2021年の受賞・ノミネート一覧

作品賞監督賞主演男優賞主演女優賞助演男優賞助演女優賞アニメ賞脚本賞脚色賞国際映画賞視覚効果賞衣装デザイン賞ドキュメンタリー賞歌曲賞作曲賞撮影賞編集賞音響賞美術賞メイク&ヘア賞短編アニメページの先頭へ↑

<受賞・ノミネート一覧(全部門)>
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「ノマドランド」

ノマドランド

(公開:2021年3月26日)

 説明ページ→

 予告編→

 字幕版(Amazon)→

 吹替版(Amazon)→

 受賞スピーチ→

 宇多丸ラジオ解説→

アメリカの雄大な原風景を背景に、 季節労働者たちの心のひだを見事に映し出した詩情的な作品。 コロナウイルス感染拡大で孤立感や喪失感が深まるなか、 人と人とのつながり、亡き伴侶への想い、自然との一体感を伝える静かな物語が、共感を呼んだ。

カメラクルーが半年間にわたって米国の田舎を転々としながら、 撮影を行った。 荒野、砂漠、森林、峡谷に主人公らが溶け込む様子を美しい映像で伝える。

過去数年のオスカー作品賞争いは、有力2作品による接戦が多かった。 しかし、本年度は、ノマドランドが前哨戦の序盤から独走を続け、 予想通りの受賞となった。

 ※歴代の作品賞→

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監督賞 クロエ・ジャオ

「ノマドランド」

クロエ・ジャオ

 作品一覧→

 作品の特別映像→

 レビューや過去作の紹介動画(シネコト)→

 受賞スピーチ→

女性として史上2人目の監督賞。2010年のキャスリン・ビグロー(ハート・ロッカー)以来、11年ぶり。

ジャオ監督は1982年北京生まれの中国籍。 アメリカで映画を学び、そのまま米国に住みついた。 本作が長編3作目。38歳。

前年のポン・ジュノ監督(韓国人、パラサイト)に続いて、2年連続のアジア人の受賞。 前々年はメキシコ人のアルフォンソ・キュアロンが獲得しており、 3年連続の外国人の受賞となった。

 ※歴代の監督賞→

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主演男優賞 アンソニー・ホプキンス

「ファーザー」

アンソニー・ホプキンス

 作品一覧→

 受賞スピーチ→

 1992年の受賞スピーチ→

83歳での栄冠。アカデミー賞の最高齢受賞の記録を塗り替えた。

1992年に「羊たちの沈黙」で同部門を受賞して以来29年ぶり2度目。 ノミネートは、助演部門を含めると今回で6度目だった。

アルツハイマーの高齢者を演じた。 自らの存在が足元から崩れる恐怖や怒り、葛藤といった複雑な感情を見事に表現した。 長いキャリアの中でも最高級と称賛された。

当初は、大腸がんで亡くなったチャドウィック・ボーズマンが最有力と予想されていたが、 賞レース終盤でホプキンスが英国アカデミー賞を獲るなど、追い上げた。

 ※歴代の主演男優賞→

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主演女優賞 フランシス・マクドーマンド

「ノマドランド」

フランシス・マクドーマンド

 作品一覧→

 本編映像→

 受賞スピーチ→

1997年「ファーゴ」、2018年「スリー・ビルホード」に続いて、3度目の受賞。 メリル・ストリープ、イングリッド・バーグマンら映画史に残る大御所たちに並んだ。 「主演」部門だけでの3度受賞となると、 4回のキャサリン・ヘプバーンと、3回のダニエル・デイ・ルイス(男優)に続く3人目の快挙。

本作では、物静かで地味な役柄を、説得力あふれるリアル感で演じた。 表情やしぐさによる繊細な演技が絶賛された。

共同プロデューサーとして作品賞も手にした。 原作となる本を読んで感銘を受け、 仲間とともに映画化権を取得。 ほとんど無名だった若手監督(クロエ・ジャオ)を指名し、プロジェクトを大成功へと導いた。

 ※歴代の主演女優賞→

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助演男優賞 ダニエル・カルーヤ

「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」

ダニエル・カルーヤ

 作品一覧→

 動画(スピーチのシーン)→

 レビュー動画(シネコト)→

 受賞スピーチ→

「ゲット・アウト」(2018年)での主演男優賞ノミネート以来2度目の候補入りにして初のオスカー獲得となった。
黒人運動の指導者フレッド・ハンプトンを演じた。 スピーチ場面などでの言葉の説得力や、本人が乗り移ったかのようなカリスマ性は圧巻。 静かなシーンでもしっかりと魅せ、表現力の幅広さを証明した。
他のキャストとともに、 演技で魅了する秀作を実現。 なぜか「主演」のスタンフィールドまで、一緒に「助演」賞に一緒にノミネートされるというオマケもついた。

 ※歴代の助演男優賞→

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助演女優賞 ユン・ヨジョン

「ミナリ」

ユン・ヨジョン

 作品一覧→

 映画のシーン→

 受賞スピーチ→

韓国映画界の発展を長年にわたって引っ張ってきた大物女優。
本作では、破天荒なおばあちゃん役を演じた。 韓国語にブロークン英語を交えたコミカルな芝居。 顔の表情やしぐさも含めて、超ベテランならではの名演で笑いと涙を誘った。

韓国人として俳優部門での初受賞。 前年のポン・ジュノ監督(パラサイト)に続く韓国映画界の栄冠。 アジア人の俳優部門の受賞は、1985年にハイン・ニョール(カンボジア人)が「キリング・フィールド」で助演男優賞を受賞して以来、36年ぶり。

授賞式でのスピーチも好評だった。

 ※歴代の受賞者(助演女優賞)→

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長編アニメ賞 「ソウルフル・ワールド」

ソウルフル・ワールド

(公開:2020年12月25日、ディズニープラス配信)

 予告編→

 字幕版(Amazon)→

 吹替版(Amazon)→

 動画配信(ディズニープラス)→

 受賞スピーチ→

 レビュー動画(ツッチ)→

ピクサーの歴史の残る傑作の一つと称賛された。
事故で命をおとし、ソウル(魂)になった男性が主人公。 彼は音楽教師で、長年の夢だった音楽家としての演奏デビューのチャンスが目前に迫っていた。 現世に戻る冒険の中で、生命と向き合う。
コロナの影響で劇場公開されなかった。

 ※歴代のアニメ賞→

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脚本賞 「プロミシング・ヤング・ウーマン」

(脚本家:エメラルド・フェネル)

プロミシング・ヤング・ウーマン

 受賞スピーチ→

 レビューと脚本解説(シネコト)→
  • 「シカゴ7裁判」
    (脚本家:アーロン・ソーキン)
     ネタバレ解説(シネコト)→
  • 「ミナリ」
    (脚本家:リー・アイザック・チョン)
  • 「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」
    (脚本家:ダリウス・マーダー、エイブラハム・マーダー)
  • 「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」
    (脚本家:ウィル・バーソン、シャカ・キング)

 ※歴代の脚本賞→

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脚色賞 「ファーザー」

(脚本家:クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール)

ファーザー

 受賞スピーチ→

 解説動画(シネコト)→

 ※歴代の脚色賞→

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国際映画賞 「アナザーラウンド」

(デンマーク)

アナザーラウンド

(公開:2021年9月3日)

