌曲賞

部門 受賞(2026)
歌曲賞
  • 「K-Popガールズ!デーモン・ハンターズ」
     曲名:『ゴールデン』
     歌手:ハントリックス ft イージェイ&オードリー・ヌナ&レイ・アミ
     作曲・作詞:イージェイ(Ejae)&マーク・ソーネンブリック
    全米ビルボードで計18週1位。リル・ナズ・Xの「オールド・タウン・ロード」に次ぐ史上2位の記録となった。
    ■楽曲の評価ポイント
    ●歌詞の物語性
    歌詞の脚本力が称賛された。冒頭の「I was a ghost, I was alone(私は幽霊だった、一人きりだった)」で、社会からの疎外感を静かに表現。徐々に葛藤を加速させてゆき、サビで「Golden(黄金)」という光り輝くカタルシスへと繋げる。この明暗のコントラストの書き分けが、「ミュージカルの劇的な構成力」(米Variety誌のクリス・ウィルマン)などと高く評価された。キャラクターの成長を3分間で描き切っており、「映画の物語」に依存せず、独立した「普遍的な詩」として見事に成立。
    ●旋律との調和
    さらに、それらの歌詞とメロディの絶妙な相性も称賛ポイント。例えば、クライマックスの高音域の旋律が、『Shining』や『Rising』といった言葉の響きにピタリとマッチしていることで、歌い手の声の開放感が最大限に引き出され、リスナーを「解放」や「自己肯定」へと導く。
部門 ノミネート(2026)
歌曲賞ノミネート
  • 「罪人たち」
     曲名:『アイ・ライド・トゥ・ユー』
    (I Lied to You)
     歌手:マイルズ・ケイトン
     作曲・作詞:ラファエル・サーディク&ルドウィグ・ゴランソン





  • 「トレイン・ドリームズ」
     曲名:『トレイン・ドリームス』
    (Train Dreams)
     歌手:ニック・ケイヴ&ブライス・デスナー
     作曲・作詞:ニック・ケイヴ&ブライス・デスナー





  • 「ダイアン・ウォーレン:リレントレス」
     曲名:『Dear Me』
     歌手:ケシャ
     作曲・作詞:ダイアン・ウォーレン





  • 「Viva Verdi!」
     曲名:『Sweet Dreams Of Joy』
     歌手:アナ・マリア・マルティネス
     作曲・作詞:ニコラス・パイク
歴代の歌曲賞→

作曲賞

部門 受賞(2026)
作曲賞
  • 「罪人たち」
     作曲:ルドウィグ・ゴランソン
    <劇伴のアルバム再生リスト▼>
    ※1930年代のアメリカ南部を音楽で再現。綿花畑で働く労働者らの喜怒哀楽を、セリフ以上に切実に語った。バンジョーやスライドギターの乾いた音色に、ゴランソン特有の呪術的で重厚なシンセサイザーが重なる。呪術的でいてソウルフルな旋律は、歴史の教科書にも出てくる差別被害者の記録を、血の通った「隣人の記憶」として体感させてくれる。
    登場キャラたちの生き様や息づかいをより深く感じさせてくれ、また会いに行きたい(リピート鑑賞したい)と思わせてくれる極上の劇伴。
    ゴランソンは41歳(授賞式時点)。過去に「オッペンハイマー」「ブラックパンサー」で作曲賞2回受賞。
    スウェーデン出身。1984年9月生まれ。ギターの講師をしていた父親からの影響もあり、ロック少年として育つ。
    ライアン・クーグラーとは、南カリフォルニア大学(USC)時代から固い絆で結ばれている。音楽科に留学していたゴランソンは、キャンパス近くのビリヤード場でクーグラーと出会う。スウェーデン音楽が好きだというクーグラーは、気さくに話しかけてきた。2人は意気投合。ゴランソンの才能を見抜いたクーグラーは、自らの学生映画の音楽を依頼する。
    それ以来、クーグラーの一連の作品群の音楽を担当。その実力に目を付けたクリストファー・ノーラン監督らからも次々と声がかかった。映画音楽以外でも、ドナルド・グローバーのプロデューサー兼作曲者として大活躍。大ヒット曲「ジス・イズ・アメリカ」(2018年)では、グラミー賞のレコード賞と楽曲賞の主要2部門を受賞した。
    なお、罪人たちの劇中でサミーが弾いているあのギターは、ゴランソンが父親から譲り受けた私物だ。
部門 ノミネート(2026)
作曲賞ノミネート
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
     作曲:ジョニー・グリーンウッド
    ※完全に物語と一体化した劇伴(げきばん)を、ピアノ、ギター、ドラム等のシンプルな独奏音などで表現。やや斜に構えたような前衛的サウンドながら、叙情性もある。シリアス劇と風刺劇の行き来や調和を支えた。
    「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」以来、ポール・トーマス・アンダーソン監督作品の常連。 「ファントム・スレッド」(2016年)でオスカー作曲賞に初ノミネート。ジェーン・カンピオン監督「パワー・オブ・ザ・ドッグ」でもノミネート。
    今回、台本や監督との打合せをもとに早々に作曲を進め、撮影時点で曲ができていたという。俳優たちの演技のイメージづくりにも役立ったとされる。
    レディオヘッドのメンバー。1971年イギリス生まれ。
    <劇伴のアルバム再生リスト▼>





  • 「ハムネット」
     作曲:マックス・リヒター
    <劇伴の再生リスト▼>





  • 「フランケンシュタイン」
     作曲:アレクサンドル・デスプラ
    <劇伴の再生リスト▼>





  • 「ブゴニア」
     作曲:ジャースキン・フェンドリックス
    前々年「哀れなるものたち」でノミネート
    <劇伴のアルバム再生リスト▼>
歴代の作曲賞→

衣装デザイン賞

部門 受賞(2026)
衣装デザイン賞
  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン
    エリザベス・ハーランダー(女優ミア・ゴス)の優美な衣装が称賛された。劇中において数少ない「人間的な温かみ」や「自然な美」を保持する存在として、フランケンシュタイン等の科学的・冷徹な思想や世界とは対照的な、自然界や感情の豊かさが表現されている。
    エリザベスがまとうピーコック・ブルー、アシッド・グリーン(黄緑)、真紅(ブラッド・レッド)といった色は、自然界に存在する「生命のエネルギー」そのもの。鮮烈な異彩を放ち、観る者の目を釘付けにする。
    エリザベス・ハーランダー(女優ミア・ゴス)
    例えば、ピーコック・ブルーのドレス(▲)では、水彩画のような模様が描かれたゴッサマー・オーガンジーが幾重にも重ねられている。ロウソクの光の中で最も美しく発光するように、単一の青ではなく、グレーを混ぜた複数の層を重ねて深い階調を作っているという。カーネリアン(紅玉髄)とコガネムシ型のガラスを組み合わせたティファニー製ネックレス(1900年代初頭にティファニー創業者一族が自ら手掛けた秘蔵品)が、視覚的なアクセント(補色)となって目を引きつける。
    このほか、多くのドレスが薄いオーガンジーやシルクの多層構造になっており、光が生地を通り抜けて内側から反射する。これが、エリザベスを「発光している(luminous)」ように見せ、鉄と石と死体で埋め尽くされたヴィクター・フランケンシュタインの研究室などにおいて、彼女を唯一の「光の源」に変える。
    ■衣装デザイナー:ケイト・ホーリー(Kate Hawley)
    ※ギレルモ・デル・トロ監督とは「クリムゾン・ピーク」「パシフィック・リム」でもタッグを組んでいる。
    <エリザベス(女優ミア・ゴス)の衣装集▼>
部門 ノミネート(2026)
衣装デザイン賞ノミネート
  • 「罪人たち」
    罪人たち
    「衣装は単なる服ではなく、視覚的な脚本の一部である」という信念が貫かれた。ストーリー・テリングを陰で支える存在として、コスチュームが極めて有効に機能している。
    舞台となる1930年代の南部ミシシッピは酷暑だが、主人公である双子の2人は、あえて北部シカゴ仕立ての重厚なウールスーツを着て現れる。彼らが「北部の厳しい社会で戦い、成功して帰ってきた余所者」であることを視覚的に強調。この「場違いなほど格好いい姿」が、物語の緊張感を生む。
    南部特有の淡い色合い(ベージュや色褪せたデニム)の群衆の中で、あえてパキッとした原色や重厚なダークカラーを纏うことで、「彼らがこの地に馴染まない、あるいは馴染むつもりがない」ことを台詞なしで表す。
    2人の性格面の違いも意識されている。双子の弟(スタック)は、身体にフィットした三つボタンのイタリアン・テーラリング。ピンストライプ、襟ピン、派手なジュエリーなど、目立ちたがりの「伊達男」らしい服装。赤い帽子(フェドラハット)は、情熱的で、少し生意気で、社交的なスタックの性格を象徴する。
    一方、兄(スモーク)は少しゆったりした(ボックスシルエットの)ハウンドトゥース(千鳥格子)やツイード。より実用的で落ち着いたスタイルを選んでいる。青い帽子(キャスケット)は、弱さのある相棒スタックを守る「フィクサー(始末屋)」的な性格を象徴する。
    他の脇役キャラたちについても、生い立ちや心意気が丹念に表現されている。とりわけ1930年代の貧しい黒人労働者たちが、たとえ生活は苦しくても、教会や酒場(ジューク・ジョイント)へ行くための「とっておきの一着」をいかに大切にしていたかを、衣装で語らせている。継ぎ接ぎ(パッチ)、曲がった裾、サイズの合わないお下がりなど、「ボロいけれど、手入れが行き届いている」という絶妙な質感が、彼らのプライドと力強さを伝える。
    衣装デザイナー:ルース・E・カーター
    ※過去2度受賞(「ブラックパンサー」「ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー」)





