【1980年代】受賞&ノミネート一覧

1989年(第61回)

  • ■ 作品賞:
    「レインマン」
  • ■ 最多受賞:
    「レインマン」(4部門)
    「ロジャー・ラビット」(4部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「レインマン」(8個)

下馬評通り、「レインマン」が作品賞を受賞しました。監督賞(バリー・レビンソン)、主演男優賞(ダスティン・ホフマン)、脚本賞(バリー・モロー)も獲り、主要4部門を制する圧勝。ライバルの「ミシシッピー・バーニング」を突き放しました。主演女優賞には、レイプ裁判を取り上げた「告発の行方」のジョディ・フォスターが選ばれました。

1989年 | 1988年↓

1989年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「レインマン」

レインマン

【配信:アマゾン

監督:バリー・レヴィンソン

心温まる物語。ロードムービー。自閉症で40年以上も入院していた兄と、ずっと疎遠だった弟が主人公。弟は金儲けしか頭にない人物。自閉症という硬派のテーマに正面から取り組んだ。

兄弟は遺産相続の手続きをするため、米中西部シンシナティから西海岸ロサンゼルスへと長い旅をする。

兄レイモンドに扮したダスティン・ホフマンが主演男優賞に輝いた。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 動画配信(Amazon吹替版)→

 動画配信(U-NEXT)→

 説明ページ→
監督賞 バリー・レビンソン
(レインマン)
  • マーティン・スコセッシ(最後の誘惑)
  • マイク・ニコルズ(ワーキング・ガール)
  • チャールズ・クライトン(ワンダとダイヤと優しい奴ら)
  • アラン・パーカー(ミシシッピー・バーニング)
主演男優賞 ダスティン・ホフマン
(レインマン)

※1979年の「クレイマー・クレイマー」に次ぐ2度目の受賞。主演男優賞の2回受賞は、マーロン・ブランド、ゲーリー・クーパー、フレドリック・マーチ、スペンサー・トレーシーに次ぐ5人目だった。

自閉症という世間に誤解されがちな病気の男を、繊細にリアルに演じた。
  • ジーン・ハックマン(ミシシッピー・バーニング)
  • トム・ハンクス(ビッグ)
    ※一夜明けると突然少年から30歳に変身している役を演じた。この年は、コミック芸人を演じてより挑戦的な演技を見せた「パンチライン」でも称賛を浴びた。
  • エドワード・ジェームズ・オルモス(落ちこぼれの天使たち)
  • マックス・フォン・シドー(ペレ9)
主演女優賞 ジョディ・フォスター
(告発の行方)
  • メリル・ストリープ(クライ・イン・ザ・ダーク)
  • シガニー・ウィスパー(愛は霧のかなたに)
  • メラニー・グリフィス(ワーキング・ガール)
  • グレン・クローズ(危険な関係)
助演男優賞 ケヴィン・クライン
(ワンダとダイヤと優しい奴ら)
  • アレック・ギネス(Little Dorrit ... aka Nobody's Fault)
    ※「スター・ウォーズ」のオビ・ワン・ケノービ役で有名。「戦場にかける橋(1957年)」で主演男優賞を獲ったベテラン。
  • マーティン・ランドー(タッカー)
  • リヴァー・フェニックス(旅立ちの時)
  • ディーン・ストックウェル(愛されちゃって、マフィア
助演女優賞 ジーナ・デェビス
(偶然の旅行者)
  • シガニー・ウィーパー(ワーキング・ガール)
  • ジョーン・キューザック(ワーキング・ガール)
  • ミッシェル・ファイファー(危険な関係)
  • フランシス・マクドーマン(ミシシッピー・バーニング)
脚本賞 レインマン
(ロナルド・バス)
  • さよならゲーム(ロン・シェルトン)
  • 旅立ちの時(ナオミ・フォナー)
  • ビッグ(ゲイリー・ロス、アン・スピルバーグ)
  • ワンダとダイヤと優しい奴ら(チャールズ・クライトン、ジョン・クリーズ)
脚色賞 危険な関係
(クリストファー・ハンプトン)
  • 愛は霧のかなたに(アンナ・ハミルトン=フェラン、タブ・マーフィー)
  • 偶然の旅行者(ローレンス・カスダン、フランク・ガラチ)
  • 存在の耐えられない軽さ(フィリップ・カウフマン、ジャン=クロード・カリエール)
  • Little Dorrit(クリスティーン・エドザード)
外国語映画賞 ペレ
(デンマーク)
  • 仮面の中のアリア(ベルギー)
  • サラーム・ボンベイ!(インド)
  • 神経衰弱ぎりぎりの女たち(スペイン)
  • ハヌッセン(ハンガリー)

1988年(第60回)

  • ■ 作品賞:
    「ラストエンペラー」
  • ■ 最多受賞:
    「ラストエンペラー」(9部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「ラストエンペラー」(9個)

ベルナルド・ベルトルッチ監督の英、伊、中国合作映画「ラストエンペラー」が作品、監督、撮影、作曲などノミネートされた9部門全てで受賞しました。このうち作曲賞では、テーマ曲を制作した坂本龍一氏が受賞者となりました。
主演男優賞は、「ウォール街」で市場荒らしの黒幕を演じたマイケル・ダグラスが獲得。主演女優賞は、ニューヨークのイタリア系移民の未亡人を演じた歌手シェールに贈られた。

1989年↑ | 1988年 | 1987年↓

1988年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「ラスト・エンペラー」

ラスト・エンペラー

【配信:アマゾン

監督:ベルナルド・ベルトルッチ

英、伊、中国合作映画。作品賞のほか、監督、撮影、作曲など計9冠に輝いた。ノミネートされた9部門で全勝。このうち作曲賞では、テーマ曲を制作した坂本龍一氏が受賞者となった。