 予告編→

 受賞スピーチ→

 町山ラジオ解説→



※デンマークを代表するトマス・ヴィンターベア監督の作品。 酒の魔力にのめり込む男たちの物語。 主人公の高校教師が、同僚3人と「アルコール摂取によって人生を劇的に良くする」という理論の実践を試みる。 すると、冷え切った家族関係が改善し、授業も絶好調になった。男たちはさらなる効果を求め、強い酒に手を出す。

日本からは「朝が来る」(河瀬直美監督)が出品されたが、ノミネート候補作品(ショートリスト)に入らなかった。
  • 「少年の君」
    (香港)
    (公開:2021年7月16日)
     予告編→
  • 「コレクティブ 国家の嘘」
    (ルーマニア)
    (公開:2021年10月2日)
     予告編→
     町山解説→
  • 「皮膚を売った男」
    (チュニジア)
    (公開:2021年11月12日)
     予告編→
  • 「アイダよ、何処へ?」
    (ボスニア、ヘルツェゴビナ)
    (公開:2021年9月17日)
     予告編→

 ※歴代の国際映画賞→

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視覚効果賞 「テネット(TENET)」

テネット

 予告編→

 字幕版(Amazon)→

 吹替版(Amazon)→

 メイキング映像→

 監督インタビュー→

 受賞スピーチ→

 有村昆の解説(ネタバレ)→

クリストファー・ノーラン監督の大作。コロナで大型作品が次々と劇場公開の延期に追い込まれるなか、思い切って公開に踏み切った。 感染拡大が極めて深刻だった米国では集客面で苦戦したが、日本では大ヒットした。


 ※歴代の視覚効果賞→

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衣装デザイン賞 「マ・レイニーのブラックボトム」

(衣装デザイナー:アン・ロス)

マ・レイニーのブラックボトム

 予告編→

 動画配信(Netflix)→
  • 「EMMA エマ」
    (衣装デザイナー:アレクサンドラ・バーン)
     予告編(英語)→
  • 「Mank(マンク)」
    (衣装デザイナー:トリッシュ・サマービル)
    (Netflix配信:2020年12月)
     動画配信(Netflix)→
  • 「ムーラン」
    (衣装デザイナー:ビーナ・ダイグラー)
     予告編→
  • 「ピノキオ」
    (衣装デザイナー:マッシモ・カンティーニ・パリーニ)
     予告編(英語)→

 ※歴代の衣装デザイン賞→

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ドキュメンタリー賞 「オクトパスの神秘: 海の賢者は語る」

オクトパスの神秘: 海の賢者は語る

 動画配信(Netflix)→

 受賞スピーチ→

 町山ラジオ解説→

 ※歴代のドキュメンタリー賞→

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撮影賞 「Mank(マンク)」

(撮影監督:エリック・メッサーシュミット)

mank(Mank(マンク))

 受賞スピーチ→

 ※歴代の撮影賞→

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音響賞

※録音賞と音響編集賞が一本化された
「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」

(ニコラス・ベッカー、ジェイミー・バクシュト(英語版)、ミシェル・クートレンク、カルロス・コルテス、フィリップ・ブラド)

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~

 動画配信(Amazon)→

 受賞スピーチ→
  • 「ソウルフル・ワールド」
  • 「Mank(マンク)」
  • 「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」
  • 「グレイハウンド」
     予告編(英語)→

 ※歴代の音響編集賞→

 ※歴代の録音賞→

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歌曲賞 「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」

 曲名:Fight for You

 歌手:H.E.R.

 動画→

ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償

 授賞式のパフォーマンス→

 受賞スピーチ→

 音楽配信(Amazon)→

 ※歴代の歌曲賞→

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作曲賞 「ソウルフル・ワールド」

作曲家:トレント・レズナー(ロックバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」)&アッティカス・ロス&ジョン・バティステ

ソウルフル・ワールド

 音楽配信(Amazon)→

 受賞スピーチ→

 レビュー動画(茶一郎)→

メタルバンド「ナイン・インチ・ネイルズ」のリーダーとして知られるトレント・レズナーは、 ソウルフル・ワールドとマンクの2作品でノミネートされた。

 ※歴代の作曲賞→

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編集賞 「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」

(編集技師:ミッケル・E・G・ニルソン)

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~

 受賞スピーチ→
  • 「シカゴ7裁判」
    (編集技師:アラン・ボームガーテン)
  • 「ノマドランド」
    (編集技師:クロエ・ジャオ)
  • 「ファーザー」
    (編集技師:ヨルゴス・ランプリノス)
  • 「プロミシング・ヤング・ウーマン」
    (編集技師:フレデリック・トラバル)

 ※歴代の編集賞→

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美術賞 「Mank(マンク)」

(美術監督:ドナルド・グレアム・バート)

mank(Mank(マンク))

 受賞スピーチ→
  • 「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」
    (美術監督:デビッド・クランク)
  • 「マ・レイニーのブラックボトム」
    (美術監督:マーク・リッカー)
  • 「テネット(Tenet)」
    (美術監督:ネイサン・クロウリー)
  • 「ファーザー」
    (美術監督:ピーター・フランシス)

 ※歴代の美術賞→

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メイク&ヘア賞 「マ・レイニーのブラックボトム」

マ・レイニーのブラックボトム

(セルジオ・ロペス=リベラ、ミア・ニール、ジャミカ・ウィルソン)

 受賞スピーチ→
  • 「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(あいか)」
  • 「ピノキオ」
  • 「Mank(マンク)」
  • 「EMMA エマ」

 ※歴代のメイクアップ&ヘアスタイリング賞→

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短編アニメ賞 「愛してるって言っておくね」

(ネットフリックス)

愛してるって言っておくね

 動画配信(Netflix)→

 受賞スピーチ→

 町山解説(ネタばれ!)→

 ※歴代の短編アニメ賞→

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短編映画賞 「隔(へだ)たる世界の2人」

隔(へだ)たる世界の2人

 ネトフリ配信→

 受賞スピーチ→

 町山解説(ネタばれ)→

 ※歴代の短編映画賞→

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短編ドキュメンタリー賞 「Colette(コレット)」

 予告編→

 受賞スピーチ→

 ※歴代の短編ドキュメンタリー賞→

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受賞数ランキング

ノマドランドが3部門で最多

最多受賞は「ノマドランド」でした。作品賞、監督賞、主演女優賞の主要3部門を制しました。 その後は、「ファーザー」「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」など5つの作品が2部門受賞で続きました。 一部の作品が突出して賞を独占するのでなく、多くの作品で受賞を分け合う形になりました。

最多ノミネート「マンク」は技術系2部門のみ

本年度最多となる10部門でノミネートされた「Mank(マンク)」(Netflix)は、 技術系の2部門(撮影賞、美術賞)での受賞にとどまりました。同じくNetflixの「シカゴ7裁判」は、 作品賞を含む6部門でノミネートされていましたが、受賞ゼロに終わりました。

<受賞の数と順位>
順位 受賞数 作品名 部門
1位 3個 ノマドランド 作品賞、監督賞、主演女優賞
2位 2個 ファーザー 主演男優賞、脚色賞
ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償 助演男優賞、歌曲賞
ソウルフル・ワールド 長編アニメ賞、作曲賞
Mank(マンク) 撮影賞、美術賞
サウンド・オブ・メタル 編集賞、音響賞
マ・レイニーのブラックボトム 衣装デザイン賞、メイク&ヘア賞

