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パラサイトのアカデミー賞

受賞

受賞 作品賞
監督賞
ポン・ジュノ
国際映画賞
脚本賞

ノミネート

ノミネート 編集賞
美術賞

オスカー前哨戦の戦績

全米各地の批評家賞で連勝

「パラサイト 半地下の家族」は2019年春に、カンヌ国際映画祭で作品賞(パルムドール)を受賞。 世界の映画ファンから注目を集めました。 アメリカで10月に公開されると、 評論家がこぞって大絶賛。 年末に全米各地の都市ごとに行われる批評家賞において、 次々と作品賞や監督賞を獲得しました。 放送映画批評家協会賞(クリティックス・チョイス・アワード)では、監督賞に輝きました(「1917 命をかけた伝令」のサム・メンデス監督との同点受賞)。

非英語作品として史上8位の興行収入

高評価が口コミで広がり、米国内の観客動員も順調に伸びました。 英語以外の映画としては、 興行収入が歴代ベスト8位となりました。(歴代ランキング↓

ハリウッドの俳優や脚本家たちも支持

熱狂的な支持は、評論家や映画ファンだけでなく、アカデミー賞の投票権を握るハリウッドの映画業界人にも広がりました。 1月に入り、オスカーの重要な前哨戦であるSAGアワード(全米俳優組合賞)で、最高賞の「アンサンブル・キャスト賞」を獲得します。 アメリカの有名なスター俳優が一人も出演していないにもかかわらず、 全米の役者が選ぶ賞の頂点に立ったのです。 さらに、アメリカの脚本家たちが選ぶWGAアワード(米脚本賞組合)でも、脚本賞を受賞しました。

ソン・ガンホやチョ・ヨジョンが俳優部門で受賞

パラサイトは、個々の俳優の演技も称賛されました。 中でも、お父さん役を演じたソン・ガンホは高い評価を受け、ロサンゼルス映画批評家協会などで助演男優賞に選ばれました。 お金持ちの家の妻役を演じたチョ・ヨジョンも、ニュー・メキシコ映画批評家協会の助演女優賞に輝きました。 ただ、アカデミー賞では俳優部門のノミネートから漏れました。

以下は、パラサイトの主な受賞歴です。 なお、外国語映画を対象した賞は数が多すぎるため割愛しています。

<主な受賞歴>
受賞した部門
ロサンゼルス映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
助演男優賞(ソン・ガンホ)
シカゴ映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
脚本賞
シアトル映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
脚本賞
アンサンブル・キャスト賞
ワシントン映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
デトロイト映画批評家協会賞 作品賞
ハリウッド映画賞 監督賞
フェニックス映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
助演男優賞(ソン・ガンホ)
アトランタ映画批評家協会賞 作品賞(「トップ10映画」で1位)
監督賞
脚本賞
ボストン映画批評家協会賞 監督賞
ユタ州映画批評家協会賞 作品賞
脚本賞
ニュー・メキシコ映画批評家協会賞 助演女優賞(チョ・ヨジョン)
バンクーバー映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
ニューヨーク・オンライン映画批評家協会賞 作品賞
監督賞
脚本賞
インディワイヤー評論家投票(IndieWire Critics Poll) 作品賞
監督賞
脚本賞
SAGアワード(全米俳優組合賞) アンサンブル・キャスト賞
WGAアワード(米脚本賞組合) 脚本賞
放送映画批評家協会賞(クリティックス・チョイス・アワード) 監督賞
カンヌ国際映画祭 作品賞(パルムドール)

ポン・ジュノ監督とは

1969年9月生まれ。 すなわち、2020年のアカデミー賞の授賞式の時点では、 50歳となる。 韓国で3番目に大きい都市であるテグ(大邱)の出身。 大学卒業後、韓国映画アカデミーで映画制作を学んだ。 在学中に制作した短編がバンクーバー国際映画祭に招待された。

2000年、「ほえる犬は噛まない」で長編デビュー。 2作目の「殺人の追憶」が韓国で大ヒットした。

さらに、「グエムル~漢江(はんがん)の怪物~」(2006年)で、韓国の劇場動員数の記録を塗り替えた。 アジアフィルムアワードの作品賞を受賞した。

続いて、「母なる証明」(2009年)で再びアジアフィルムアワードの作品賞を獲得する。 さらに、アメリカでも高い評価を受け、ボストンやサンフランシスコなどの映画批評家協会の「外国映画賞」を受賞した。

韓国とアメリカの合作映画として、ハリウッドで「スノーピアサー」(2013年)を撮影する。 米国の多くの映画評論家が年間のトップ10ランキングに入れた。

アクション冒険映画「オクジャ」(2017年)がネットフリックス(Netflix)で配信された。 カンヌ国際映画祭にコンペティション部門に出品された。

<ポン・ジュノ監督の映画と動画配信の一覧>

題名 動画配信
2019 パラサイト 半地下の家族
2017 オクジャ Netflix→
2013 スノーピアサー Amazon→
2009 母なる証明 Amazon→
2006 グエムル~漢江(はんがん)の怪物~ Amazon→
2003 殺人の追憶 Amazon→
2000 ほえる犬は噛まない Amazon→

舞台となる「半地下」の住宅とは

主人公の家族は、「半地下の住宅」に住んでいる。 家の上半分だけが地上で、下半分は地下にもぐっている家である。 あまり日本では馴染みがなく、韓国の独特な住居形態だという。 現在も、ソウルの路地裏などで見かけることできるという。