わずか3歳にして清朝最後の皇帝に任命された薄儀は、王朝崩壊以降も、大陸に侵略した日本軍によって満州国の傀儡皇帝として利用され、戦後は収容所生活を送る。 ベルトルッチ監督は、紫禁城に幽閉された男の物語というユニークな視点から彼の生涯を捉え、従来の大作とは一線を画した。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 動画配信(U-NEXT)→

 説明ページ→
監督賞 ベルナルド・ベルトルッチ
(ラストエンペラー)
  • エイドリアン・ライン(危険な情事)
  • ノーマン・ジュイソン(月の輝く夜に)
  • ラッセ・ハルストレム(マイ・ライフ・アズ・ドッグ)
  • ジョン・ブアマン(戦場の小さな天使たち)
主演男優賞 マイケル・ダグラス
(ウォール街)

※企業の乗っ取り屋として暗躍する有力投資家を演じた。
  • ロビン・ウィリアム(グッドモーニング、ベトナム)
  • マルチェロ・マストロヤンニ(黒い瞳)
  • ジャック・ニコルソン(黄昏に燃えて)
  • ウィリアム・ハート(ブロードキャスト・ニュース)
  • モーガン・フリーマン(NYストリート・スマート)
主演女優賞 シェール
(月の輝く夜に)

※著名歌手。ニューヨークのイタリア系移民の未亡人を演じた。
  • サリー・カークランド(アンナ)
  • グレン・クローズ(危険な情事)
  • メリル・ストリープ(黄昏に燃えて)
  • ホリー・ハンター(ブロードキャスト・ニュース)
助演男優賞 ショーン・コネリー
(アンタッチャブル)
  • アルバート・ブルックス(ブロードキャスト・ニュース)
  • モーガン・フリーマン(NYストリート・スマート)
  • ヴィセント・ガーディニア(月のkが焼く夜に)
  • デンゼル・ワシントン(遠い夜明け)
助演女優賞 オリンピア・デュカキス
(月の輝く夜に)
  • アン・ラムジー(鬼ママを殺せ)
  • ノルマ・アレアンドロ(ギャピー、愛は全てを超えて)
  • アン・サザーン(八月の鯨)
  • アン・アーチャー(危険な情事)
脚本賞 月の輝く夜に
(ジョン・パトリック・シャンレー)
  • さよなら子供たち(ルイ・マル)
  • 戦場の小さな天使たち(ジョン・ブアマン)
  • ブロードキャスト・ニュース(ジェームズ・L・ブルックス)
  • ラジオ・デイズ(ウディ・アレン)
脚色賞 ラストエンペラー
(ベルナルド・ベルトルッチ、マーク・ペプロー)
  • 危険な情事(ジェームズ・ディアデン)
  • ザ・デッド/「ダブリン市民」より(トニー・ヒューストン)
  • フルメタル・ジャケット(スタンリー・キューブリック、マイケル・ハー、グスタフ・ハスフォード)
  • マイライフ・アズ・ア・ドッグ(ラッセ・ハルストレム、レイダル・イェンソン、ブラッセ・ブレンストレム、ペール・ベルイルント)
外国語映画賞 バベットの晩餐会
(デンマーク)
  • さよなら子供たち(フランス)
  • ホワイトウイザード(ノルウェー)
  • ラ・ファミリア(イタリア)
  • Asignatura aprobada(スペイン)

1987年(第59回)

  • ■ 作品賞:
    「プラトーン」
  • ■ 最多受賞:
    「プラトーン」(4部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「プラトーン」(8個)

ベトナム戦争の悲劇を描いた「プラトーン」が作品賞を受賞しました。監督、編集、音響とあわせて4冠。主演男優賞はポール・ニューマン(ハスラー2)が初受賞。主演女優賞はろう者の新人、マーリー・マトリン(愛は静けさの中に)が獲得しました。ろう者のオスカー受賞は初めて。

ロマンス・コメディー「眺めのいい部屋」が脚色、衣装、美術の3部門を受賞。「エイリアン2」が音響と視覚効果の2部門を獲得。トム・クルーズ主演の大ヒット作「トップガン」が、挿入歌『愛は吐息のように』により歌曲賞に輝きました。

「ET」などの超特大ヒットを連発していたスティーブン・スピルバーグ監督に、映画製作に貢献した人物に与えられる「アービング・G・サルバーグ記念賞」が贈られました。

1988年↑ | 1987年 | 1986年↓

1987年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「プラトーン」

プラトーン

【配信:アマゾン

監督:オリバー・ストーン

ベトナム戦争に参戦したストーン監督が自己の体験を映画化した作品。最前線の兵士たちが極限状態の中でいかに理性を失っていくかをリアルに描いた。監督賞も受賞した。

受賞スピーチでストーン監督は「重要なことは真実を掘り出すこと。人はすでにベトナム戦争の真実と記憶を忘れ始めており、私はこれを掘り起こしたかった」と語った。

【物語】名門大学を中退してベトナム行きを志願し、最前線の戦闘小隊に配属された兵士が苛酷な戦場で見たものは、想像を上回る現実だった。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 動画配信(Amazon吹替版)→

 説明ページ→
監督賞 オリバー・ストーン
(プラトーン)
  • デヴッド・リンチ(ブルーベルベット)
  • ジェームズ・アイヴォリー(眺めのいい部屋)
  • ウディ・アレン(ハンナとその姉妹)
  • ローランド・ジョフィ(ミッション)
主演男優賞 ポール・ニューマン
(ハスラー2)