ノミネート数のランキング

Mank(マンク)が10部門で最多

<ノミネートの獲得数と順位>
順位 ノミネート数 作品名
1位 10個 Mank/マンク
2位 6個 ノマドランド
ミナリ
シカゴ7裁判
サウンド・オブ・メタル
ファーザー
ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償
8位 5個 プロミシング・ヤング・ウーマン
マ・レイニーのブラックボトム

受賞作・ノミネート作品の紹介

2021年のアカデミー賞のノミネート作品を紹介します。
ノマドランドミナリシカゴ7裁判マンクファーザーマ・レイニーのブラックボトムあの夜、マイアミでヒルビリー・エレジー

作品名 解説
「ノマドランド」

【ノミネート部門】作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞(以上6件。黄色は受賞)

日本公開:2021年3月26日

ノマドランド

 予告編→

雄大な原風景と、放浪民の心のひだ

アメリカの雄大な原風景を背景に、 季節労働者たちの心のひだを見事に映し出し、 世界のコアな映画好きをうならせた詩情的な映画。

題名「ノマドランド」の「ノマド(nomad)」とは、遊牧民を意味する。 この映画では、家を持たず、車で移動しながら暮らす「車上生活者」のことを指している。 短期雇用職場を転々と渡り歩く季節労働者でもある。 そんな現代版の遊牧民たちの姿を描く。

オスカー女優フランシス・マクドーマンドが主演。 マクドーマンドが演じる主人公は、 米国の田舎町に長年住んでいた。 しかし、その町にあった鉱物資源の採掘場が閉鎖されたため、 町が丸ごと消滅した。 この結果、定職を失い、自宅も手放すはめになった。 さらに、最愛の夫にも先立たれた。 経済的な窮地に立たされた彼女は、60代にして車上生活を始めることとなった。 倉庫の軽作業などのパート職を転々とする日々。

そんな彼女の日常や他の車上生活者との触れ合いを、静かなドキュメンタリー風に淡々と映し出す。 全体的にスローなテンポで、地味。映画としての一般的な娯楽性はあまりない。 黙想的な作品である。

中国出身でアメリカ在住の若手女性監督クロエ・ジャオの3作品目。 ジャオは2作目「ザ・ライダー」(2017年/予告編→)で高い評価を受けた。 2021年秋以降に公開予定のマーベル映画「エターナルズ」の監督に抜擢されるなど、 ハリウッドで注目度ナンバー1。現在38歳。

主役を熱演したマクドーマンドは、主演女優賞にノミネートされた。 彼女は本作のプロデューサーの一人でもある。 もう一人のプロデューサーとともに、原作のノンフィクション小説の映画化権を取得。 ジャオの前作(ザ・ライダー)を気に入り、監督・脚本を依頼した。

本作では、俳優でない本物の車上生活者たちが脇役を演じた。 それによってリアルさが増し、高評価のポイントの一つになった。 撮影技術も称賛された。

オスカーに強い「サーチライト・ピクチャーズ」(旧フォックス・サーチライト)が配給。製作費約5億円。

<受賞の有力度(予想)>
作品賞:1位
監督賞:1位
撮影賞:1位
主演女優賞:3位
脚色賞:2位
編集賞:3位

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「ミナリ」

【ノミネート部門】助演女優賞、作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞、作曲賞(以上6件。黄色は受賞)

公開:2021年3月19日

ミナリ

 予告編→

移民国家らしいハートフルな物語

韓国系移民の家族ドラマ。 人間味あふれるハートフルな作品である。 大都市ロサンゼルスから南部の田舎に移住し、農民としての新しい挑戦に挑む姿を描く。 「アメリカンドリーム」的な設定ではあるが、よくありがちな成功物語ではない。

全米の独立系映画が集まる「サンダンス映画祭」(2020年)で、作品賞(グランプリ)と観客賞の2冠に輝いた。 2021年1月にノースカロライナ映画批評家協会賞の作品賞を受賞。「ノマドランド」の連勝にストップをかけた。 本年度オスカーの作品賞ノミネート作の中で映画評論家の評価スコアは98%。ノマドランドを上回った。 昨年の作品賞「パラサイト」と同じである。 移民国家であるアメリカにおいて、民族・人種を超えて共感を得た。

監督は、韓国系アメリカ人のリー・アイザック・チョン(Lee Isaac Chung)。42歳。 本作の舞台であるアーカンソー州の農村地帯で育った。 ミナリは、監督の半自伝的なストーリーだという。
これまでも独立系の渋い作品を手がけてきており、 日本のアニメ映画「君の名は。」のハリウッド実写版の監督を務めることが決まっている。

本作で助演女優賞にノミネートされたユン・ヨジョンは、「韓国のメリル・ストリープ」とも言える超大物女優。 破天荒で毒舌家の祖母役を演じ、大好評を博した。 また、主役のスティーブン・ユアンは、アジア系で初めの主演男優賞ノミネートとなった。

配給は、質の高いインディー映画で有名なアメリカの「A24」。 製作は、ブラッド・ピットが経営する「プランB」とA24が共同で手がけた。 つまり、2017年作品賞の名作「ムーンライト」と同じ布陣だ。 製作費は2億円と小規模。

使用言語は韓国語と英語だが、韓国語のほうが多い。 字幕という点は、やはり不利。

<受賞の有力度(予想)>
作品賞:2位
監督賞:2位
主演男優賞:4位
助演女優賞:1位
脚本賞:3位
作曲賞:3位

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「ファーザー」

【ノミネート部門】主演男優賞、脚色賞、作品賞、助演女優賞、編集賞、美術賞(以上6件。黄色は受賞)

日本公開:2021年5月14日

ファーザー

ロッテントマト「98%」、ミナリと並びトップ

評論家のレビュー集計サイト「ロッテン・トマト」で、98%の高評価を獲得した。 これは、本年度オスカー作品賞にノミネートされた作品の中で、ミナリと並び最も高い。

認知症( アルツハイマー)に苦しむ男性の話。 彼は娘と同居することになるが、娘の手助けを拒否する。 親子関係を描く。

主演は、アンソニー・ホプキンス。 娘役はオリビア・コールマン。

フランスの小説家であるフローリアン・ゼレール氏が監督を務めた。 原作は、ゼレール氏の芝居「ルペール(Le Père)」。 脚本は、ゼレール氏とともに、イギリスの著名脚本家クリストファー・ハンプトン氏が共同執筆した。 ハンプトン氏は「危険な関係」(1988年)や「つぐない」で有名。「危険な関係」では、アカデミー賞の脚色賞を受賞した。

配給はソニー・クラシック。

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「Mank(マンク)」

【ノミネート部門】撮影賞、美術賞、作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、衣装デザイン賞、音響賞、作曲賞(以上10件。黄色は受賞)

日本公開:2020年12月4日(ネットフリックスで配信)

mank(Mank(マンク))

 動画配信のページ(Netflix)→
ネットフリックス作品。

映画の歴史の中で、最高の傑作の一つとして評価されている「市民ケーン」。 この映画の脚本を書いたハーマン・マンキーウィッツが主人公になっている。 彼が、若き巨匠・オーソン・ウェルズ監督から脚本の執筆者クレジットを勝ち取ろうとする姿を描く。