  • 「ハムネット」
    ハムネット
    衣装デザイナー:マルゴシア・トゥルザンスカ
    ※「グリーン・ナイト」などで知られるデザイナー。





  • 「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」
    アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ





  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム
歴代の衣装デザイン賞→

美術賞

部門 受賞(2026)
美術賞
  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン
    本作のメインセットであるヴィクター・フランケンシュタインの実験室は、垂直に伸びる「給水塔」の中に構築されている。セット内には、巨大な円形のらせん階段と、潜水艦のような円形の窓(ポルホールの窓)が配置されている。ギレルモ・デル・トロ監督作品に共通する「円」のモチーフを建築に取り入れることで、逃げ場のない「運命の循環」を表現した。上へ行くほどヴィクターの「神のごとき傲慢さ」が、下へ行くほど怪物が潜む「泥沼のような深淵」が視覚化されている。
    また、監督の強いこだわりにより、作品全体を通じてCGI(CG合成)を最小限に抑え、圧倒的なスケールの実物セットを建造したという。北極圏の氷のシーンを含め、多くの場面でスタジオ内に巨大な実物セットを組み、ライティング(ロウソクの光など)の効果を物理的に再現している。この手で触れることができる質感が、19世紀ゴシック・ホラー特有の湿り気、重厚感、恐怖を画面に定着させた。
    デル・トロ監督の長年のパートナーであり、「ナイトメア・アリー」でオスカー候補となったタマラ・デヴェレル(Tamara Deverell)が手掛けた。
部門 ノミネート(2026)
美術賞ノミネート
  • 「罪人たち」
    罪人たち
    「1930年代の南部という現実」と「超自然的な恐怖」をシームレスに融合させた没入感が評価された。現実の歴史の痛みとホラーが見事に重なり合っており、その社会的意義がアカデミー会員の心を動かした。
    物語の核となる酒場(ジューク・ジョイント)は、当時の建築技法を用いて、「四方すべての壁と屋根がある本物の建物」として、ルイジアナの湿地帯に建てられた。壁を外す必要がないため、カメラは建物の隅々まで、あるいは1階から2階へと一度もカットを割らずに(ワンレイクで)移動することが可能になった。これにより、立てこもりシーンの閉塞感と、外から何かが迫りくる恐怖が、観客に「リアルタイムの体験」として伝わった。
    また、建物を「古く見せる塗装」をするのではなく、実際に「風化させる」手法を取った。建物の外装に使われた金属板には、ホウ酸を用いた特殊な化学処理が施され、意図的に錆を発生させた。これにより、数十年放置された製材所(サマミル)を改造したという設定に、塗装では決して出せない「金属の腐食した質感」と「湿り気」が生まれた。このリアルな質感が映像を通じて「埃の匂い」や「湿った鉄の匂い」まで想起させ、観客の没入感を高めた。
    装飾面では、画面の隅々に「命」を吹き込まれた。テーブルの上の使い古された食器、壁に飾られた古い写真、呪術的な意味を持つ小物たち。これらが「生活の匂い」を感じさせるため、吸血鬼という異形が現れた際のコントラストがより強烈になる。
    ・ハンナ・ビークラー(プロダクション・デザイナー)
     ※「ブラックパンサー」で2019年に受賞
    ・ジェシー・ローゼンサル(Jesse Rosenthal)(アート・ディレクター)
     ※「ブラックパンサー」などに参加。このときはオスカー受賞対象者ではなかった。
    ・モニーク・シャンペイン(装飾担当/セットデコレーター)
     ※「ニッケル・ボーイズ」など。





  • 「マーティ・シュプリーム」
    マーティ・シュプリーム





  • 「ハムネット」
    ハムネット





  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー
歴代の美術賞→

メイク&ヘア賞

部門 受賞(2026)
メイク&ヘア賞
  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン
    グロテスクで生々しい怪物の造形や顔が見事。
    分厚いシリコンの下から、「愛されたい」と願う怪物(俳優ジェイコブ・エロルディ)の繊細な演技(魂)を透けて見えさせた。例えば目の部分は、エロルディの大きく潤んだ瞳(パピー・アイ)をあえて隠さず強調するデザインになっている。これにより、観客は怪物の目の中に「殺意」ではなく「困惑」や「悲しみ」を常に見ることになる。
    照明の光がエロルディの瞳に反射してキラキラ光る(キャッチライトが入る)角度を計算して、額のプロステティック(人工皮膚)の厚みや形状をミリ単位で調整したという。
    また、「様々な遺体を繋ぎ合わせて作った」という怪物の設定をリアルに表現するため、顔や体のパーツごとに「皮膚の色、キメ、死後経過の状態」が微妙に変えられている。例えば「Aさんの腕とBさんの肩を縫い合わせた」ことが視覚的にわかるような、病的で緻密なメイクを施した。
    傷跡が単なるメイクの線ではなく、肉が引きつっていたり、一部が壊死しかけていたりと、「痛々しさ」を感じさせる造形。これが観客に「恐怖」だけでなく「憐れみ」を抱かせる要素として機能した。
部門 ノミネート(2026)
メイク&ヘア賞ノミネート
  • 「国宝」
    国宝
    歌舞伎の女形(おんながた)としての美しさが称賛された。主演・吉沢亮の持つ元々の顔立ち(特に目力)を活かしつつ、歌舞伎独特の化粧(紅の差し方や眉の形)によって艶(なま)めかしさが表現された。
    特に、単なる白塗りの厚化粧にするのではなく、カメラの照明などを計算し、肌の質感が透けて見えるような「透明感のある白」を作り上げた技術が評価されたと言われている。
    また、本作は、10代の少年時代から60代の円熟期まで、主人公たちの約50年間にわたる波乱の人生を描いている。単にシワを増やすだけでなく、歌舞伎役者として厳しい稽古を積んできたことによる「顔つきの締まり」や、年齢とともに変化する「肌のくすみ」を、自然な特殊メイクで表現した。
    一方、歌舞伎の舞台でのメイクは、古典的な様式美を守りつつ、映画の物語に寄り添うように微妙なニュアンスを調整したとされる。復讐に燃えるシーン、深い悲しみに沈むシーンなど、役の感情に合わせて「紅(べに)」の濃度やラインの角度をミリ単位で変える職人技が、物語の説得力を強めたと評価された。
    歌舞伎のリアリティを支える「かつら(床山)」は、スクリーンに大写しになっても全く違和感のない、緻密な生え際の処理を実現した。
    ・豊川京子(ヘアメイク)
    ・日比野直美(歌舞伎メイク)
    ・西松忠(歌舞伎床山)