韓国で36万世帯が住む

日当たりや風通しが悪く、住環境が良くないため、家賃が安い。主に貧困層が住んでいる。 統計によると、韓国では36万世帯が半地下に住んでいる。全世帯の2%に相当する。

半地下の特徴

  • ・道路より低いため、洪水が起きると、水が大量に流れ込んでくる。(地球温暖化に伴い、韓国でも洪水が増えている)

  • ・トイレが天井近くの高い位置にある。下水管より高い場所にするため。他の部屋より上にあるため「王様トイレ」と呼ばれる。

  • ・北朝鮮からの核攻撃に備えるため、政府がビルの下に防空壕をつくらせたのが起源だという。ソウルの家賃高騰に伴い、住居に改造されるようになった。

  • ・湿気が高く、かび臭くなりやすいという。

ポン・ジュノ監督の受賞スピーチ

監督賞の受賞スピーチで、ポン・ジュノ監督は一緒にノミネートされていたマーティン・スコセッシ監督やタランティーノ監督に謝辞を述べました。会場が大いに盛り上がりました。

<日本語訳(一部抜粋)>

スコセッシ監督への謝辞

「映画の勉強に励んでいた若いころ、いつも心に深く刻まれていた言葉がありました。

『最も個人的なことが、一番の創造をもたらしてくれる(The most personal is the most creative)』

実はこの言葉は、偉大なるマーティン・スコセッシ監督の言葉です。

学生のとき、スコセッシ監督の映画を研究していました。そんな監督と一緒にノミネートされただけでも光栄なのに、授賞までいただくとは・・・」

タランティーノ監督への謝辞

「私がアメリカで無名だったころ、クエンティン(タランティーノ監督)がいつも『おすすめ映画』に私の作品を載せてくれました。 ほんとうにありがとう。クエンティン、愛してるよ!」

一緒にノミネートされた監督全員へ

「主催者が許してくれるなら、このトロフィー(オスカー像)をテキサス・チェーンソーで5つに割って、5人で分けたいです(笑)」

過去にオスカー作品賞にノミネートされた外国語映画

パラサイトは韓国語の映画です。 英語以外の言語の作品が、アカデミー賞の作品賞にノミネートされたのは、12件目。 過去に「ROMA/ローマ」「グリーン・デスティニー」「ライフ・イズ・ビューティフル」などがノミネートされています。 日本語の「硫黄島からの手紙」(クリント・イーストウッド監督)もノミネートされました。

開催年 映画タイトル 言語
2020 パラサイト 半地下の家族 韓国語
2019 ROMA/ローマ スペイン語
2013 愛、アムール フランス語
2007 硫黄島からの手紙 日本語、一部英語
2007 バベル 英語、アラビア語、スペイン語、日本語など
2001 グリーン・デスティニー 中国語
1999 ライフ・イズ・ビューティフル イタリア語
1996 イル・ポスティーノ イタリア語
1974 叫びとささやき スウェーデン語
1973 移民者たち スウェーデン語
1970 フランス語
1939 大いなる幻影 フランス語

英語以外の映画の興行収入ランキング(北米、歴代)

英語以外の映画(字幕映画)の歴代の興行収入ランキングです。 北米市場(アメリカ、カナダ)の売上になります。(2020年2月9日時点)

順位 題名 興行収入
「パッション」
(ラテン語、ヘブライ語)
3.7億ドル
グリーン・デスティニー
(中国語)
1.2億ドル
ライフ・イズ・ビューティフル
(イタリア語)
5700万ドル
HERO
(中国語)
5300万ドル
アポカリプト
(マヤ語)
5000万ドル
Instructions Not Included
(スペイン語)
4400万ドル
パンズ・ラビリンス
(スペイン語)
3700万ドル
パラサイト 半地下の家族
(韓国語)
3400万ドル
アメリ
(フランス語)
3300万ドル

動画

授賞の発表の動画

映画の予告編

メイキング映像

日本での劇場公開日

2020年1月10日

参考:2020年のアカデミー賞の投票の有権者(人数と内訳)

2020年のアカデミー賞で投票ができる有権者の人数と内訳です。

有権者の総数 8,469人

※前年の7,902人より567人増えた。
※アカデミー会員は9,537人だが、このうち投票権を持たない会員がいる。

男女比

性別 比率
男性 68%
女性 32%

※2015年時点で25%だったが、その後、増加した。

人種比

人種 比率
白人 84%
その他 16%

※年々増加する傾向がある。

事前予想

作品賞、監督賞で2番手の有力候補。脚本賞、国際賞で最有力と予想

オスカーの予想を集計するサイト「ゴールドダービー」によると、 パラサイトは作品賞の有力順位が「2位」となっています(2020年2月5日現在)。 最有力の「1917 命をかけた伝令」を追い上げつつあります。 また、ポン・ジュノ監督は、監督賞の最有力候補の一人と見られており、 ゴールドダービーの集計では監督賞候補の2位に挙げられています。 さらに、国際映画賞(外国語映画賞)では受賞がほぼ確実と見られています。

<ノミネートされた部門と米専門家の予想順位>
ノミネート 作品賞(2位)
監督賞
ポン・ジュノ(2位)
国際映画賞(1位)
脚本賞(1位)
編集賞(2位)
美術賞(3位)

※カッコ内は、米予想サイト「ゴールドダービー」の予想順位です(2020年2月10日現在)。