デビッド・フィンチャー監督の6年ぶりの監督作品。 フィンチャーは「ソーシャル・ネットワーク」「ベンジャミン・バトン」「ファイト・クラブ」「セブン」など数々の名作を生んできた。 このうち、Facebookの創業者を描いた「ソーシャル・ネットワーク」(2010年)はオスカー作品賞を逃したが、 その後、歴史的な名作としての評価が定着した。 同じく絶賛された「ゴーン・ガール」以来の監督復帰である。

フィンチャーの父親で、脚本家だったジャック・フィンチャーが書いた脚本に基づく。 主演はゲイリー・オールドマン。

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「プロミシング・ヤング・ウーマン」

【ノミネート部門】脚本賞、作品賞、監督賞、主演女優賞、編集賞(以上5件。黄色は受賞)

日本公開:2021年7月16日

プロミシング・ヤング・ウーマン
復讐系スリラー。ダーク・コメディ的な要素を持つ。主演キャリー・マリガンの演技が絶賛された。

主人公の女性は、かつて優れた医学生として将来を嘱望されていた。 しかし、医大を中退し、30歳になった現在はウエイストレスとして低賃金で働いている。 彼女医大からドロップアウトしたのは、 親友に対するレイプ事件を大学側がもみ消し、その親友が自殺に追い込まれたことがきっかけだった。 彼女は、その事件の復讐に執念を燃やしていた。

監督のエメラルド・フェネルは女優出身。 Netflixドラマ「ザ・クラウン」のカミラ夫人役で知られる。現在35歳。 本作が監督としてのデビュー作となった。 自ら書き下ろした脚本も称賛された。 衝撃的なラストシーンも話題となった。

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「シカゴ7裁判」

【ノミネート部門】作品賞、助演男優賞、脚本賞、編集賞、撮影賞、歌曲賞(以上6件)

日本公開:2020年10月16日(ネットフリックスで配信)

シカゴ7裁判

 予告編→

 動画配信のページ(Netflix)→

 解説ページ→

豪華キャストと名脚本家による王道映画

民主主義をテーマにした裁判映画。 法廷が舞台となる。 1960年代末の反ベトナム戦争運動の時代に起きた事件及び裁判をベースにしている。 人種差別問題を含めて、 今日的なテーマと重なる。

監督は、米国を代表する脚本家として活躍してきたアーロン・ソーキン。 傑作映画「ソーシャル・ネットワーク」の脚本でオスカー(脚色賞)を獲得したことがある。 同じく名作の「マネーボール」での優れた台本も有名。 実話をネタにした脚本づくりの天才である。 監督としては「モリーズ・ゲーム」(2017年)でデビューを果たした。 今回は監督として2作目。もちろん脚本も自身で手掛けた。

出演は映画「ボラット」などのコメディアンとして有名なサーシャ・バロン・コーエンなど。 当初は米大手配給会社ユニバーサルが劇場公開する予定だったが、コロナ渦を受けて、ネットフリックスが買い取った。

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「マ・レイニーのブラックボトム」

【ノミネート部門】衣装賞、メイク&ヘア賞、主演男優賞、助演女優賞、美術賞(以上5件。黄色は受賞)

日本公開:2020年12月18日

マ・レイニーのブラックボトム

 予告編→

 ネトフリのページ→
事前の予想では、作品賞ノミネートが有力視されていたが、果たせなかった。 しかし、主演男優賞では、故チャドウィック・ボーズマンがノミネートされ、圧倒的な本命候補と見られている。 さらに、衣装賞とメイク&ヘア賞でも受賞が有力視されている。

1927年のシカゴを舞台に、「ブルースの母」と呼ばれた伝説的な黒人女性歌手マ・レイニーにまつわるエピソードを描く。 レイニーと、バックバンドとして参加したトランペット奏者が物語の軸となる。

主役のボーズマンは、「ブラックパンサー」で主役を演じた黒人のスーパースター俳優。 2020年8月、長期にわたる大腸がんとの闘病の末、他界した。43歳という若さだった。 本作が遺作となった。

主演女優賞にヴィオラ・デイビスがノミネート。

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「あの夜、マイアミで」

【ノミネート部門】助演男優賞、脚色賞、歌曲賞(以上3件)

日本公開:2021年1月15日アマゾン配信

あの夜、マイアミで

 動画配信(Amazon)→

 予告編→

 解説ページ→
オスカー女優レジーナ・キングの監督としてのデビュー作。

1960年代のある夜、当時のアメリカを代表する4人の超有名な黒人が、米マイアミのホテルの一室に集まる、という話。 この4人とは、モハメッド・アリ(ボクサー)、マルコム・エックス(活動家)、サム・クック(ソウル歌手)、ジム・ブラウン(アメフト選手)。 これらの登場キャラクターはいずれも実在の人物であるが、物語自体はフィクションである。

原作は、アメリカの芝居。2013年以降、ロサンゼルスやロンドンの舞台で公演され、好評を博した。 独立系映画会社アブコなどが製作し、米アマゾンが配給権を取得した。 日本では2021年1月15日に、アマゾン・プライムの動画配信で公開された。

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「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」

【ノミネート部門】撮影賞、美術賞、音響賞、作曲賞(以上4件)

日本公開:2021年2月10日(ネットフリックスで配信)

この茫漠(ぼうばく)たる荒野で

 予告編→

 ネトフリのページ→
監督は、ポール・グリーングラス氏。 主演は、トム・ハンクス。

米国の開拓時代の物語。 テキサスの老人男性は、 開拓途上にある西部に住む人たちに、 世界のニュースを届けている。 この男性が、誘拐された少女を救うという依頼を受ける。

グリーングラス監督は「キャプテン・フィリップス」「ボーン・アルティメイタム」「ボーン・スプレマシー」 などで有名である。米911同時テロでハイジャックされた旅客機を描いた映画「ユナイテッド93」で、オスカーの監督賞にノミネートされた。

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「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(あいか)」

【ノミネート部門】助演女優賞、メイク&ヘア賞(以上2件)

日本公開:2020年11月24日(ネットフリックスで配信)

ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(あいか)

 動画配信のページ(Netflix)→
ロン・ハワード監督。 ネットフリックス(Netflix)配信。

薬物汚染が深刻なアメリカ中西部。 ある労働者階級の家族の実像を描いた。 実話に基づいている。 タイトルの「ヒルビリー(Hillbilly)」とは、 アメリカの田舎の知的でない白人に対する蔑称である。

グレン・クロースが、主人公の祖母役を好演。 助演女優賞にノミネートされた。

母親役は、オスカー女優のエイミー・アダムス。 ハワード監督は、2002年のアカデミー賞において「ビューティフル・マインド」で作品賞、監督賞を獲得している。

原作は、投資家として成功したJDヴァンス氏の自叙伝。 ベストセラーになった。 2016年の大統領選でトランプ大統領が当選したが、 その勝利を支えたのは、 アメリカの白人労働者階級だった。 この本は、その選挙の一つの背景が描かれている、と評された。

この本を、オスカー映画「シェイプ・オブ・ウォーター」のスクリーン・ライターとして知られるヴァネッサ・テイラーが、 脚本にした。

メイク&ヘア賞にもノミネートされた。 これは、グレン・クロースを、モデルとなった女性そっくりに変身させたことが評価されたと見られる。

ロッテン・トマトがまとめた批評家の評価は「26%」という圧倒的な低さだった。 批評家たちは、もっと政治的な深層などを描いて欲しかったようだ。 しかし、一般の映画ファンの評価はおおむね良かった。 「ドラッグ汚染の実情がリアルに描かれている」との称賛の声が出た。