  • 「罪人たち」
    罪人たち
    吸血鬼の造形が高評価。メインの吸血鬼の戦闘シーンでは、俳優の頭部に固定された人工装具(プロセティック)と、相手の武器(ギターパーツ)が、強力なマグネットで合体するよう設計。血が噴き出すリグ(仕掛け)と煙を出すチューブを背中に仕込み、CGに頼らず現場でその「質感」を表現した。
    吸血鬼が崩壊していく過程は、シリコン製の人工皮膚を何層にも重ね、それを現場で剥ぎ取ったり破壊したりすることで「肉体が朽ち果てる生々しさ」を描いた。
    吸血鬼たちの目が、暗闇で猫のように光るシーンでは、コンタクトレンズ・デザイナーのクリスティーナ・パターソン(「ホールドオーバーズ」等で知られる)が数年かけて開発した、光を反射する特殊なレンズを使用。後付けのVFXではなく、実際の照明の下で吸血鬼の瞳が不気味に発光する様子を捉えることに成功し、俳優の視線に圧倒的な説得力を与えた。
    物語の舞台である1930年代の南部のアフリカ系アメリカ人のコミュニティにおける髪型を忠実に再現。また、マイケル・B・ジョーダンが一人二役で演じる「双子兄弟」の描き分けも評価を得た。





  • 「スマッシング・マシーン」
    スマッシング・マシーン
    ※カズ・ヒロ(辻一弘)が主演ドウェイン・ジョンソンのメイクを担当





  • 「アグリーシスター 可愛いあの娘は醜いわたし」
    低予算ホラーながら、CGを一切使わない「生々しい変身」が評価され、ノミネート入り。
歴代のメイク&ヘア賞→

音響賞

部門 受賞(2026)
音響賞
  • 「F1/エフワン」
    F1/エフワン
    本物への異常なまでの執着が、圧倒的な没入感を生み出した。
    監督のジョセフ・コシンスキーは、「トップガン マーヴェリック」で本物の戦闘機の音を追求した。 本作でも、実際のF1グランプリの開催中に、メルセデスが開発に協力したカスタムマシンを走らせて撮影・録音を決行した。車体の排気口付近、エンジンルーム、さらにはドライバーのヘルメット内部など、特殊な小型マイクを無数に配置。ギアチェンジ時の金属的な衝撃音や、縁石(カーブの端)を乗り越える際の激しい振動音など、テレビ中継ではカットされがちな「荒々しい音」をレイヤー状に重ねている。
    また、俳優が実際にマシンに乗り込み、凄まじい重力加速度に耐えている状態の息遣いや振動音をそのまま拾った。これにより、後付けのスタジオ録音では出せない極限状態のリアリティが生まれた。
    ドルビーアトモス(Dolby Atmos)による立体音響システムを最大限に活用。画面の左から右へマシンが通り過ぎる際、単に音が流れるだけでなく、空気の切り裂く音や背後に消えていく余韻までを計算し尽くしながら制作された。
部門 ノミネート(2026)
音響賞ノミネート
  • 「罪人たち」
    罪人たち
    「音をストーリーテリングの言語として使い切っている」という点が高い評価を得た。
    酒場での狂乱シーンでは、BGMとして音楽を流すのではなく、客の足踏み、手拍子、グラスの音など、すべてのフォリー(効果音)を音楽のテンポに同期(リズム・カット)させて編集した。
    また、大音量の演奏の中でキャラクター同士の会話が交わされるが、音響チームは、セリフをクリアにするのはもとより、「大音量の中で隣の人と会話するために声を張り上げる質感」を追求。圧倒的な音楽と喧騒の中でも、登場人物の声(ダイアログ)が一度も失われない。
    マイケル・B・ジョーダンが一人二役で演じる双子をめぐっては、2人の声の響きや、部屋の中での位置関係(距離感)が精密に計算。ADR(アフレコ)であることを感じさせない自然な対話が展開された。専門家は「視覚的な一人二役を、音響が見事に実在の二人として成立させている」と絶賛した。
    走行中の車内での会話シーンでは、当時の車のエンジン音や砂利道を走る振動音を記録し、そのノイズの中にセリフを埋没させず、かつ分離させすぎない絶妙なミックスを行った。





  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    ワン・バトル・アフター・アナザー





  • 「シラート」
    シラート





  • 「フランケンシュタイン」
    フランケンシュタイン
歴代の音響賞→

短編3部門

短編アニメ賞短編ドキュメンタリー賞短編実写賞

短編アニメ賞

部門 受賞(2026)
短編アニメ賞
  • 「The Girl Who Cried Pearls」
    【国:カナダ】
     長さ:15分
     言語:英語
    ※『マダム・テュトリ・プトリ』で知られる監督コンビが手掛けたストップモーション・アニメ。20世紀初頭のモントリオールを舞台に、夜な夜な真珠の涙を流す少女と、その真珠を拾い集めて冷酷な質屋に売りさばく少年の交流を描く。だが、その「真珠」の正体は日本から輸入されたばかりのプラスチックであり、物語自体が質屋を欺くために仕組まれた作り話だったという皮肉な結末を迎える。トロント国際映画祭で最優秀カナダ短編映画賞を受賞。
    <予告編▼>
部門 ノミネート(2026)
短編アニメ賞ノミネート
  • 「バタフライ」
    【国:フランス】
     長さ:23分
     言語:サイレント(フランス語字幕)
    ※1927年製作。ストップモーション・アニメの先駆者ラディスラフ・スタレヴィッチによる、実写と人形アニメを融合させた短編映画。見世物小屋のダンサーである少女が、いたずらとして贈られた芋虫の命を救ったことから「蝶の女王」として迎え入れられる。スタレヴィッチの代名詞とも言える、本物の昆虫の死骸を精緻に動かす独自のアニメーション手法が、奇怪で美しい幻想的な世界観を作り出している。
    <本編▼>





  • 「リタイア・プラン」
    【国:アイルランド】
     長さ:7分
     言語:英語
    ※日々の生活に追われる中年男性のレイが、いつか手にするはずの「自分だけの自由な時間」=退職後の生活について巡らせる空想を描いた短編アニメ。ドーナル・グリーソンが声の出演を務める。あえて装飾を削ぎ落とし、抑制されたミニマルな描線で表現された独特のスタイルが特徴。SXSW映画祭で審査員大賞と観客賞をダブル受賞するなど、世界各地の映画祭で高い評価を得た。
    <予告編▼>





  • 「3人姉妹」
    【国:キプロス、ロシア】
     長さ:8分
     言語:ロシア語
    ※孤立した島で、それぞれ別の家に分かれて孤独に暮らす三姉妹。ある日、彼女たちは空いている一軒の家を貸し出すことに決めるが……。過去にアカデミー賞ノミネート経験のある実力派監督コンスタンティン・ブロンジットが、自らの知名度による先入観を排除し、作品そのものの質を問う「テスト」として、親族の名を借りた偽名(ティムール・コグノフ)で発表した作品。選考におけるバイアスを告発するような実験的な背景を持ちつつ、その芸術性が高く評価された。
    コンスタンティン・ブロンジットは、過去に『ワタシの家(At the Ends of the Earth)』や『宇宙(コスモス)に行かなくても(We Can't Live Without Cosmos)』でアカデミー短編アニメーション賞にノミネートされたこともある、ロシアを代表するアニメーション監督の一人。
    <予告編▼>