※1958年の「熱いトタン屋根の猫」から数えて7度目のノミネートで、ついに初受賞を果たした(前年に名誉賞を受賞していたが、コンペティション部門では初受賞だった)。過去、出席したにもかかわらず受賞できなかった経験から、今回は縁起をかついで欠席。オスカーは彼の代理で出席した親友のロバート・ワイズ監督が受け取った。
  • ウィリアム・ハート(愛は静けさの中に)
  • ジェームズ・ウッズ(サルバトル/遥かなる日々)
  • ボブ・ホスキンス(モナリザ)
  • デクスター・ゴードン(ラウンド・ミッドナイト)
主演女優賞 マーリー・マトリン
(愛は静けさの中に)

※ろう者として初めてオスカーを受賞した。イリノイ州出身。生後18か月でハシカにかかり、ろう者になった。授賞式の時点では、本作の撮影中に意気投合した相手役のウイリアム・ハートと現在、同せい中だった。授賞式ではそのハートからオスカーを手渡され、感激の表情いっぱいに手話で感謝の意を述べた。
  • ジェーン・フォンダ(モーニングアフター)
  • シシー・スペイセク(ロンリーハート)
  • シガニー・ウィバー(エイリアン2)
  • キャスリン・ターナー(ペギー・スーの結婚)
助演男優賞 マイケル・ケイン
(ハンナとその姉妹)
  • トム・ベレンジャー(プラトーン)
  • ウィレム・デフォー(プラトーン)
  • デンホルム・エリオット(眺めのいい部屋)
  • デニス・ホッパー(勝利への旅立ち)
助演女優賞 ダイアン・ウィースト
(ハンナとその姉妹)
  • パイパー・ローリー(愛は静けさの中に)
  • テス・ハーパー(ロンリー・ハート)
  • マギー・スミス(眺めのいい部屋)
  • メアリー・エリザベス・マストラントニオ(ハスラー2)
脚本賞 ハンナとその姉妹
(ウディ・アレン)
  • クロコダイル・ダンディー(ポール・ホーガン、ケン・シャディー、ジョン・コーネル)
  • サルバドル/遥かなる日々(オリヴァー・ストーン)
  • プラトーン(オリヴァー・ストーン、リチャード・ボイル)
  • マイ・ビューティフル・ランドレット(ハニフ・クレイシ)
脚色賞 眺めのいい部屋
(ルース・プラワー・ジャブヴァーラ)
  • 愛は静けさの中に(ヘスパー・アンダーソン、マーク・メドフ)
  • スタンド・バイ・ミー(ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン)
  • ハスラー2(リチャード・プライス)
  • ロンリー・ハート(ベス・ヘンリー)
外国語映画賞 追想のかなた
(オランダ)
  • アメリカ帝国の滅亡(カナダ)
  • スイート・スイート・ビレッジ(チェコスロバキア)
  • ベティ・ブルー/愛と激情の日々(フランス)
  • 38 - Auch das war Wien(オーストリア)

1986年(第58回)

  • ■ 作品賞:
    「愛と哀しみの果て」
  • ■ 最多受賞:
    「愛と哀しみの果て」(7部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「カラーパープル」(11個)
    「愛と哀しみの果て」(11個)

アフリカの大地に生きる女性像を描いた「愛と哀しみの果て」(シドニー・ポラック監督)が作品賞、監督賞など7部門を受賞しました。

スティーブン・スピルバーグ監督の「カラーパープル」が11部門でノミネートされました。受賞はゼロでした。

世界の巨匠・黒澤明監督の日仏映画「乱」が、監督賞、撮影賞、衣装デザイン賞、美術賞の4部門でノミネートされました。乱は、シェークスピアの「リア王」を元にした超大作で、黒澤監督の晩年の代表作の一つとなりました。4部門のうち、衣装デザイン賞で受賞を果たしました。受賞者はワダエミ(本名・和田恵美子)。京都市生まれ。当時49歳。安土桃山時代の能衣装を基調にしたコスチュームで称賛を浴びました。

1987年↑ | 1986年 | 1985年↓

1986年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「愛と哀しみの果て」

愛と悲しみの果て

【配信:アマゾン

監督:シドニー・ポラック

コーヒー園を経営するヒロインの恋と自立を描いた大河メロドラマ。

アフリカに魅せられたデンマークの女流作家アイザック・ディネーセンの自伝「アフリカの日々」に基づいている。 原作の出版は1937年。 オーソン・ウェルズら大物映画人が映画化を試みたが、あまりに叙事詩的過ぎて実現しなかった。 この難関に、 「ひとりぽっちの青春」「トッツィー」で2度オスカー監督賞にノミネートされたシドニー・ポラック監督が挑戦。大成功させた。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 動画配信(Amazon吹替版)→