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「ザ・ファイブ・ブラッズ」

【ノミネート部門】作曲賞

日本公開:2020年6月(Netflix)

ザ・ファイブ・ブラッズ

 予告編→

 ネトフリのページ→
「ブラック・クランズマン」で脚本賞を共同受賞したスパイク・リーが監督を務める。 ネットフリックスの2021年のオスカー戦線の主力候補の一つ。 日本や米国を含む全世界において、映画館で上映されずに、直接ネット配信(Netflix)で公開された。

ベトナム戦争に従事した5人の黒人兵の物語。 5人は同じ部隊に所属し、 強い絆(きずな)で結ばれていた。 それから40年経った現代の米国に暮らす4人が、 ベトナムの戦場跡地を訪れる。

ベテラン黒人俳優デルロイ・リンドーが主演。 戦争で心に深い傷を負った不安定な男を演じる。 苦悩と狂気に満ちた迫真の演技が称賛されたが、オスカー主演男優賞にノミネートされなかった。

アメリカの黒人がベトナム戦場で過酷な目にあいながらも、 米国社会で十分な権利を得られなかったという問題提起が行われている。

ロッテン・トマトが集計した映画評論家の評価(トマト・メーター)は、 92%(2021年3月現在)。 これはスパイクリーの前作「ブラック・クランズマン」の95%より低い。 また、Netflixでほぼ同じ時期に公開された「ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」の96%よりも低い。

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■ 部門別の予想 ■

作品賞監督賞主演男優賞主演女優賞助演男優賞助演女優賞 ページの先頭へ↑

作品賞の予想

ノマドランド強し

(予想:◎最有力、○有力、△大穴)

候補者 予想 説明
ノマドランド

受賞
オスカー作品賞の主要な前哨戦でほぼ全勝した。 その圧倒的な強さは、「それでも夜は明ける」(2014年作品賞)や「ノーカントリー」(2008年作品賞)を想起させる。
前哨戦で最大の難関と見られていた「PGA」(全米プロデューサー組合賞)も、あっさり勝利した。 PGAは、オスカーと同じ投票方式(ランキング形式)を採用しており、幅広い支持がないと勝てない。 この点、ノマドランドは支持層の偏りが懸念されていたが、 杞憂(きゆう)だった。 「オスカー映画としては退屈すぎる!」という一部の娯楽主義派のバッシングも、盛り上がっていない。
唯一の懸念材料は、オスカーで最大の比率を占める俳優票の行方だ。 本作は、プロの俳優は2人しか起用せず、それ以外は一般人が出演した。 このため、プロの俳優によっては脅威になることから、 SAGアワード(全米俳優組合賞)で冷遇された。 それでも、独走状態に変わりはない。
「ミナリ」 前哨戦の成績は、ノマドランドに大きく水を開けられている。 しかし、ノマドランドに比べて万人受けしやすい。 もっとテンポの良い作品だったら、ノマドランドの本格的な脅威になっていたかも知れない。
「シカゴ7裁判」 豪華キャストで、オスカーらしい派手さがある。リベラルな政治色もプラス材料。 重要な前哨戦である「SAGアワード(全米俳優組合賞)」では、最高賞のキャスト賞を受賞した。 Netflixが豊富な資金力を生かして、積極的なオスカー・キャンペーンを展開している。

とはいえ、SAG以外では目立った勝利がない。期待にこたえきれない優等生で終わる可能性が高い。

監督賞の予想

クロエ・ジャオが独走か

(予想:◎最有力、○有力、△大穴)

候補者 予想 説明
クロエ・ジャオ
「ノマドランド」

 動画→


受賞
数々の前哨戦で連勝した。 監督賞レースでは、近年まれに見る強さ。 受賞すれば、アジア人女性として初めてとなる。
デビッド・フィンチャー
「Mank(マンク)」
もはや巨匠の域に入った超実力派監督。 驚くべきことに、オスカー監督賞を受賞したことがない。 「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」「ソーシャル・ネットワーク」ではノミネートどまりだった。 業界内では「そろそろオスカーを授与しないとおかしい」との声が多いが、 今回のMank(マンク)は、なにしろ大衆的な面白味に欠ける。
リー・アイザック・チョン
「ミナリ」
自らの半生を題材に、 多くの人が共感をおぼえるアメリカ的な物語を創り上げた。 前哨戦での受賞スピーチを含め、好感度は高い。 とはいえ、前年の勝者ポン・ジュノ監督(パラサイト)ほどの大旋風は起きなかった。

主演男優賞の予想

ボーズマンが渾身の遺作で最有力

(予想:◎最有力、○有力、△大穴)

候補者 予想 説明
チャドウィック・ボーズマン
「マ・レイニーのブラックボトム」

 
 動画→
末期がんと闘いながらの熱演。遺作となった。

演じた役柄は、人種差別によるトラウマや怒りを抱えながら、 音楽家としての成功を追及する野心家。 緊張感あふれる表情やセリフまわしが、心を打つ。
オスカーは初のノミネート。 「ブラックパンサー」を含め、43年の生涯で成し遂げた偉業を讃えたい。
アンソニー・ホプキンス
「ファーザー」


受賞
昨年(2020年)、「2人のローマ教皇」で助演枠でノミネートされており、 2年連続でオスカー候補に。 通算6度目のノミネート。 1992年に「羊たちの沈黙」で受賞している。 現在83歳。史上最高齢での主演男優賞ノミネートとなった。
今回は、アルツハイマーの高齢者を演じた。 近年のキャリアの中で最高級と称賛されている。 フロリダやボストンの批評家賞を受賞。 英国アカデミー賞も獲り、 勢いに乗る。
リズ・アーメッド
「サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~」
パキスタン系英国人。イスラム教徒として初めて主演男優賞にノミネートされた。 スター・ウォーズ映画「ローグ・ワン」出演で有名。
本作では、耳が聞こえなくなる音楽家を演じた。
スティーヴン・ユァン
「ミナリ」
アジア系米国人として初めて主演男優賞にノミネートされた。 韓国系の移民家族を引っ張る頑固者のお父さんを演じた。 役柄とのハマり度がすさまじい。

主演女優賞の予想

4強による大混戦!