  • 「Forevergreen」
    【国:アメリカ】
     長さ:13分
     言語:セリフなし
    ※冬の森で捨てられたクマの赤ちゃんと、彼を育て、守り続ける一本の木との数シーズンにわたる絆を描いたファンタジー。成長したクマが人間界のジャンクフードに魅了され、育ての親である木に反発したことで悲劇が起きるが、木は自らの命を犠牲にしてクマを救おうとする。自然の循環と無償の愛、そして再生をテーマにした感動的な寓話。AFI映画祭でグランプリを受賞したほか、アヌシー国際アニメーション映画祭でもジュニア審査員賞を受賞。
    <本編▼>
歴代の短編アニメ賞→

短編ドキュメンタリー賞

部門 受賞(2026)
短編ドキュメンタリー賞
  • 「あなたが帰ってこない部屋」
    【国:アメリカ】
     長さ:33分
     言語:英語
    ※スクールシューティング(校内銃乱射事件)で犠牲になった子供たちの、主を失い当時のまま残された子供部屋を写真に収めるプロジェクトを追ったドキュメンタリー。ジャーナリスト、スティーヴ・ハートマンと写真家ルー・ボップが全米を巡り、遺された遺品や空間を通じて、消えることのない家族の喪失感と銃暴力の悲劇を静かに、かつ力強く描き出す。
    ハートマンは、テレビ局「CBS」所属のレポーター。心温まる人間模様のレポートで広く知られてきた。
    【配信:ネトフリ
部門 ノミネート(2026)
短編ドキュメンタリー賞ノミネート
  • 「Armed Only with a Camera」
    【国:アメリカ】
     長さ:37分
     言語:英語
    ※2022年、ウクライナでの取材中に命を落とした米ジャーナリスト、ブレント・ルノーの生涯と功績を、長年のパートナーであった兄のクレイグ・ルノーが描いた追悼ドキュメンタリー。イラク、ソマリア、ハイチ、そして最期の地となったウクライナ。カメラだけを武器に世界の紛争地や人道的危機の最前線を走り続けた兄弟の記録を通じ、報道に命を懸けるジャーナリストたちの使命と、そのあまりに高い代償を問いかける。SXSW映画祭で観客賞を受賞。





  • 「デビル・イズ・ビジー/中絶医療の最前線から」
    【国:アメリカ】
     長さ:31分
     言語:英語
    ※アトランタにある中絶クリニックの警備責任者、トレイシーのある一日を追ったシネマ・ヴェリテ(映画的真実)スタイルのドキュメンタリー。ロー対ウェイド判決の破棄後、法的な制約や執拗な抗議活動に包囲される中、患者の安全とプライバシーを守るために奔走するスタッフたちの緊迫した日常を映し出す。パームスプリングス国際短編映画祭で観客賞(最優秀短編ドキュメンタリー)を受賞。





  • 「Children No More」
    【国:イスラエル、アメリカ、イギリス】
     長さ:36分
     言語:ヘブライ語
    ※2025年3月からテルアビブの広場で毎週行われている、ガザ地区での軍事作戦により犠牲となった子供たちを追悼するサイレント・ヴィジル(祈りの集会)を記録した観察ドキュメンタリー。参加者たちは、亡くなった子供の名前・年齢・死亡日が記された写真を掲げ、無言で抗議の意思を示す。市民たちの無関心や怒り、悲しみが交錯する日常の風景の中で、週を追うごとに増え続ける子供たちの写真と、静かに広がる抵抗の輪を映し出している。





  • 「Perfectly a Strangeness」
    【国:カナダ、チリ】
     長さ:15分
     言語:セリフなし
    ※チリのアタカマ砂漠に佇むラ・シヤ天文台を舞台に、放置された観測施設に迷い込んだ3頭のロバの視点を通して、宇宙と地球、そして「物語」の原初的な姿を捉えた映像詩。セリフを排した感覚的なアプローチによって、廃墟となった科学の拠点と永遠に続く宇宙の対比を美しく描き出す。2024年のカンヌ国際映画祭短編部門でパルム・ドールにノミネートされるなど、世界中の映画祭で「最も映画的(シネマティック)なドキュメンタリー」として絶賛された。
歴代の短編ドキュメンタリー賞→

短編実写賞

タイ(同点)で2本受賞となった。

部門 受賞(2026)
短編実写賞
  • 【タイ(同点)で2本受賞】


  • 「Two People Exchanging Saliva」
    【国:フランス、アメリカ】
     長さ:36分
     言語:フランス語
    ※接吻(キス)が死に値する重罪とみなされ、支払いは顔へのビンタで行われるディストピアな世界を舞台にした異色のドラマ。高級デパートの新人の店員マレーズと、彼女に惹かれる裕福な主婦アンジーヌの禁断の恋を描く。親密さの証として禁忌である「歯磨き」を隠れて行うなど、独特な設定を通じて愛と規律の衝突を浮き彫りにした作品。AFI映画祭でグランプリ、クレルモン=フェラン国際短編映画祭で観客賞を受賞。
    <本編▼>





  • 「歌うたい」
    【国:アメリカ】
     長さ:18分
     言語:英語
    ※19世紀ロシアの文豪イワン・ツルゲーネフの短編を、現代アメリカの労働者が集うバーへと舞台を移して映画化したミュージカル・コメディ。賞金100ドルと酒を懸けた即興の歌合戦が、粗野な建設作業員や内気な青年、そしてバーテンダーの隠れた才能を暴き出していく。全編35mmフィルムで撮影され、音楽もすべてセット内で同時録音。その場の「真実」にこだわった演出が、見知らぬ者同士を涙と抱擁で包み込むエモーショナルな一夜を描き出す。2026年2月よりNetflixで世界配信。
    【配信:ネトフリ
    シラート
部門 ノミネート(2026)
短編実写賞ノミネート
  • 「A Friend of Dorothy」
    【国:イギリス】
     長さ:21分
     言語:英語
    ※87歳の未亡人ドロシーと、隣家に住む17歳の少年JJ。庭に飛び込んだボールをきっかけに出会った孤独な二人が、演劇を通じて世代を超えた絆を育んでいく物語。ドロシーは少年の才能を見抜き、自らの死後、彼が王立演劇学校(RADA)で学ぶための夢を遺産とともに託す。ミリアム・マーゴリーズとスティーヴン・フライが出演。
    <予告編▼>





  • 「Butcher's Stain」
    【国:イスラエル】
     長さ:26分
     言語:ヘブライ語、アラビア語
    ※イスラエルのテルアビブにあるスーパーマーケットで働く、アラブ系イスラエル人のサミール。休憩室に貼られていた「ガザへ連れ去られた人質の帰還を求めるポスター」を引き剥がしたという疑いをかけられた彼が、生活に不可欠な職を守るため、自らの無実を証明しようと奔走する姿を描く。テルアビブ大学の学生プロジェクトとして製作され、学生アカデミー賞で銀賞を受賞した社会派ドラマ。
    <予告編▼>





  • 「ジェーン・オースティンの生理ドラマ」
    【国:アメリカ】
     長さ:13分
     言語:英語
    ※1813年の英国を舞台に、『プライドと偏見』的世界観をパロディ化した短編コメディ。プロポーズの最中に突然「生理」が始まったヒロインと、流血を大怪我と勘違いして狼狽する求婚者の姿をユーモラスに描く。時代劇(Period Drama)と生理(Period)をかけたタイトル通り、生理への偏見やタブーを鋭い知性と笑いで解体する快作。エマ・トンプソンが「エグゼクティブ生理アドバイザー」として参加し、アスペン短編映画祭などでコメディ賞を受賞した。
    <予告編▼>
歴代の短編実写賞→


受賞数ランキング

ワン・バトル・アフター・アナザーが最多6冠

<ノミネートの獲得数と順位>
順位 作品と受賞部門
1位 6冠 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
・作品賞
・監督賞
・助演男優賞(ショーン・ペン)
・脚色賞
・編集賞
・配役賞
2位 4冠 「罪人たち」
・主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン)
・脚本賞
・撮影賞
・作曲賞
3位 3冠 「フランケンシュタイン」
・美術賞
・衣装デザイン賞
・メイク&ヘア賞

ノミネート数ランキング

「罪人たち」が史上最多16個(12部門)