 説明ページ→
  • 「蜘蛛女のキス」
    監督:ヘクトール・バベンコ
  • 「カラーパープル」
    監督:スティーヴン・スピルバーグ
     予告編(Amazonビデオ)→
  • 「刑事ジョン・ブック/目撃者」
    監督:ピーター・ウィアー
     予告編(Amazonビデオ)→
  • 「女と男の名誉」
    監督:ジョン・ヒューストン
監督賞 シドニー・ポラック
(愛と哀しみの果て)
  • 黒澤明(乱)
  • ヘクトール・バベンコ(蜘蛛女のキス)
  • ピーター・ウィアー(刑事ジョン・ブック/目撃者)
  • ジョン・ヒューストン(女と男の名誉)
主演男優賞 ウィリアム・ハート
(蜘蛛女のキス)
  • ジョン・ヴォイト(暴走機関車)
  • ジェームズ・ガーナー(マフィーの選択)
  • ハリソン・フォード(刑事ジョン・ブック/目撃者
  • ジャック・ニコルソン(女と男の名誉)
主演女優賞 ジェラルディン・ペイジ
(バウンティフルへの旅)
  • アン・バンクロフト(アグネス)
  • ジェシカ・ラング(スウィート・ドリーム)
  • ウーピー・ゴールドバーク(カラーパープル)
  • メリル・ストリープ(愛と哀しみの果て)
助演男優賞 ドン・アメチー
(コクーン)
  • クラウス・マリア・プランダウアー(愛と哀しみの果て)
  • ウィリアム・ヒッキー(女と男の名誉)
  • ロバート・ロジア(白と黒のナイフ)
  • エリック・ロバーツ(暴走機関車)
助演女優賞 アンジェリカ・ヒューストン
(女と男の名誉)
  • メグ・ティリー(アグネス)
  • エイミーマディガン(燃えてふたたび)
  • オブラ・ウィンフリー(カラーパープル)
  • マーガレット・エイブリー(カラーパープル)
脚本賞 刑事ジョン・ブック 目撃者
(ウィリアム・ケリー、アール・W・ウォレス)
  • オフィシャル・ストーリー(アイーダ・ボルトニク、ルイス・プエンソ)
  • カイロの紫のバラ(ウディ・アレン)
  • バック・トゥ・ザ・フューチャー(ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル)
  • 未来世紀ブラジル(テリー・ギリアム、トム・ストッパード、チャールズ・マッケオン)
脚色賞 愛と哀しみの果て
(カート・リュードック)
  • 女と男の名誉(リチャード・コンドン、ジャネット・ローチ)
  • カラーパープル(メノ・メイエス)
  • 蜘蛛女のキス(レナード・シュレイター)
  • バウンティフルへの旅(ホートン・フート)
外国語映画賞 オフィシャル・ストーリー
(アルゼンチン)
  • 赤ちゃんに乾杯(フランス)
  • パパは、出張中!(ユーゴスラビア)
  • 連隊長レドル(ハンガリー)
  • Bittere Ernte(西ドイツ)

1985年(第57回)

  • ■ 作品賞:
    「アマデウス」
  • ■ 最多受賞:
    「アマデウス」(8部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「アマデウス」(11個)
    「インドへの道」(11個)

「アマデウス」が作品賞など8部門で受賞。18世紀後半、ウィーンにやってきた若い音楽家モーツァルトと当時、宮廷音楽師としてつとめていたイタリア人の音楽家「サリエリ」とのかかわりを描きました。ミロシュ・フォアマン氏が監督賞、サリエリ役を演じたマーレイ・エイブラハムが主演男優賞など、前評判通りの強さでした。

助演男優賞には「キリング・フィールド」に初出演したカンボジア難民の医師ハイン・ヌゴールが選ばれました。

1986年↑ | 1985年 | 1984年↓

1985年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「アマデウス」

アマデウス

【配信:アマゾン

監督:ミロス・フォアマン

35歳の若さで死んだ音楽家モーツァルトと、彼に嫉妬する宮廷作曲家サリエリの物語。天才と凡人の確執劇を、大胆に映画化した。

モーツァルトの数々の名曲をバックに、サリエリの独白という形でストーリーが展開。 「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「レクイエム」などの名曲誕生の過程も描いた。

サリエリ役のF・マーリー・エイブラハム、モーツァルト役のトム・ハルスはいずれも無名の俳優だった。2人そろって主演男優賞にノミネートされ、サリエリ役のエイブラハムが受賞した。

ミロス・フォアマン監督は、「カッコーの巣の上で」に続いて2度目の作品賞受賞となった(同じく監督賞も2度目の受賞)。

撮影は、フォアマン監督の故郷でもあるチェコの古都プラハで行われた。舞台となる18世紀のウィーンを再現。本物の美術品や建造物も映像に収められた。

【物語】18世紀後半、オーストリアの宮廷に仕える作曲家サリエリの前に、青年モーツァルトが出現。 モーツァルトは軽薄ながら、天才的な作曲の才能が備わっていた。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 説明ページ→
  • 「キリング・フィールド」
    監督:ローランド・ジョフィ
  • 「ソルジャー・ストーリー」
    監督:ノーマン・ジュイソン
     予告編(Amazonビデオ)→
  • 「インドへの道」
    監督:デヴィッド・リーン
     予告編(字幕なし)→
  • 「プレイス・イン・ザ・ハート」
    監督:ロバート・ベントン
監督賞 ミロス・フォアマン
(アマデウス)
  • ローランド・ジョフィ(キリング・フィールド)
  • ウディ・アレン(ブロードウェイのダニー・ロイズ)
  • デビッド・リーン(インドへの道)
  • ロバート・ペントン(プレイス・イン・ザ・ハート)
主演男優賞 フランク・マーレイ・エイブラハム
(アマデウス)
  • アルバート・フィニー(火山のもとで)
  • サム・ウォーターストン(キリング・フィールド)
  • ジェフ・プリッジス(スターマン/愛・宇宙はるかに)
  • トム・ハルス(アマデウス)
主演女優賞 サリー・フィールド
(プレイス・イン・ザ・ハート)