(予想:◎最有力、○有力、△大穴)

候補者 予想 説明
キャリー・マリガン
「プロミシング・ヤング・ウーマン」

 オスカー公式動画(英語)→
心の傷を負い、その清算へと突き進む女性を演じた。 「サイコ的な執念」と「脆弱さ」が混在するスリリングな演技。

アカデミー賞ノミネートは、2009年の「17歳の肖像」以来2度目。
ヴィオラ・デイビス
「マ・レイニーのブラックボトム」
オスカーは4度目のノミネートとなった。これは黒人女性として初である。 2016年に「フェンス」で助演賞を受賞している。
本作では、主役の歌手マ・レイニーが乗り移ったかのような迫力満点の骨太の演技を見せた。 ハリウッドの役者が選ぶ「SAGアワード」で勝利。 主演のチャドウィック・ボーズマンとの「ダブル受賞」への期待ムードが高まっている。
受賞すれば、黒人女性として初の2度目のオスカー獲得となる。
フランシス・マクドーマンド
「ノマドランド」

 動画(本編映像)→


受賞
すでに2度オスカーを受賞している。 3度目となれば、メリル・ストリープやイングリッド・バーグマンに並ぶことになる。
ノマドランドでは、派手さのない役柄を、説得力あふれるリアル感で演じた。 表情やしぐさによる繊細な演技が絶賛された。
前哨戦のうち、評論家が選ぶ賞ではトップの勝率を残した。 作品の共同プロデューサーでもあるため、 オスカーでは支持票が作品賞のほうに回りやすいかも。
アンドラ・デイ
「ユナイテッド・ステイツ vs ビリー・ホリデー」

歌唱シーン→

ビリー・ホリデイ(本物)の歌唱→
本業は歌手。本作が女優としてのデビュー作となった。20世紀半ばに活躍した伝説的なジャズ歌手ビリー・ホリデイを熱演した。

ゴールデングローブ賞で主演女優賞(ドラマ部門)を獲得。 ダークホースとして浮上した。

モデルとなるビリー・ホリデイは1915年ボルチモア生まれ。 自叙伝によれば、10歳で白人に強姦(ごうかん)されるが、黒人という理由だけで更生施設に収容される。 小学校を5年で中退。15歳のとき、職探しのため飛び込んだクラブで偶然、歌唱力が認められた。 ベニー・グッドマンの楽団などで歌うようになった。 麻薬やアルコールの中毒に苦しんだ。

助演男優賞の予想

黒人運動指導者を演じたカルーヤが圧勝か

(予想:◎最有力、○有力、△大穴)

候補者 予想 説明
ダニエル・カルーヤ
「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」

 動画(スピーチのシーン)→


受賞
賞レースの中盤以降は負け知らず。 俳優4部門の中で最も安定した強さを見せている。 2018年に「ゲット・アウト」で主演男優賞にノミネートされており、今回で2度目。

カリスマ的な黒人運動の指導者フレッド・ハンプトンを演じた。 同じ映画で「主演」を演じたラキース・スタンフィールドも、なぜか「助演」男優賞にノミネートされた。 それだけ本作が「役者映画」として高く評価されているということだろう。
サシャ・バロン・コーエン
「シカゴ7裁判」
個性の強い反戦運動家をユーモアたっぷりに演じた。 実力派の俳優がそろった「シカゴ7裁判」の中でも、ひと際強い存在感だった。 本業のコメディアンとしても「続・ボラット」で大成功。 当たり年となった。
ポール・レイシー
「サウンド・オブ・メタル」

 動画(スピーチのシーン)→
耳が聞こえなくなった人たちをサポートする団体のリーダーを演じた。 芯が強く、優しさと厳しさを兼ね備えた男性像を表現。
もともと両親が聴覚障害者であり、実生活でも手話を使いこなす。 それだけに、説得力あふれる演技だった。

助演女優賞の予想

韓国女優ユン・ヨジョンが有力

(予想:◎最有力、○有力、△大穴)

候補者 予想 説明
ユン・ヨジョン
「ミナリ」

 動画(本編映像)→


受賞
韓国映画界の発展を長年にわたって引っ張ってきた大物女優。

本作では、破天荒なおばあちゃんを演じた。 韓国語にブロークン英語を交えたコミカルな芝居。笑いと感動を誘った。 顔の表情やしぐさも含めて、超ベテランならではの名演で作品を盛り上げた。

当初は混戦と見られていたが、SAGアワード(全米俳優組合賞)や英国アカデミー賞など次々と勝利。終盤で勢いに乗った。
グレン・クロース
「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌」

 動画(本編映像)→
大物女優ながら、一度もオスカーを受賞していない。 今回で8度目のノミネートとなった。 2年前にノミネートされたときは有力候補と見られていたが、オリビア・コールマンに敗れた。
本作「ヒルビリー・エレジー」は、政治的立場によって賛否両論が極端に分かれた。 作品が幅広く愛されていたら、彼女のチャンスももっと広がっていただろう。
オリビア・コールマン
「ファーザー」

 動画(本編映像)→
2年ぶり2度目のオスカー獲得を目指す。 今回は、アルツハイマーの父親(アンソニー・ホプキンス)の娘を演じた。

作品の評価ランキングと動画配信

アメリカの映画評論家のレビューを集計する「ロッテン・トマト」(Rotten Tomatoes)の評価(スコア)のランキングです。 2021年のアカデミー賞ノミネート作について、評価の高い順に並べています。 動画配信のページへのリンク付きです。(2021年4月24日現在)

作品 評点 ノミネート部門 動画配信
【参考】あるアスリートの告発

※米国の体操女子選手たちに対する性的虐待事件を描いたドキュメンタリー。
100%

参照
なし Netflix→
ミナリ
説明
98%

参照
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、脚本賞、作曲賞
ファーザー 99%

参照
作品賞、主演男優賞、助演女優賞、脚色賞、編集賞、美術賞
マ・レイニーのブラックボトム 98%

参照
主演男優賞、助演女優賞、衣装賞、メイク&ヘア賞、美術賞 Netflix→
あの夜、マイアミで 98%

参照
助演男優賞、脚色賞、歌曲賞 アマゾン配信→
サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~ 97%

参照
作品賞、主演男優賞、助演男優賞、脚本賞、編集賞、音響賞 アマゾン配信→
【参考】ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから

説明↓
97%

参照
なし Netflix→
ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償 96%

参照
作品賞、助演男優賞(2人)、脚本賞、撮影賞、歌曲賞
ソウルフル・ワールド 95%

参照
アニメ賞、作曲賞、音響賞
【参考】パーム・スプリングス 95%

参照
なし
ノマドランド 94%

参照
作品賞、監督賞、主演女優賞、脚色賞、撮影賞、編集賞
ザ・ファイブ・ブラッズ 92%

参照
作曲賞 Netflix→
アナザーラウンド 92%

参照
監督賞、外国語映画賞
プロミシング・ヤング・ウーマン 91%

参照
作品賞、監督賞、主演女優賞、脚本賞、編集賞
シカゴ7裁判 90%

参照
作品賞、助演男優賞、脚本賞、編集賞、撮影賞、歌曲賞 Netflix→
この茫漠(ぼうばく)たる荒野で 88%

参照
撮影賞、美術賞、音響賞、作曲賞 Netflix→
続・ボラット 85%

参照
主演女優賞、脚色賞 アマゾン配信→
Mank(マンク) 83%

参照
作品賞、監督賞、主演男優賞、助演女優賞、衣装デザイン賞、撮影賞、音響賞、作曲賞、美術賞(以上、最多10部門) Netflix→
私というパズル 76%

参照
主演女優賞 Netflix→
テネット(Tenet) 70%

参照
視覚効果賞、美術賞 アマゾン配信→
ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(あいか) 26%

参照
助演女優賞、メイク&ヘア賞 Netflix→

オスカー前哨戦の結果

2021年の賞レースの星取表

2021年のアカデミー賞の前哨戦の結果一覧です。 作品賞レースは「ノマドランド」が多数の賞を受賞し、優勢になっています。 監督賞もノマドランドのクロエ・ジャオが、圧倒的な強さを見せています。 監督賞については、ここ数年で例がないくらいの連勝ぶりです。 一方、俳優部門は混戦模様になっています。