<ノミネートの獲得数と順位>
順位 作品とノミネート部門
1位 16個 「罪人たち」
・作品賞
・監督賞
・主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン)
・助演男優賞(デルロイ・リンドー)
・助演女優賞(ウンミ・モサク)
・脚本賞
・撮影賞
・視覚効果賞
・編集賞
・配役賞
・作曲賞
・歌曲賞(「I Lied to You」)
・衣装デザイン賞
・メイク&ヘア賞
・美術賞
・音響賞
2位 13個 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
・作品賞
・監督賞
・主演男優賞(レオナルド・ディカプリオ)
・助演男優賞(ベニシオ・デル・トロ)
・助演男優賞(ショーン・ペン)
・助演女優賞(テヤナ・テイラー)
・脚色賞
・撮影賞
・編集賞
・配役賞
・作曲賞
・美術賞
・音響賞
3位 9個 「センチメンタル・バリュー」
・作品賞
・監督賞
・主演女優賞(レナータ・ラインスヴァ)
・助演男優賞(ステラン・スカルスガルド)
・助演女優賞(エル・ファニング)
・助演女優賞(インガ・イブスドッテ・リレオス)
・脚本賞
・国際映画賞
・編集賞
「マーティ・シュプリーム」
・作品賞
・監督賞
・主演男優賞(ティモシー・シャラメ)
・脚本賞
・配役賞
・撮影賞
・美術賞
・編集賞
・衣装デザイン賞
「フランケンシュタイン」
・作品賞
・助演男優賞(ジェイコブ・エロルディ)
・脚色賞
・撮影賞
・美術賞
・衣装デザイン賞
・メイク&ヘア賞
・作曲賞
・音響賞

歴代ノミネート数ランキング

順位 作品名とノミネート部門
1位 16
16部門)
「罪人たち」
・作品賞
・監督賞
・主演男優賞(マイケル・B・ジョーダン)
・助演男優賞(デルロイ・リンドー)
・助演女優賞(ウンミ・モサク)
・脚本賞
・撮影賞
・視覚効果賞
・編集賞
・配役賞
・作曲賞
・歌曲賞(「I Lied to You」)
・衣装デザイン賞
・メイク&ヘア賞
・美術賞
・音響賞
2位 14
14部門)
「タイタニック」
・作品賞
・監督賞
・主演女優賞(ケイト・ウィンスレット)
・助演女優賞(グロリア・スチュアート)
・撮影賞
・美術賞
・衣装デザイン賞
・編集賞
・メイクアップ賞
・作曲賞
・歌曲賞(「My Heart Will Go On」)
・音響賞
・音響編集賞
・視覚効果賞
14
13部門)
「ラ・ラ・ランド」
・作品賞
・監督賞
・主演男優賞(ライアン・ゴズリング)
・主演女優賞(エマ・ストーン)
・脚本賞
・撮影賞
・衣装デザイン賞
・編集賞
・作曲賞
・歌曲賞(「Audition」)
・歌曲賞(「City of Stars」)
・美術賞
・音響編集賞
・音響調整賞
14
12部門)
「イヴの総て」
・作品賞
・監督賞
・主演女優賞(アン・バクスター)
・主演女優賞(ベティ・デイヴィス)
・助演男優賞(ジョージ・サンダース)
・助演女優賞(セレステ・ホルム)
・助演女優賞(セルマ・リッター)
・脚本賞
・美術賞
・撮影賞
・衣装デザイン賞
・編集賞
・作曲賞
・音響賞

新記録

本年度のアカデミー賞で樹立された新記録。

「罪人たち」が史上最多ノミネート

「罪人たち」が史上最多となる16個(16部門)ノミネートを獲得。「タイタニック(14個/14部門)」「ラ・ラ・ランド(14個/13部門)」「イヴの総て(14個/12部門)」が持っていた記録を塗り替えた。

女性初の撮影賞

「罪人たち」の撮影監督オータム・デュラルド・アーカポーが、女性として初の撮影賞を受賞した。

「国宝」が日本映画として初のメイク&ヘア賞ノミネート

「国宝」が日本映画として初のメイク&ヘア賞ノミネートされた。 日本人としては、既に辻一弘(カズ・ヒロ)が受賞しており、初めてではない。


前哨戦の結果

2026年のアカデミー賞の前哨戦の結果一覧です。

PGAアワード(全米プロデューサー組合賞)▼
DGAアワード(米監督組合賞)▼
SAGアワード(俳優組合賞)▼
クリティック・チョイス賞▼
英国アカデミー賞▼
ゴールデングローブ賞はこちら→


PGA(全米プロデューサー組合賞)【最重要】

■ 受賞

「ワン・バトル・アフター・アナザー」

ワン・バトル・アフター・アナザー
ノミネート
  • 「罪人たち」
  • 「マーティ・シュプリーム」
  • 「ハムネット」
  • 「フランケンシュタイン」
  • 「ウェポンズ」
  • 「F1/エフワン」
  • 「センチメンタル・バリュー」
  • 「トレイン・ドリームズ」
  • 「ブゴニア」

※「ウェポンズ」「ブゴニア」が入った。海外勢(非英語作品)は「センチメンタル・バリュー」だけが入り、「シンプル・アクシデント」「シークレット・エージェント」が漏れた。そのかわりに滑り込んだのは「アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ」でも「ウィキッド 永遠の約束」でもなく、「F1/エフワン」だった。
PGAの歴代受賞&ノミネート→


DGA(米監督組合賞)

■ 受賞

「ワン・バトル・アフター・アナザー」
  ポール・トーマス・アンダーソン
ワン・バトル・アフター・アナザー
ノミネート
  • 「罪人たち」
     ライアン・クーグラー監督
  • 「ハムネット」
     クロエ・ジャオ監督
  • 「マーティ・シュプリーム」
     ジョシュ・サフディ監督
  • 「フランケンシュタイン」
     ギレルモ・デル・トロ監督


SAG(俳優組合)アンサンブル・キャスト賞

■ 受賞

「罪人たち」

罪人たち
ノミネート
  • 「ワン・バトル・アフター・アナザー」
  • 「マーティ・シュプリーム」
  • 「マーティ・シュプリーム」
  • 「フランケンシュタイン」


その他の前哨戦

作品賞 監督賞 主演 助演 アニメ
クリティクス・チョイス賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ジェイコブ・エロルディ
(リアル・ペイン)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ニューヨーク批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー It Was Just an Accident 【男優】
ヴァグネル・モウラ
(シークレット・エージェント)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ロサンゼルス批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)

イーサン・ホーク
(ブルー・ムーン)
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

テヤナ・テイラー
(ワン・バトル・アフター・アナザー)
アメリと雨の物語
シカゴ批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
テヤナ・テイラー
(ワン・バトル)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
英国アカデミー賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ロバート・アラマヨ
(I Swear)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ショーン・ペン
(ワン・バトル・アフター・アナザー)

【女優】
ウンミ・モサク
(罪人たち)
ズートピア2
米映画評議会(NBR) ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
レオナルド・ディカプリオ
(ワン・バトル)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
インガ・イブスドッテ・リレオス
(センチメンタル・バリュー)
アルコ
全米映画批評家協会賞(NSFC)=渋め ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
イーサン・ホーク
(ブルー・ムーン)

【女優】
キャスリーン・チャルファント
(Familiar Touch)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
テヤナ・テイラー
(ワン・バトル)
テキサス北部批評家賞 罪人たち 罪人たち 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
デルロイ・リンドー
(罪人たち)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ラスベガス批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
アマンダ・サイフリッド
(The Testament of Ann Lee)
【男優】
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
ズートピア2
フィラデルフィア批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
テヤナ・テイラー
(ワン・バトル)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ジョージア批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
カンザスシティ批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ショーン・ペン
(ワン・バトル)

【女優】
ウェポンズ
(エイミー・マディガン)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ダラス批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
レオナルド・ディカプリオ
(ワン・バトル)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