※2度目の主演女優賞
  • ジェシカ・ラング(カントリー)
  • ジュディ・デイビス(インドへの道)
  • ヴァネッサ・レッドグレーブ(ボストニアン)
  • シシー・スペイセク(ザ・リバー)
助演男優賞 ハイン・S・ニュール
(キリング・フィールド)
  • アドルフ・シーザー(ソルジャー・ストーリー)
  • ジョン・マルコビッチ(プレイス・イン・ザ・ハート)
  • ノリユキ・パット・モリタ(ベスト・キッド)
  • ラルフ・リチャード(グレイストーク)
助演女優賞 ペギー・アシュクロフト
(インドへの道)
  • ジェラルディン・ペイジ(悪の華/パッショネイト)
  • クリスティーン・ラーチ(スイング・シフト)
  • グレン・クローズ(ナチュラル)
  • リンゼイ・クローズ(プレイス・イン・ザ・ハート)
脚本賞 プレイス・イン・ザ・ハート
(ロバート・ベントン)
  • エル・ノルテ/約束の地(グレゴリー・ナヴァ、アンナ・トーマス)
  • スプラッシュ(ブライアン・グレイザー、ブルース・J・フリードマン、ローウェル・ガンツ、ババルー・マンデル)
  • ビバリーヒルズ・コップ(ダニエル・ペトリ・Jr、ダニロ・バック)
  • ブロードウェイのダニー・ローズ(ウディ・アレン)
脚色賞 アマデウス
(ピーター・シェーファー)
  • インドへの道(デヴィッド・リーン)
  • キリング・フィールド(ブルース・ロビンソン)
  • グレイストーク ターザンの伝説(P・H・ヴァザック、マイケル・オースティン)
  • ソルジャー・ストーリー(チャールズ・フラー)
外国語映画賞 La Diagonale du fou
(スイス)
  • カミーラ(アルゼンチン)
  • Me'Ahorei Hasoragim(イスラエル)
  • Sesión continua(スペイン)
  • Voenno-polevoy roman(ソビエト連邦)

1984年(第56回)

  • ■ 作品賞:
    「愛と追憶の日々」
  • ■ 最多受賞:
    「愛と追憶の日々」(5部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「愛と追憶の日々」(11個)

母娘の愛憎劇「愛と追憶の日々」が作品賞など5冠に輝きました。獲得した5部門はいずれも主要部門(作品、監督、脚色、主演女優、助演男優)。ジェームズ・L・ブルックス監督は、映画監督としてのデビュー作で3個のオスカー(作品、監督、脚色)を獲りました。
また、スウェーデン映画「ファニーとアレクサンデル」が外国語映画賞のほか、撮影賞、衣装デザイン賞、美術賞の4部門を獲得しました。非英語作品として快挙でした。

1985年↑ | 1984年 | 1983年↓

1984年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「愛と追憶の日々」

愛と追憶の日々

【配信:アマゾン

監督:ジェームズ・L・ブルックス

姉妹のように仲の良い母娘オーロラとエマの強い絆を描いた愛と感動のドラマ。主要部門だけで5冠に輝いた。

ジェームズ・L・ブルックス監督は当時43歳。テレビの脚本家として活躍したあと映画に参入し、本作で初めて映画監督に挑んだ。脚本(脚色)も自ら手掛けた。

母親役と娘役の2人が主演女優賞にノミネートされ、母役のシャーリー・マクレーンが初受賞した。

元・宇宙飛行士役で助演男優賞を受賞したジャック・ニコルソンの怪演も話題になった。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 説明ページ→
監督賞 ジェームズ・L・ブルックス
(愛と追憶の日々)
  • マイク・ニコルズ(シルクウッド)
  • ブルース・ベレスフォード(テンダー・マーシー)
  • ピーター・イエーツ(ドレッサー)
  • イングマール・ベルイマン(ファニーとアレクサンデル)
主演男優賞 ロバート・デュバル
(テンダー・マーシー)
  • トム・コートネイ(ドレッサー)
  • アルバート・フィニー(ドレッサー)
  • トム・コンティ(Reuben, Reuben)
  • マイケル・ケイン(リタと大学教授)
主演女優賞 シャーリー・マクレーン
(愛と追憶の日々)
  • メリル・ストリープ(シルクウッド)
  • ジェーン・アレクサンダー(テスタメント)
  • ジュリー・ウォルターズ(リタと大学教授)
  • デブラ・ウィンガー(愛と追憶の日々)
助演男優賞 ジャック・ニコルソン
(愛と追憶の日々)
  • リップ・トーン(クロスクリーク)
  • チャールズ・ダーニング(メル・ブルックスの大脱走)
  • サム・シェパード(ライトスタッフ)
  • ジョン・リスゴー(愛と追憶の日々)
助演女優賞 リンダ・ハント
(危険な年)
  • シェール(シルクウッド)
  • グレン・クローズ(再会の時)
  • アルフレ・ウッダード(クロスクリーク)
  • エイミー・アーヴィング(愛のイエントル)
脚本賞 テンダー・マーシー
(ホートン・フート)
  • ウォー・ゲーム(ローレンス・ラスカー、ウォルター・F・パークス)
  • 再会の時(ローレンス・カスダン、バーバラ・ベネディック)
  • アリス・アーレン - シルクウッド(ノーラ・エフロン)
  • ファニーとアレクサンデル(イングマール・ベルイマン)
脚色賞 愛と追憶の日々
(ジェームズ・L・ブルックス)
  • ドレッサー(ロナルド・ハーウッド)
  • リタと大学教授(ウィリー・ラッセル)
  • Betrayal(ハロルド・ピンター)
  • Reuben, Reuben(ジュリアス・J・エプスタイン)
外国語映画賞 ファニーとアレクサンデル
(スウェーデン)
  • 女ともだち(フランス)
  • カルメン(スペイン)
  • ル・バル(アルジェリア)
  • Jób lázadása(ハンガリー)

1983年(第55回)

  • ■ 作品賞:
    「ガンジー」
  • ■ 最多受賞:
    「ガンジー」(8部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「ガンジー」(11個)

