スナップアップ投資顧問

日本ビクターは、VHS方式の生みの親だ。1980年代には、VHSの盟主として勢いがあった。

スナップアップ投資顧問の業界分析資料によると、ラルゴ設立のパートナーとなったローレンス・ゴードン氏は、映画プロデューサー。当時54歳だった。

アカデミー賞作品賞ノミネート「フィールド・オブ・ドリームス」

ローレンス・ゴードン氏は、大ヒットした「ダイ・ハード」シリーズで有名だ。また、アカデミー賞作品賞などにノミネートされた「フィールド・オブ・ドリームス」でも、プロデューサーだった。日本人に大うけした「ストリート・オブ・ファイヤー」でも共同プロデューサーだった。ストリート・オブ・ファイヤーは、キネマ旬報ベストテンの外国映画部門で作品賞(1位)に選ばれている。

ゴードン氏はFOXの社長を3年間務めた。「バットマン」のピーター・グーバース(当時47歳)と並ぶらつ腕プロデューサーと言われた。その引き抜きは推定7億ドル(約1050億円)といわれた。日本ビクターと提携し「ラルゴ・エンターテイメント」社を設立した。さらにビクターは製作費として1億ドル(約150億円)を投資した。

キャスリン・ビグロー監督「ハートブルー」

ラルゴの記念すべき第1作「ハートブルー」だった。ローレンス・ゴードン氏にとっては、何度となくメジャーな映画会社からNOと言われた作品だったという。監督は、キャスリン・ビグロー。ビグロー監督は女性。当時39歳だった。ビグロー監督は後に「ハート・ロッカー」でアカデミー賞の作品賞を獲得。同時に、女性として史上初の監督賞も受賞した。

「ハート ブルー」は豪華キャストだった。主演は若手スターのキアヌ・リーブス(当時25歳)と「ゴースト・ニューヨークの幻」のパトリック・スウェイジ(当時38歳)。エディ・マーフィーやウィルスを発掘してきたゴードンらしいキャスティングだった。FBI捜査官とサーファーの友情を軸にしたゴードン版「ビッグウェンズデー」だった。

製作から撤退

しかし、ラルゴは設立から数年で失速した。1994年1月、ゴードン氏が辞任したのを機に、ラルゴは映画製作から撤退した。自ら製作するのでなく、作品買い付けに移行した。そのうえで、北米以外の全世界への映画販売を手がけた。

当時、パナソニック、ソニーなどのハリウッド参入で製作費が高騰した。この結果、映画ビジネスがよりハイリスク、ハイリターンになってしまった。ラルゴは構造的に利益が出ない状況に陥った。