【女優】
テヤナ・テイラー
(ワン・バトル)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
オースティン批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ボストン批評家賞 罪人たち 罪人たち 【男優】
イーサン・ホーク
(ブルー・ムーン)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
エンドレス・クッキー
ワシントン批評家賞 罪人たち 罪人たち 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
テヤナ・テイラー
(ワン・バトル)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ミシガン批評家賞 罪人たち 罪人たち 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
マイルズ・ケイトン
(罪人たち)

【女優】
ウンミ・モサク
(罪人たち)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
サンディエゴ批評家賞 罪人たち 罪人たち 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優(タイ)】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)

ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
サンフランシスコ批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
イーサン・ホーク
(ブルー・ムーン)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
アトランタ批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
レオナルド・ディカプリオ
(ワン・バトル)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ミネソタ批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
ニュージャージー批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ステラン・スカルスガルド
(センチメンタル・バリュー)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
フェニックス批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
セントルイス批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
レオナルド・ディカプリオ
(ワン・バトル)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ショーン・ペン
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
ズートピア2
南東部批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー 罪人たち 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ
フロリダ批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー しあわせな選択 【男優】
ジョシュ・オコナー
(マスターマインド)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ショーン・ペン
(ワン・バトル)

【女優】
テヤナ・テイラー
(ワン・バトル)
アメリと雨の物語
トロント批評家賞 ワン・バトル・アフター・アナザー ワン・バトル・アフター・アナザー ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)

イーサン・ホーク
(ブルー・ムーン)
ベニシオ・デル・トロ(ワン・バトル)

ニーナ・ホス
(ヘッダ)
エンドレス・クッキー
英国批評家賞 罪人たち ワン・バトル・アフター・アナザー 【男優】
マイケル・B・ジョーダン
(罪人たち)

【女優】
ジェシー・バックリー
(ハムネット)
【男優】
ショーン・ペン
(ワン・バトル)

【女優】
ウンミ・モサク
(罪人たち)
プエルトリコ批評家賞 罪人たち 罪人たち 【男優】
ティモシー・シャラメ
(マーティ・シュプリーム)

【女優】
ローズ・バーン
(If I Had Legs I'd Kick You)
【男優】
ベニシオ・デル・トロ
(ワン・バトル)

【女優】
エイミー・マディガン
(ウェポンズ)
Kポップ・デーモン・ハンターズ

選考・発表の日程

イベント 日時
候補作の候補(ショートリスト)発表 2025年12月16日(木)
ノミネート投票開始 2026年1月12日(月)
ノミネート投票終了 2026年1月16日(月)
ノミネート発表 2026年1月22日(木)
【前哨戦】DGAアワード発表 2026年2月7日(土)
本投票開始 2026年2月16日(月)
【前哨戦】英国アカデミー賞 2026年2月22日(日)
【前哨戦】PGAアワード発表 2026年2月28日(土)
【前哨戦】SAGアワード発表 2026年3月1日(日)
本投票終了 2026年3月5日(木)
授賞式(結果発表) 2026年3月16日(月)の昼間(日本時間)
現地時間:3月15日(日)

参考

映画賞(2025年度)

ゴールデングローブ賞 2026年(2025年度)

ハリウッドビジネスの歴史

アテル投資顧問

他の国際的な賞

広告業界のアワード




落選した作品・人物

注目されていたが、ノミネートされなかった作品・人物の一覧です。

【落選】作品賞

作品賞ノミネートから漏れた映画
「ウェポンズ」
ウェポンズ

ありがちな「お約束」を超えるアイデアと実行力が光る超良質ミステリー/ホラー。 独創的なオリジナル作品の魅力を再提示し、「罪人たち」と共に、低調だったハリウッド映画界を底上げした。

章ごとに手がかりを積み上げていく設計。画作りの端正さや好テンポにより、驚かせるためだけのカット割りに終わらない「映画的心地よさ」(ロジャー・イーバート・ドットコム)で観客を引っ張る。群像劇としても魅力的で、役者陣のアンサンブル演技も高評価。

ホラーファン以外も絶賛。 製作費3800万ドルに対して、興行収入2億7000万ドルの大成功となった。

本作が作品賞ノミネートに滑り込むことができれば、「ワン・バトル・アフター・アナザー」「罪人たち」と合わせて一つの配給会社(ワーナー)から3本の候補入りという前代未聞の事態に。

 監督:ザック・クレガー(「バーバリアン」など)
 主演:ジュリア・ガーナー、ジョシュ・ブローリン
 助演:エイミー・マディガンほか
 脚本(オリジナル):ザック・クレガー
 公開日:2025年11月28日(日本)
 配給会社:ワーナー
 製作費:3800万ドル
 長さ:2時間8分
【評点】
メタクリティック 81点
最新→
ロッテン・トマト 93%
最新→
IMDB 7.5
最新→
【興行収入】
北米:1億5200ドル
世界:2億7000万ドル (

【予告編▼】
動画集を開く▼ <ザック・クレガー監督インタビュー▼>

劇伴アルバム▼>

<挿入歌:ジョージ・ハリスン「Beware of Darkness」▼>

「シンプル・アクシデント」
シンプル・アクシデント
「ウィキッド 永遠の約束」
ウィキッド 永遠の約束

批評家の評点が前作より低め

2部作の後半。批評家レビューは、前作「パート1(ウィキッド ふたりの魔女)」に比べるとイマイチ。 11月20日時点で、メタクリティックの批評家スコアは「60点」で、前作「73点」よりダウン。 また、ロッテン・トマトの批評家支持率は「71%」にとどまり、前作「88%」よりだいぶ見劣りする。
ごく一部の批評家やメディアだけを集めて行われた初期の試写会の直後は、絶賛コメントばかりだったが、やはり「第一波」の反応はアテにならない。

「駆け足」「詰め込み過ぎ」

否定的な理由としては、「物語が駆け足になっている」「詰め込み過ぎ」などの指摘が目立つ。 「クライマックスに向けての盛り上がりがやや平坦」との評も。

演技には圧倒的な支持

一方で、好意的な意見としては、ブロードウェイの舞台版を単に踏襲せず、前作よりも登場人物の葛藤や成長を深く描いた、との論調が目立つ。シンシア・エリーボとアリアナ・グランデの演技については高評価が圧倒的に優勢。


【評点】
メタクリティック 60点
最新→
ロッテン・トマト 71%
最新→
IMDB 7.3
最新→
「アバター:ファイヤー&アッシュ」
アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ

シリーズ第3弾。今回のテーマは「炎と灰」。「炎」は「憎しみ、怒り、暴力」を象徴し、「灰」は暴力の後に残る「喪失、悲しみ、後悔、その続きとしての暴力のサイクル」を指す。これまでに出てきた「森の部族」「水の部族」に続いて、新たに「火の部族」が登場する。

 監督:ジェームズ・キャメロン
 脚本:ジェームズ・キャメロン&リック・ジャッファ&アマンダ・シルバー
 主演:サム・ワーシントン、ゾーイ・サルダーニャ
 公開日:2025年12月19日
 配給会社:20世紀スタジオ
 長さ:3時間12分
【製作費】
2.5億ドル
【予告編▼】
「ハウス・オブ・ダイナマイト」
ハウス・オブ・ダイナマイト

※Netflixオリジナル作品。米国を標的として発射された謎の核ミサイルをめぐるサスペンス。「ハート・ロッカー」「ゼロ・ダーク・サーティ」のキャスリン・ビグロー監督が、「デトロイト」以来8年ぶりにメガホンをとった。
知的な緊張感あふれる政治スリラー。
【配信:ネトフリ

 監督:キャスリン・ビグロー
 脚本:ノア・オッペンハイム
 主演:イドリス・エルバ、レベッカ・ファーガソン
 公開日:2025年10月24日(Netflix配信)
 製作国:アメリカ
 配給会社:Netflix
 長さ:1時間52分
【評点】
メタクリティック 75点
最新→
ロッテン・トマト 76%
最新→
IMDB 6.4
最新→