最多11ノミネートの「ガンジー」(リチャード・アッテンボロー監督)と、9ノミネートの「E.T.」(スティーブン・スピルバーグ監督)の一騎打ちと見られていました。結果は、インドの指導者の伝記「ガンジー」が圧勝。作品賞、監督賞、主演男優賞など8部門を制しました。

1984年↑ | 1983年 | 1982年↓

1983年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「ガンジー」

ガンジー

【配信:アマゾン

監督:リチャード・アッテンボロー

非暴力主義を貫き、祖国インドを独立に導いたガンジーの生涯を壮大なスケールで描いた。「無抵抗・非服従」を通して人民の尊敬を一心に集めた偉人。

8部門を受賞。 主演男優賞を獲得したガンジー役のペン・キングズレーは映画デビュー作だった。本物とそっくりぶりが話題となった。

前年の「炎のランナー」に続いて、イギリス映画の作品賞となった。英国映画の作品賞は8度目。

対抗馬のSFファンタジー「E.T.」は興行収入の記録を塗り替える大ヒットを記録。世論の熱烈な支持を受けていた。しかし、大人の風格を好むアカデミー会員の総意には至らず、作品賞、監督賞、脚本賞を逃した。それでも技術部門で4つのオスカー(編集、作曲、視覚効果、音響効果)に輝いた。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 説明ページ→
監督賞 リチャード・アッテンボロー
(ガンジー)
  • シドニー・ルメット(評決)
  • スティーブン・スピルバーグ(E.T)
  • ウォルフガング・ペーターゼン(U.ボート)
  • シドニー・ポラック(トッツィー)
主演男優賞 ベン・キングスレー
(ガンジー)
  • ポール・ニューマン(評決)
  • ジャック・レモン(ミッシング)
  • ダスティン・ホフマン(トッツィー)
  • ピーター・オトゥール(My Favorite Year)
主演女優賞 メリル・ストリープ
(ソフィーの選択)
  • デブラ・ウィンガー(愛と青春の旅だち)
  • ジェシカ・ラング(女優フランシス)
  • シシー・スペイセク(ミッシング)
  • ジュリー・アンドリュース(ビクター/ビクトリア)
助演男優賞 ルイス・ゴセット・Jr
(愛と青春の旅たち)
  • ジェームズ・メイソン(評決)
  • ジョン・リスゴー(ガープの世界)
  • チャールズ・ダーニング(テキサスの赤いバラ)
  • ロバート・プレストン(ビクター/ビクトリア)
助演女優賞 ジェシカ・ラング
(トッツィー)
  • グレン・クローズ(ガープの世界)
  • キム・スタンレー(女優フランシス)
  • レスリー・アン・ウォーレン(ビクター/ビクトリア)
  • テリー・ガー(トッツイー)
脚本賞 ガンジー
(ジョン・ブライリー)
  • 愛と青春の旅だち(ダグラス・デイ・スチュワート)
  • E.T.(メリッサ・マシスン)
  • ダイナー(バリー・レヴィンソン)
  • トッツィー(ラリー・ゲルバート、マレー・シスガル、ドン・マクガイア)
脚色賞 ミッシング
(コスタ=ガヴラス、ドナルド・スチュワート)
  • ソフィーの選択(アラン・J・パクラ)
  • ビクター/ビクトリア(ブレイク・エドワーズ)
  • 評決(デヴィッド・マメット)
  • U・ボート(ウォルフガング・ペーターゼン)
外国語映画賞 Volver a empezar
(スペイン)
  • アルシノとコンドル(ニカラグア)
  • 解任(ソビエト連邦)
  • Coup de torchon(フランス)
  • Ingenjör Andrées luftförd(スウェーデン)

1982年(第54回)

  • ■ 作品賞:
    「炎のランナー」
  • ■ 最多受賞:
    「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(4部門)
    「炎のランナー」(4部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「レッズ」(12個)

スポーツ映画「炎のランナー」が作品賞、作曲賞、脚本賞、衣装デザイン賞の4冠を獲得。ヴァンゲリスのテーマ曲による作曲賞は予想通りだったが、それ以外の部門は番狂わせだった。

歴代2位となる12部門ノミネートを果たした「レッズ」は作品賞を逃した。監督賞(ウォーレン・ベイティ)は獲得した。

キャサリン・ヘプバーンが「黄昏」で主演女優賞を獲得し、4度目の女優賞という新記録を樹立した。名誉賞しか受賞したことがなかったヘンリー・フォンダがついに主演男優賞に輝いた。

1983年↑ | 1982年 | 1981年↓

1982年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「炎のランナー」

炎のランナー

【配信:アマゾン

監督:ヒュー・ハドソン

斬新な語り口のスポーツ映画、青春映画。感動もの。

2人の陸上選手の人生が交錯する。1924年パリ五輪出場を目指すユダヤ人青年と、キリスト教の聖職者の息子。 走る目的こそ違うが、あくまでもベストをつくす若者たちの姿を、新鋭ヒュー・ハドソン監督がドキュメント・タッチで描いた。

対抗馬の「レッズ」は12部門ノミネート、「黄昏」は9部門ノミネート。作品賞はこの2作の一騎打ちと予想されていた。ところが、7部門ノミネートの炎のランナーが作品賞をさらった。

プロデューサーは、敏腕デビッド・パットナム(英国人)。当時41歳。「小さな恋のメロディ」「ミッドナイト・エクスプレス」で既に大成功していたが、本作が代表作になった。この後も「キリング・フィールド 」「ミッション」などのオスカー関連作品を手掛けた。

