「スポットライト 世紀のスクープ」は、2016年(第88回)のアカデミー賞で6部門にノミネートされ、作品賞と脚本賞を受賞しました。 最有力候補とされた「レヴェナント: 蘇えりし者」をおさえて、予想外の作品賞受賞でした。 オスカー受賞後、改めて作品の良さが見直されました。 年月を経過した後も輝きを失わない名作の一つと評価されています。
本作は、実話映画です。米国ボストンのキリスト教カトリック司祭たちが、長年にわたって子供たちに性的虐待を行っていたことが発覚。 しかも、教会はその事実を組織ぐるみで隠していた。 事件をスクープした新聞(ボストン・グローブ)の記者たち姿を描きました。
取材の過程で、新聞社とその社員たちは、ボストンで絶大な権威を持つカトリック組織から圧力を受けます。 カトリック信者の読者を大量に失うリスクもありました。 しかし、新聞記者の使命を忘れることなく、愚直に取材と報道を続けました。 そのプロセスがスリリングに映像化されています。
受賞 | 作品賞 |
---|---|
脚色賞 トム・マッカーシー、ジョシュ・シンガー |
ノミネート | 監督賞 トム・マッカーシー |
---|---|
助演男優賞 マーク・ラファロ |
|
助演女優賞 レイチェル・マクアダムス |
|
編集賞 トム・マカードル |
モデルは、米国の新聞「ボストン・グローブ」の調査報道編集部「スポットライト」。
キリスト教会の性犯罪の実態を暴く特ダネで、2003年のピュリツァー賞を受賞した。(歴代のピュリツァー賞→)
映画の監督や脚本家は、モデルとなった記者たちや関係者に詳細に取材した。映画のセリフも実際の言葉をもとに作られた。たとえば、特ダネを記事にするかどうか、ぎりぎりの局面で、記者が「これを記事にしたら、誰が責任をとるんだ」と取材先に問われるシーンがあった。それに対して、記者は「では、記事にしない場合の責任は?」と答えた。これも、実際にあったやり取りだという。
米メーン州で生まれ、ボストンへ移り住む。ボストン大在学中から地方紙で働く。ワシントン・ポストを経て、ボストン・グローブへ。20年以上勤務。映画ではマーク・ラファロが演じ、オスカー助演男優賞にノミネートされた。
1971年、オハイオ州生まれ。ボストン大卒業後、週刊新聞社を経て1995年にボストン・グローブへ。2008年に地元ラジオ局に移り、キャスターなどを務めた。2014年、ボストン・グローブに復帰した。映画ではレイチェル・マクアダムスが演じ、オスカー助演女優賞にノミネートされた。
2015年/アメリカ/129分/原題「Spotlight」
「スポットライト 世紀のスクープ」は、Amazonビデオなどでストリーミング配信されています。
字幕版はこちら→
吹替版はこちら→
Netflix(ネットフリックス)の視聴ページはこちら→です。