【予告編▼】
「ジェイ・ケリー」
ジェイ・ケリー

【配信:ネトフリ

 監督:ノア・バームバック(「マリッジ・ストーリー」「フランシス・ハ」など)
 脚本:ノア・バームバック&エミリー・モーティマー
 主演:ジョージ・クルーニー
 助演:アダム・サンドラーほか
 公開日:2025年12月5日(Netflix配信)
 製作国:英米
 配給会社:Netflix
 長さ:2時間11分
【評点】
メタクリティック 62点
最新→
ロッテン・トマト 79%
最新→
IMDB 6.5
最新→

【予告編▼】
「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ
スプリングスティーン 孤独のハイウェイ

米国ロック界の王者ブルース・スプリングスティーンが33歳の時(1982年9月)に発表したダークなアルバム「ネブラスカ」の制作過程に焦点をあてる伝記ドラマ。前作「ザ・リバー」(1980年)までの成功で新世代のロックスターになった男が、自宅にこもり、アコースティック・ギター1本で内省的な曲づくりにのめり込んでいく。
ひとりのアーティストの闇と、創造の苦しみを捉えた作品として味わい深い。

【ノミネートが有力な部門】
部門 作品賞
主演男優賞
 ジェレミー・アレン・ホワイト
助演男優賞
 ジェレミー・ストロング
音響賞
 監督:スコット・クーパー
 脚本:スコット・クーパー
 主演:ジェレミー・アレン・ホワイト
 助演:ジェレミー・ストロングほか
 公開日:2025年11月14日
 製作国:アメリカ
 米国配給会社:20世紀スタジオ
 長さ:2時間
【評点】
メタクリティック 69点
最新→
ロッテン・トマト 93%
最新→
IMDB 7.6
最新→

【予告編▼】
動画集を開く▼ <アルバム「ネブラスカ」>

<ライブ1980年「明日なき暴走」>

<ライブ1981年「ハングリーハート」>

<町山智浩氏の「スプリングスティーン歌詞論」>

【落選】監督賞

監督賞ノミネートから漏れた人物
  • ジャファール・パナヒ
    「It Was Just an Accident」
    ジャファール・パナヒ
    ※世界で称賛されるイラン人監督。 本作でカンヌ国際映画祭の最高賞(パルムドール)に輝く。
    1960年生まれ。長編デビュー作「白い風船」でカンヌ国際映画祭の新人監督賞(カメラ・ドール)を受賞。「チャドルと生きる」(2000年)でベネチア国際映画祭の最高賞(金獅子賞)に輝くなど、世界で称賛された。
    政治批判的な内容もあり、イラン政府に弾圧され続けた。2009年のイラン大統領選挙をめぐる抗議デモを支持したことを受けて、2010年に逮捕される。裁判で「懲役6年」「20年間の映画製作&海外渡航の禁止」という厳しい判決を受けた。収監は猶予されたものの、事実上の自宅軟禁状態に置かれた。
    それでも密かに映画撮影を継続する。タクシーに小型カメラを設置し、自らが運転手となってテヘランの街を撮影した「人生タクシー」(2015年)でベルリン国際映画祭で最高賞(金熊賞)を受賞した。
    2022年7月、当局に拘束された同僚の映画監督(モハマド・ラスロフ「聖なるイチジクの種」ら)の状況を問い合わせるために検察庁を訪れたところ、その場で逮捕された。2023年2月、刑務所内でハンガー・ストライキを決行。命の危険が迫ったことで、数日後に保釈された。2023年4月には出国禁止措置も解かれた。映画製作の禁止措置も、形式上は解除された。
    保釈後、刑務所内での体験から着想を得て、今作(It Was Just an Accident)の製作をスタートする。「製作禁止」が解けても、政府による「脚本の事前承認」などの検閲はある。パナヒ監督はこれを拒否し、撮影をゲリラ方式で極秘に進めた。撮影中にスタッフが一時拘束されるトラブルもあったという。最終的な仕上げ作業は、データを海外(フランス)に送って行われた。
    2025年12月、今作の内容が体制批判的であるとして、新たな有罪判決(禁錮1年など)を受けた。
    【前哨戦での受賞】
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・ゴッサム賞





  • ギレルモ・デル・トロ
    「フランケンシュタイン」
    ギレルモ・デル・トロ





  • キャスリン・ビグロー
    「ハウス・オブ・ダイナマイト」
    キャスリン・ビグロー

【落選】主演男優賞

主演男優賞ノミネートから漏れた人物
  • ジョエル・エジャトン
    「トレイン・ドリームズ」
    ジョエル・エジャトン





  • ジェシー・プレモンズ
    「ブゴニア」
    ジェシー・プレモンズ





  • ジョージ・クルーニー
    「ジェイ・ケリー」
    ジョージ・クルーニー
    ※ハリウッドの架空の俳優キャラ(ジェイ・ケリー)を演じた。年齢と向き合う人物像を、脆さをにじませながら表現した。「スターの仮面」と「後悔・喪失の実感」が同居する二重構造。その姿が静かな痛みとして全編を貫く。





  • ジェレミー・アレン・ホワイト
    「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」
    ジェレミー・アレン・ホワイト
    ※32歳ごろのブルース・スプリングスティーン役。「似せること」ではなく「その人物の内面と密着すること」に重きを置いた演技。「説得力がある」と評価された。





  • イ・ビョンホン
    「しあわせな選択」
    イ・ビョンホン





  • ドウェイン・ジョンソン
    「スマッシング・マシーン」
    ドウェイン・ジョンソン
    ※格闘家マーク・ケアー役。カズ・ヒロ(辻一弘)の特殊メイクで変身。作品自体は興行的に大失敗。

【落選】主演女優賞

主演女優賞ノミネートから漏れた人物
  • チェイス・インフィニティ
    「ワン・バトル・アフター・アナザー」
    チェイス・インフィニティ
    ※製作陣が長い年月を費やして多数のオーディションを重ねた末にやっと発掘した。起用が決まった時点では、初出演となるテレビドラマ(推定無罪)を撮っているところで、まさに新人だった。
    配役が決まってから武術の訓練を重ねた。レオナルド・ディカプリオやショーン・ペンら超大物と堂々と渡り合った。頼りない父親から過保護な干渉を受ける普通の現代娘、かと思いきや、追いつめられると意外な力を発揮する。





  • アマンダ・サイフリッド
    「The Testament of Ann Lee」
    アマンダ・サイフリッド
    ※ミュージカル。
    1985年生まれ。「ミーン・ガールズ」(2004年)で大ブレイク。「Mank/マンク」の助演で初オスカーノミネート。本作は「ブルータリスト」の監督ブレイディ・コーベットと妻モナ・ファストヴォルドが夫婦で脚本を書き、ファストヴォルドが監督した。
    【前哨戦での受賞】
    ・ラスベガス批評家賞





  • テッサ・トンプソン
    「ヘッダ」
    テッサ・トンプソン





  • ジュリア・ガーナー
    「ウェポンズ」
    ジュリア・ガーナー





  • レベッカ・ファーガソン
    「ハウス・オブ・ダイナマイト」
    レベッカ・ファーガソン
    ※大統領官邸の緊急対応室(ホワイトハウスのシチュエーション・ルーム)のキャプテンという役柄。 所作で緊張を伝える抑制的演技が称賛された。 日常の細かい行為の積み重ねで、無駄のない人物像を表現。 緊迫シーンでの感情の揺れも見事。
    三部構成となっている本作では、ファーガソンが主演の第1部が圧倒的に好評。否定派の多くもファーガソンの演技は褒めた。





  • シンシア・エリーボ
    「ウィキッド 永遠の約束」
    シンシア・エリーボ

【落選】助演男優賞

助演男優賞ノミネートから漏れた人物
  • ポール・メスカル
    「ハムネット」
    ポール・メスカル
    ※シェイクスピア役。長編2作目の「アフターサン」で2023年に主演男優賞にノミネートされた。





  • マイルズ・ケイトン
    「罪人たち」
    マイルズ・ケイトン
    ※天才ブルース歌手役。実質的に主役の一人。歌声で観客を魅了。
    【前哨戦での受賞】
    ・ミシガン批評家賞