<受賞スピーチ▼>


 説明ページ→

 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→
監督賞 ウォーレン・ベイティ
(レッズ)
  • ルイ・マル(アトランティック・シティ)
  • スティーブン・スピルバーグ(レイダース/失われたアーク)
  • ヒュー・ハドソン(炎のランナー)
  • マーク・ライテル(黄昏)
主演男優賞 ヘンリー・フォンダ
(黄昏)
  • バート・ランカスター(アトランティック・シティ)
  • ポール・ニューマン(スクープ・悪意の不在)
  • ダドリー・ムーア(ミスター・アーサー)
  • ウォーレン・ベイティ(レッズ)
主演女優賞 キャサリン・ヘップバーン
(黄昏)

※4度目の女優賞。新記録を樹立した。
  • スーザン・サランドン(アトランティック・シティ)
  • マーシャ・メイソン(泣かないで)
  • メリル・ストリープ(フランス軍中尉の女)
  • ダイアン・キートン(レッズ)
助演男優賞 ジョン・ギールグッド
(ミスター・アーサー)
  • ジェームズ・ココ(泣かないで)
  • ハワード・E・ロリンズ・Jr(ラグタイム)
  • ジャック・ニコルソン(レッズ)
  • イアン・ホルム(炎のランナー)
助演女優賞 モーリン・ステイプルトン
(レッズ)
  • メリアン・ディロン(スクープ・悪意の不在)
  • ジョーン・ハケット(泣かないで)
  • エリザベス・マクガバン(ラグタイム)
  • ジェーン・フォンダ(黄昏)
脚本賞 炎のランナー
(コリン・ウェランド)
  • アトランティック・シティ(ジョン・グアーレ)
  • スクープ・悪意の不在(カート・リュードック)
  • ミスター・アーサー(スティーヴ・ゴードン)
  • レッズ(ウォーレン・ビーティ、トレヴァー・グリフィス)
脚色賞 黄昏
(アーネスト・トンプソン)
  • フランス軍中尉の女(ハロルド・ピンター)
  • プリンス・オブ・シティ(シドニー・ルメット、ジェイ・プレッソン・アレン)
  • ペニーズ・フロム・ヘブン(デニス・ポッター)
  • ラグタイム(マイケル・ウェラー)
外国語映画賞 メフィスト
(ハンガリー)
  • 鉄の男(ポーランド)
  • 泥の河(日本)
  • Das Boot ist voll(スイス)
  • Tre fratelli(イタリア)

1981年(第53回)

  • ■ 作品賞:
    「普通の人々」
  • ■ 最多受賞:
    「普通の人々」(4部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「エレファント・マン」(8個)
    「レイジング・ブル」(8個)

大スター俳優のロバート・レッドフォードが初めて監督を務めた「普通の人々」が作品賞、監督賞、助演男優賞(ティモシー・ハットン)、脚色賞の4冠に輝きました。

日本で一大ブームを巻き起こした「エレファント・マン」(デビッド・リンチ監督)と、マーティン・スコセッシ監督の歴史的傑作「レイジング・ブル」が、それぞれ作品賞を含む最多8部門にノミネートされました。このうちエレファント・マンは無冠でしたが、レイジング・ブルは主演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)と編集賞を獲りました。

1982年↑ | 1981年 | 1980年↓

1981年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「クレイマー・クレイマー」

クレイマー・クレイマー

【配信:アマゾン

監督:ロバート・ベントン

時代の風潮を巧みにとらえた家庭ドラマ。アメリカで急増し、社会現象化した「離婚」が題材。 子供の養育権をめぐる争いを描いた。

女性の自立に目覚めた妻に家出され、7歳の子供の世話と家事に振り回されることになった夫が奮闘する。

<受賞スピーチ▼>


 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 説明ページ→
  • 「オール・ザット・ジャズ」
    監督:ボブ・フォッシー
    ※クレイマー・クレイマーと並ぶ9個ノミネート。うち技術系3部門で受賞
  • 「地獄の黙示録」
    監督:フランシス・フォード・コッポラ
    ※ベトナム戦争を題材にした壮大な叙事詩。
  • 「ノーマ・レイ」
    監督:マーティン・リット
     予告編(字幕なし)→
  • 「ヤング・ゼネレーション」
    監督:ピーター・イエーツ
監督賞 ロバート・レッド・フォード
(普通の人々)
  • ロマン・ポランスキー(テス)
  • マーティン・スコセッシ(レイジング・ブル)
  • デヴィッド・リンチ(エレファント・マン)
  • リチャード・ラッシュ(スタントマン)
主演男優賞 ロバート・デ・ニーロ
(レイジング・ブル)