作品賞 監督賞 主演 助演
【重要】
英国アカデミー賞

詳細→
ノマドランド ノマドランド 【男優】
アンソニー・ホプキンス

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
ダニエル・カルーヤ

【女優】
ユン・ヨジョン
【重要】
PGA(全米プロデューサー組合賞)
詳細→
ノマドランド
【重要】
放送映画批評家協会賞

詳細→
ノマドランド ノマドランド 【男優】
チャドウィック・ボーズマン

【女優】
キャリー・マリガン
【男優】
ダニエル・カルーヤ

【女優】
マリア・バカロワ
【重要】
シカゴ映画批評家協会賞

詳細→
ノマドランド ノマドランド 【男優】
チャドウィック・ボーズマン

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
ポール・レイシー

【女優】
マリア・バカロワ
【重要】
トロント映画祭

詳細→
ノマドランド
SAGアワード(俳優組合賞)

詳細→
シカゴ7裁判 【男優】
チャドウィック・ボーズマン

【女優】
ヴィオラ・デービス
【男優】
ダニエル・カルーヤ

【女優】
ユン・ヨジョン
ゴールデングローブ賞

詳細→
【ドラマ】
ノマドランド

【コメディ】
続・ボラット

【外国語】
ミナリ
ノマドランド 【男優】
チャドウィック・ボーズマン(ドラマ)

サシャ・バロン・コーエン(コメディ)

【女優】
アンドラ・デイ(ドラマ)

ロザムンド・パイク(コメディ)
【男優】
ダニエル・カルーヤ

【女優】
ジョディ・フォスター
ナショナル・ボード・オブ・レビュー(米国映画批評会議)
ザ・ファイブ・ブラッズ ザ・ファイブ・ブラッズ 【男優】
リズ・アーメッド

【女優】
キャリー・マリガン
【男優】
ポール・ラチ「サウンド・オブ・メタル」

【女優】
ユン・ヨジョン
全米映画批評家協会(National Society of Film Critics) ノマドランド ノマドランド 【男優】
デルロイ・リンドー「ザ・ファイブ・ブラッズ」

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
ポール・ラチ「サウンド・オブ・メタル」

【女優】
マリア・バカロワ
ベネチア映画祭

詳細→
ノマドランド スパイの妻(黒澤清) 【男優】
ピエルフランチェスコ・ファヴィーノ
「Padrenostoro」

【女優】
ヴァネッサ・カービー
ニューヨーク映画批評家協会賞 First Cow ノマドランド 【男優】
デルロイ・リンドー「ザ・ファイブ・ブラッズ」

【女優】
シドニー・フラニガン「17歳の瞳に映る世界」
【男優】
チャドウィック・ボーズマン「ザ・ファイブ・ブラッズ」

【女優】
マリア・バカローヴァ「続・ボラット
ロサンゼルス映画批評家協会賞 Small Axe

次点:ノマドランド
ノマドランド 【男優】
チャドウィック・ボーズマン

【女優】
キャリー・マリガン
【男優】
グリン・ターマン「マ・レイニーのブラックボトム」

【女優】
ユン・ヨジョン
フロリダ映画批評家協会 First Cow ノマドランド 【男優】
アンソニー・ホプキンス

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
ポール・レイシー

【女優】
マリア・バカロワ
ボストン映画批評家協会賞 ノマドランド ノマドランド 【男優】
アンソニー・ホプキンス

【女優】
シドニー・フラニガン
「17歳の瞳に映る世界」
【男優】
ポール・レイシー

【女優】
ユン・ヨジョン
ワシントンD.C.映画批評家協会賞 ノマドランド ノマドランド 【男優】
チャドウィック・ボーズマン

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
レスリー・オドム・Jr「あの夜、マイアミで」

【女優】
ユン・ヨジョン
シアトル映画批評家協会賞 ノマドランド ノマドランド 【男優】
リズ・アーメッド

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
ダニエル・カルーヤ

【女優】
ユン・ヨジョン
ノースカロライナ映画批評家協会賞
ミナリ ノマドランド 【男優】
デルロイ・リンドー

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
サシャ・バロン・コーエン「シカゴ7裁判」

【女優】
ユン・ヨジョン
インデペンデント・スピリット賞 ノマドランド ノマドランド 【男優】
リズ・アーメッド

【女優】
キャリー・マリガン
【男優】
ポール・レイシー

【女優】
ユン・ヨジョン
サンダンス映画祭
ミナリ 40歳の解釈:ラダの場合
ゴッサム賞(Gotham Independent Film Awards)
ノマドランド 【男優】
リズ・アーメッド

【女優】
ニコール・ベハーリー「Miss Juneteenth」
ロンドン映画批評家協会賞(London Film Critics' Circle) ノマドランド Small Axe(スティーブ・マックイーン) 【男優】
チャドウィック・ボーズマン

【女優】
フランシス・マクドーマンド
【男優】
ショーン・パークス「Mangrove(Small Axe)」

【女優】
マリア・バカロワ
クリス・スタックマン(全米最強の映画系ユーチューバー)年間ベスト
ファーザー

ノミネートから漏れた作品・人物

高い評価を得ていたものの、アカデミー賞のノミネートから漏れた作品・人物の一覧です。

作品賞

監督賞

  • アーロン・ソーキン
    「シカゴ7裁判」
     作品一覧→
  • レジーナ・キング
    「あの夜、マイアミで」
     作品一覧→
  • ポール・グリーングラス
    「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」
     作品一覧→
  • フローリアン・ゼレール
    「ファーザー」
  • スパイク・リー
    「ザ・ファイブ・ブラッズ」
     作品一覧→

主演男優賞

  • デルロイ・リンドー
    「ザ・ファイブ・ブラッズ」
     作品一覧→
  • トム・ハンクス
    「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」
     作品一覧→
  • タハール・ラヒム
    「モーリタニアン(The Mauritanian)」
     作品一覧→
  • キングズリー・ベン=アディル
    「あの夜、マイアミで」
     作品一覧→
  • サシャ・バロン・コーエン
    「続・ボラット 栄光ナル国家だったカザフスタンのためのアメリカ貢ぎ物計画」
     作品一覧→
    ※別の作品(シカゴ7裁判)で助演男優賞にノミネートされた。
  • ラキース・スタンフィールド
    「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」
    ※「主演」男優賞ではなく、「助演」男優賞にノミネートされた。 しかし、実際は主演である。 映画会社も「主演」として賞獲りキャンペーンを行っていたのだが・・・。

主演女優賞

  • エイミー・アダムス
    「ヒルビリー・エレジー 郷愁の哀歌(あいか)」
     作品一覧→
  • ケイト・ウィンスレット
    「アンモナイトの目覚め」
     作品一覧→
  • シドニー・フラニガン
    「17歳の瞳に映る世界」
  • ロザムンド・パイク
    「I Care a Lot」
     作品一覧→
  • ゼンデイヤ
    「マルコム&マリー」
     作品一覧→
  • ソフィア・ローレン
    「これからの人生」
     作品一覧→
  • ミシェル・ファイファー
    「French Exit」
     作品一覧→
  • ラダ・ブランク
    「40歳の解釈:ラダの場合」
     予告編→