  • アダム・サンドラー
    「ジェイ・ケリー」
    アダム・サンドラー





  • ジェレミー・ストロング
    「スプリングスティーン 孤独のハイウェイ」
    ジェレミー・ストロング
    ※スプリングスティーンに大きな影響を与えた音楽プロデューサー、ジョン・ランダウ氏を演じた。ランダウ氏は音楽記者だった1974年、「私はロックの将来を見た。その名はブルース・スプリングスティーン」と書き、大成功を予言。その後の3枚目アルバム「明日なき暴走」から共同プロデューサーに就き、右腕として黄金期を支えた人物。

【落選】助演女優賞

助演女優賞ノミネートから漏れた人物
  • ヘイリー・スタインフェルド
    「罪人たち」
    ヘイリー・スタインフェルド
    ※14歳でのデビュー作「トゥルー・グリット」(コーエン兄弟作品)でいきなり助演女優賞ノミネート。マーベルのホークアイでも知られる。1996年12月11日、加州生まれ。





  • グウィネス・パルトロー
    「マーティ・シュプリーム」
    グウィネス・パルトロー





  • オデッサ・アザイオン
    「マーティ・シュプリーム」
    オデッサ・アザイオン
    ※ティモシー・シャラメ演じる主人公の幼なじみ役。大いに存在感を発揮した。
    これまで配信やテレビを中心に活動。米Hulu配信のホラー「ヘル・レイザー」(2022年)では主演を務めた。本作が初めての本格的な劇場公開作品。
    2000年ロサンゼルス生まれ。父親はドイツの映画監督、母親は女優。





  • アリアナ・グランデ
    「ウィキッド 永遠の約束」
    アリアナ・グランデ
    ※前作「ウィキッド ふたりの魔女(パート1)」でキャラクター(グリンダ)への適合性やコミカルぶりが高評価され、初ノミネートされた(受賞は「「エミリア・ペレス」のゾーイ・サルダーニャ)。今作では、「明るく軽やかな人気者」から「重い責任を負った大人」へと変化する姿を、深みのある演技で表現。「ユーモア、傷心、カリスマ性の3つを見事に調和させた」(バラエティ誌のジャズ・タンケイ記者)などと称賛された。

【落選】国際映画賞

国際映画賞ノミネートから漏れた映画





  • 「しあわせな選択」
     国:韓国
    しあわせな選択
    ※長年勤めた大企業をリストラされた中年男が、再就職活動で苦戦した末に、突飛な計画を思い立つ。ベネチア国際映画祭で絶賛された。スリラー兼ダークコメディ。
     監督&プロデューサー:パク・チャヌク(「オールド・ボーイ」「別れる決心」など )
     主演:イ・ビョンホン
     公開日:2026年3月6日(日本)
     製作国:イラン、仏
     言語:韓国語
     米国配給会社:ネオン
     長さ:2時間19分
    【前哨戦での受賞】
    ・トロント国際映画祭 国際観客賞
    ・フロリダ批評家賞 監督賞
    【評点】
    メタクリティック 87点
    最新→
    ロッテン・トマト 100%
    最新→
    IMDB 8.1
    最新→
    レターボックス 4.2
    最新→
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  • 「国宝」
     国:日本
    国宝
     監督:李相日(リ・サンイル)
     主演:吉沢亮
     海外の公開日:2026年11月(米ロサンゼルス、ニューヨーク)
     製作国:日本
     言語:日本語
     米国配給会社:米Gキッズ(東宝グループ)
     長さ:2時間55分
    【前哨戦での受賞】
    ・バンクーバー国際映画祭 観客賞
    【評点】
    メタクリティック --点
    最新→
    ロッテン・トマト 100%(22件)
    最新→
    IMDB 8.0
    最新→
    レターボックス 3.9
    最新→
    【予告編▼】





  • 「左利きの少女」
     国:台湾
    左利きの少女
     米国での配給会社:Netflix
    【評点】
    メタクリティック 77点
    最新→
    ロッテン・トマト 99%
    最新→
    IMDB 7.4
    最新→
    レターボックス 3.9
    最新→
    【予告編▼】





  • 「サウンド・オブ・フォーリング」
     国:ドイツ
    Sound of Falling
    【前哨戦での受賞】
    ・カンヌ国際映画祭 審査員賞(3位の賞/シラートと同点受賞)
     米国での配給会社:Mubi(ムビ)
    【評点】
    メタクリティック 90点
    最新→
    ロッテン・トマト 95%
    最新→
    IMDB 7.2
    最新→
    レターボックス 3.6
    最新→
    【予告編▼】





  • 「Belén(ベレン)」
     国:アルゼンチン
    Belén
     米国での配給会社:Mubi(ムビ)
    【評点】
    メタクリティック 70点
    最新→
    ロッテン・トマト 94%
    最新→
    IMDB 7.1
    最新→
    レターボックス 3.9
    最新→
    【予告編▼】

【落選】アニメ賞

アニメ賞ノミネートから漏れた映画
  • 「鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来」
    (日本)
    鬼滅の刃 無限城編 第一章 猗窩座(あかざ)再来
    シリーズものの途中であることがネック。
    【評点】
    メタクリティック 67点
    最新→
    ロッテン・トマト 98%
    最新→
    IMDB 8.4
    最新→





  • 「イン・ユア・ドリームズ:願いがかなうなら」
    (Netflix)
    イン・ユア・ドリームズ:願いがかなうなら
    【評点】
    メタクリティック 61点
    最新→
    ロッテン・トマト 86%
    最新→
    IMDB 6.5
    最新→

【落選】ドキュメンタリー賞

ドキュメンタリー賞ノミネートから漏れた映画
  • 「2000 Meters to Andriivka」
    2000 Meters to Andriivka
    ※ロシアによるウクライナ侵略の残酷な現場を撮った「実録 マリウポリの20日間」(2024年オスカー受賞)のミスティスラフ・チェルノフ監督の新作。ロシア軍に占領されたアンドリーウカ村の解放へと向かうウクライナ小隊の姿を追う。
    チェルノフ監督が現場に同行し、カメラを回す。兵士のヘルメットカメラや軍のドローン映像などを組み込み、兵士たちの極限状態を生々しく伝える。





  • 「シーモア・ハーシュ:権力の闇に挑む男」
    シーモア・ハーシュ:権力の闇に挑む男
    【配信:ネトフリ
    ※アメリカの伝説的な調査報道ジャーナリスト、シーモア・ハーシュ氏のキャリアと、彼が暴いてきた国家の闇に迫る政治ドキュメンタリー。原題は「Cover-Up」。「ソンミ村虐殺事件(ベトナム戦争)」「ウォーターゲート事件」「アブグレイブ刑務所虐待事件」などを題材に、過去の取材メモや録音テープを持ち出しながら、ハーシュ氏がいかに権力者の隠ぺい(Cover Up)体質を突破して真実」に辿り着いたのかを解き明かす。
    「シチズンフォー スノーデンの暴露」でアカデミー賞を受賞したローラ・ポイトラスと、米報道番組の名プロデューサーとして知られるマーク・オーベンハウスが共同で監督を務めた。
    【前哨戦での受賞】
    ・米映画評議会議(ナショナル・ボード・オブ・レビュー)





  • 「My Undesirable Friends:Part I — Last Air in Moscow」
    My Undesirable Friends: Part I — Last Air in Moscow
    ※ロシアの独立系ジャーナリストたちの執念と亡命までの日々を記録した。2021年から取材を開始。プーチン政権による監視や家宅捜索が続く中、2022年2月のウクライナ侵攻で事態がさらに緊迫化していく。
    約5時間という超長尺。
    監督は、9歳の時に家族でソ連からアメリカへ移住した映像作家ジュリア・ロクテフ。
    【前哨戦での受賞】
    ・ニューヨーク批評家賞
    ・ロサンゼルス批評家賞
    ・ゴッサム賞





  • 「熱帯の黙示録」