※「ゴッドファーザー2」での助演男優賞に続いて2度目のオスカー。この間「タクシー・ドライバー」や「ディア・ハンター」で主演男優賞にノミネートされたが、受賞には至らなかった。実在するボクシングのミドル級王者に扮した。体重を増やして役に挑んだ。
  • ジョン・ハート(エレファント・マン)
  • ピーター・オトゥール(パパ)
  • ピーター・オトゥール(スタントマン)
  • ジャック・レモン(マイ・ハートマイ・ラブ)
主演女優賞 シシー・スペイセク
(歌え!ロレッタ愛のために)
  • ジーナ・ローランズ(グロリア)
  • ゴールディ・ホーン(プライベート・ベンジャミン)
  • エレン・バースティン(レザレクション/復活)
  • メアリー・タイラー・ムーア(普通の人々)
助演男優賞 ティモシー・ハットン
(普通の人々)
  • マイケル・オキーフ(パパ)
  • ジョー・ペシ(レイジング・ブル)
  • ジェイソン・ロバーズ(メルビンとハワード)
  • ジャード・ハッシュ(普通の人々)
助演女優賞 メアリー・スティーンバージョン
(メルビンとハワード)
  • キャシー・モリアーティ(レイジング・ブル)
  • アイリーン・ブレナン(プライベート・ベンジャミン)
  • ダイアナ・スカーウッド(サンフランシスコ物語)
  • アイリーン・ブレナン(レザレクション/復活)
脚本賞 メルビンとハワード
(ボー・ゴールドマン)
  • アメリカの伯父さん(ジャン・グリュオー)
  • フェーム(クリストファー・ゴア)
  • プライベート・ベンジャミン(ナンシー・マイヤーズ、チャールズ・シャイア、ハーヴェイ・ミラー)
  • ブルベイカー(W・D・リクター、アーサー・ロス)
脚色賞 普通の人々
(アルヴィン・サージェント)
  • 歌え!ロレッタ愛のために(トム・リックマン)
  • 英雄モラント/傷だらけの戦士(ブルース・ベレスフォード、ジョナサン・ハーディ、デヴィッド・スティーヴンス)
  • エレファント・マン(デヴィッド・リンチ、クリストファー・デヴォア、エリック・バーグレン)
  • スタントマン(ローレンス・B・マーカス、リチャード・ラッシュ)
外国語映画賞 モスクワは涙を信じない
(ソビエト連邦)
  • エル・ニド(スペイン)
  • 影武者(日本)
  • コンフィデンス/信頼(ハンガリー)
  • 終電車(フランス)

1980年(第52回)

  • ■ 作品賞:
    「クレイマー・クレイマー」
  • ■ 最多受賞:
    「クレイマー・クレイマー」(5部門)
  • ■ 最多ノミネート:
    「オール・ザット・ジャズ」(9個)
    「クレイマー・クレイマー」(9個)

前評判通り、「クレイマー・クレイマー」が主要部門で圧勝した。作品、監督、主演男優(ダンスティン・ホフマン)、助演女優(メリル・ストリープ)、脚色の5冠。

コッポラ監督がベトナム戦争を扱った「地獄の黙示録」は作品賞を逃したが、撮影賞と音響賞を獲得。「オール・ザット・ジャズ」が技術系で3冠。

1981年↑ | 1980年 | 1979年→

1980年
部門 受賞 ノミネート
作品賞 「クレイマー・クレイマー」

クレイマー・クレイマー

【配信:アマゾン

監督:ロバート・ベントン

女性の自立に目覚めた妻に家出され、7歳の子供の世話と家事に振り回されることになった夫の奮戦記。 アメリカで急増し、社会現象化した「離婚」をテーマに、夫婦の新しい形が見なおされた。 それまではオスカーに否定的だったダスティン・ホフマンが受賞式では素直に喜び、感動的なスピーチを述べた。

 予告編→

 動画配信(Amazon字幕版)→

 受賞スピーチ→

 説明ページ→
監督賞 ロバート・ベントン
(クレイマー・クレイマー)
  • ボブ・フォッシー(オール・ザット・ジャズ)
  • フランシス・フォード・コッポラ(地獄の黙示録)
  • エドゥアール・モリナロ(Mr.レディMr.マダム)
  • ピーター・イエーツ(ヤング・ゼネレーション)
主演男優賞 ダスティン・ホフマン
(クレイマー・クレイマー)
  • ロイ・シャイダー(オール・ザット・ジャズ)
  • アル・パチーノ(ジャスティス)
  • ジャック・レモン(チャイナ・シンドローム)
  • ピーター・セラーズ(チャンス)
主演女優賞 サリー・フィールド
(ノーマ・レイ)
  • ジル・クレイバーグ(結婚ゲーム)
  • マーシャ・メイソン(第2章)
  • ジェーン・フォンダ(チャイナ・シンドローム)
  • ベット・ミドラー(ローズ)
助演男優賞 メルヴィン・ダグラス
(チャンス)
  • ジャスティン・ヘンリー(クレイマー・クレイマー)
  • ロバート・デュヴァル(地獄の黙示録)
  • フレデリック・フォレスト(ローズ)
  • ミッキー・ルーニー(ワイルド・ブラック/少年の黒い馬)
助演女優賞 メリル・ストリープ
(クレイマー・クレイマー)
  • ジェーン・アレクサンダー(クレイマー・クレイマー)
  • キャンディス・バーゲン(結婚ゲーム)
  • マリエル・ヘミングウェイ(マンハッタン)
  • バーバラ・バリー(ヤング・ゼネレーション)
脚本賞 ヤング・ゼネレーション
(スティーヴ・テシック)
  • オール・ザット・ジャズ(ボブ・フォッシー、ロバート・アラン・アーサー)
  • ジャスティス(バリー・レヴィンソン、ヴァレリー・カーティン)
  • チャイナ・シンドローム(ジェームズ・ブリッジス、マイク・グレイ、T・S・クック)
  • マンハッタン(ウディ・アレン、マーシャル・ブリックマン)
脚色賞 クレイマー・クレイマー
(ロバート・ベントン)
  • 地獄の黙示録(フランシス・フォード・コッポラ、ジョン・ミリアス)
  • ノーマ・レイ(アーヴィング・ラヴェッチ、ハリエット・フランク・Jr)
  • Mr.レディ Mr.マダム(フランシス・ヴェベール、エドゥアール・モリナロ、マルチェロ・ダノン、ジャン・ポワレ)
  • リトル・ロマンス(アラン・バーンズ)
外国語映画賞 ブリキの太鼓
(西ドイツ)
  • ありふれた愛のストーリー(フランス)
  • ヴィルコの娘たち(ポーランド)
  • ベニスを忘れるため(イタリア)
  • ママは百歳(スペイン)

続き(1970年代)へ→