助演男優賞

  • チャドウィック・ボーズマン
    「ザ・ファイブ・ブラッズ」
     作品一覧→
  • ジャレッド・レトー
    「The Little Things」
     作品一覧→
  • デビッド・ストラザーン
    「ノマドランド」
     作品一覧→
  • ビル・マーレイ
    「オン・ザ・ロック」
     作品一覧→
  • マーク・ライランス
    「シカゴ7裁判」
     作品一覧→
  • ヤーヤ・アブドゥル=マティーン2世
    「シカゴ7裁判」
     作品一覧→

助演女優賞

長編アニメ賞

脚本賞

  • 「ソウルフル・ワールド」
  • 「ザ・ファイブ・ブラッズ」
  • 「パーム・スプリングス」
    (公開:2021年4月9日)
     予告編→
  • 「Mank(マンク)」

脚色賞

国際映画賞

  • 「ラ・ヨローナ ~彷徨う女~」
    (グアテマラ、フランス)
    (公開:2020年7月10日)
     字幕版(Amazon)→
  • 「Two of Us」
    (フランス、米国)
    (公開:未定)
  • 「Dear Comrades!」
    (ロシア)
  • 「Night of the Kings」
    (コートジボワール)

ドキュメンタリー賞

  • 「ディック・ジョンソンの死」
     動画配信(Netflix)→
  • 「Welcome to Chechnya(チェチェン)」(米国のドキュメンタリー)
     予告編(英語)→
  • 「ボーイズ・ステイト」(アップル配信)
  • 「すべてをかけて:民主主義を守る戦い」
     動画配信(Amazon)→
  • 「ノットゥルノ/夜」
  • 「83歳のやさしいスパイ」
  • 「Gunda」
  • 「MLK/FBI」
  • 「The Painter and the Thief」
  • 「76 Days」
  • 「The Truffle Hunters」

視覚効果賞

衣装デザイン賞

  • 「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」
    (衣装デザイナー:マーク・ブリッジス)
    (公開:ネットフリックスで2021年2月配信)
     予告編→
     動画配信(Netflix)→
  • 「あの夜、マイアミで」
    (衣装デザイナー:フランシーン・ジェーミソン・タンチャック)
    (公開:2021年1月15日アマゾン配信)
     予告編→
     動画配信(Amazon)→
  • 「プロミシング・ヤング・ウーマン」
    (衣装デザイナー:ナンシー・スタイナー)
    (公開:2021年7月16日)
     予告編→
  • 「どん底作家の人生に幸あれ!」
    (衣装デザイナー:スージー・ハーマン、ロバート・ウォーリー)
    (公開:2021年1月22日)
     予告編→
  • 「ユナイテッド・ステイツ vs ビリー・ホリデー」
    (衣装デザイナー:パウロ・ニアドゥ)
     インタビュー動画(英語)→

撮影賞

  • 「テネット(TENET)」
  • 「ザ・ファイブ・ブラッズ」
  • 「ミナリ」
  • 「マ・レイニーのブラックボトム」
  • 「ミッドナイト・スカイ」
  • 「マルコム&マリー」
  • 「もう終わりにしよう。」

歌曲賞

  • ユナイテッド・ステーツ vs ビリー・ホリデー」
    「Tigress & Tweed」
     歌手:アンドラ・デイ
    動画→

作曲賞

  • 「ミッドナイト・スカイ」
    作曲家:アレクサンドル・デスプラ
  • 「テネット(Tenet)」
    作曲家:ルドウィグ・ゴランソン

編集賞

  • 「Mank(マンク)」
  • 「この茫漠(ぼうばく)たる荒野で」
  • 「テネット(Tenet)」

美術賞

  • 「EMMA エマ」
  • 「ミッドナイト・スカイ」
  • 「ムーラン」

音響賞

  • 「テネット(TENET)」
  • 「マ・レイニーのブラックボトム」
  • 「ミッドナイト・スカイ」
  • 「シカゴ7裁判」

メイク&ヘア賞

  • 「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」
  • 「The Glorias」
  • 「Jingle Jangle: A Christmas Journey」
  • 「The Little Things」
  • 「あの夜、マイアミで」

短編ドキュメンタリー賞

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  • 「Call Center Blues」
  • 「Hysterical Girl」
  • 「The Speed Cubers」
  • 「What Would Sophia Loren Do?」

2021年オスカーの選考・発表・放送の日程

コロナで授賞式が2か月延期。4月下旬開催に

2021年のアカデミー賞は、コロナウイルス被害の影響で、授賞式が2か月延期されました。 4月開催となりました。 また、コロナで映画館が全米で一斉閉鎖されていた期間については、 劇場公開されずに動画配信のみとなった作品(例えば「ザ・ファイブ・ブラッズ」「ソウルフル・ワールド」)も、選考対象に含まれることになりました。

日時 スケジュール
仮投票の開始 2021年2月1日
仮投票の終了 2021年2月5日
候補作の候補(ショートリスト)発表 2021年2月9日(火)
ノミネート投票開始 2021年3月5日(金)
ノミネート投票終了 2021年3月10日(水)
ノミネート発表 2021年3月15日(月)午後10時19分
最終投票開始 2021年4月15日(木)
最終投票終了 2021年4月20日(火)
授賞式(結果発表) 2021年4月25日(日)
~日本時間:2021年4月26日(月)の昼間

アワードウォッチ編集部が選んだ2020年公開のベスト映画

作品名 解説
ハーフ・オブ・イット:面白いのはこれから」

日本公開:2020年5月(Netflix)

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高校生の恋愛コメディ。 青春もの。 レズビアンの恋心が物語の軸になる。 繊細で知的な会話劇である。ユーモアにも満ちあふれている。

コロナウイルス感染で自宅生活を送っていた全米の人たちから絶大な支持を獲得した。 ロッテン・トマトの評価は、 97%となっている(2021年3月10日現在)。

キリスト教の信仰心の強いアメリカの田舎町において、 レズビアンであることは、強いインパクトを持つ。 本作は静かで繊細なタッチによって、主人公らの葛藤や成長ぶりを描いた。 2020年の米国トライベッカ映画祭で「創設者賞(劇映画部門)」(Founders Award for Best Narrative Feature)を受賞した。

監督は台湾系アメリカ人のアリス・ウー。 この物語は、ウー監督の若いころの体験に基づいている。 彼女自身も、本作の主人公のように、16歳で超名門大学(MIT)に入学したような天才だった。 レズビアンであることを公言している。

2004年に「素顔の私を見つめて…」で長編デビュー。 高い評価を得て、ゴッサム賞のブレイクスルー賞も受賞した。 しかし、アリス・ウーはそれ以来、映画を完成させることはなかった。 16年ぶりの新作となった。

物語の舞台は、田舎の高校。 主人公は、中国系アメリカ人の女子高生エリー・チュー。 並外れた学力を持つ才女である。 家が貧しいこともあり、 クラスメートたちの論文の代筆を行い、 お金を稼いでいる。

父親は鉄道駅員。 優れたエンジニアだったが、 妻(エリーの母親)を事故で失って以来、 気力を失い、 家で映画を見て暮らしている。

ある日、アメフト部員の男子から、 ラブレターの代筆を依頼される。 ラブレターの送り先は、美女アスター。 しかし、このアスターに対しては、エリーも密かな恋心を抱いていた。

アスターも、知的好奇心が強く、聡明な女性だった。 エリーが代筆するラブレターに対して、 好意的な反応を示していく。