アイリッシュマンは2020年のアカデミー賞で、 作品賞や監督賞など10個のノミネートを獲得しました。 受賞はゼロでした。 巨匠マーティン・スコセッシが監督。 アメリカの労働組合を牛耳っていたジミー・ホッファの暗殺がテーマの一つになっています。 ホッファはマフィアと深いかかわりがあり、年金資金の不正運用でケネディ兄弟によって起訴され、最後は謎(なぞ)の死を遂げた人物です。 ネット配信会社のネットフリックス(Netflix)のオリジナル映画。 日本では一部の映画館で上映された後、2019年11月27日にNetflixでの配信がスタートしました。
受賞 | なし |
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ノミネート | 作品賞 |
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監督賞 マーティン・スコセッシ |
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助演男優賞 アル・パチーノ ジョー・ペシ |
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脚色賞 | |
衣装デザイン賞 | |
撮影賞 | |
編集賞 | |
美術賞 | |
視覚効果賞 |
製作費は、180億円ともいわれる巨額の予算が投じられた。 スコセッシの映画の中で、過去最大の規模。 企画段階から予算が膨らみ、 大手映画会社パラマウントが逃げ出した。 そこにネットフリックが救世主として登場し、出資を引き受けた。 さらに、スコセッシ監督に製作の自由度を与えた。 その結果、長さ3時間半という大作となった。
アイリッシュマンは、映画評論家の評価を集計するロッテン・トマトのスコアは96%の高さとなった。(2019年12月2日現在) 当初、オスカー作品賞レースの大本命と見る評論家が多く、スコセッシ監督にとって「ディパーテッド」以来の13年ぶりの作品賞獲得なるかが注目された。 しかし、賞レースの中盤で勢いを失った。 作品賞、監督賞、助演男優賞など10個のノミネートを得たものの、受賞はゼロだった。
主演はロバート・デ・ニーロとアル・パチーノ。 スコセッシとデニーロのコンビは、 「タクシードライバー」「レイジング・ブル」「グッドフェローズ」「カジノ」という歴史的な名作を生んだが、 今回はそられに匹敵する出来栄えと評価されている。 また、デニーロとアル・パチーノの組み合わせは「ゴッドファーザー」の名優コンビの復活。 ほぼ引退に近い生活をしていたジョー・ペシも復帰し、助演を務める。
本作は実話をベースにしている。
主人公は、アメリカの裏社会に実在した犯罪者フランク・シーラン(デニーロ)。
シーランはアイルランド系アメリカ人。
物語は1950年代から始まる。
戦争から帰還したシーランは、トラック運転手をしていたが、
マフィアの大物(ジョー・ペシ)の手下になる。
年老いたシーランが人生を回想するという形で物語が進む。
この中で、重要な存在となるのが、トラック運転手の労働組合の指導者で、マフィアと結託していたジミー・ホッファ(パチーノ)。
ホッファとの深い関係や失踪事件についても想起する。
2019年11月27日
アイリッシュマンのノミネート一覧です。 9部門で10個のノミネートを獲得しました。助演男優賞では、アル・パチーノとジョー・ペシの2人がそろって候補になりました。 カッコ内は、米予想サイト「ゴールドダービー」の予想順位です(2020年2月20日現在)。
ノミネート | 作品賞(5位) |
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監督賞 マーティン・スコセッシ(4位) |
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助演男優賞 アル・パチーノ(2位) ジョー・ペシ(3位) |
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脚色賞(3位) | |
衣装デザイン賞(4位) | |
撮影賞(3位) | |
編集賞(3位) | |
美術賞(4位) | |
視覚効果賞(4位) |