1980年代のアカデミー賞の一覧です。作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞など主要部門のノミネートと受賞結果のリスト。(アワード・ウォッチ編集部)
年 | 受賞作 | |
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1989年 | 「レインマン」 | 詳細↓ |
1988年 | 「ラスト・エンペラー」 | 詳細↓ |
1987年 | 「プラトーン」 | 詳細↓ |
1986年 | 「愛と哀しみの果て」 | 詳細↓ |
1985年 | 「アマデウス」 | 詳細↓ |
1984年 | 「愛と追憶の日々」 | 詳細↓ |
1983年 | 「ガンジー」 | 詳細↓ |
1982年 | 「炎のランナー」 | 詳細↓ |
1981年 | 「普通の人々」 | 詳細↓ |
1980年 | 「クレイマー・クレイマー」 | 詳細↓ |
1980年代のオスカー受賞映画では、1985年に作品賞を受賞した「アマデウス」などが歴史に残る名作として有名です。日本からは、1986年に黒澤明監督が「乱」で監督賞にノミネートされました。
下馬評通り、「レインマン」が作品賞を受賞しました。監督賞(バリー・レビンソン)、主演男優賞(ダスティン・ホフマン)、脚本賞(バリー・モロー)も獲り、主要4部門を制する圧勝。ライバルの「ミシシッピー・バーニング」を突き放しました。主演女優賞には、レイプ裁判を取り上げた「告発の行方」のジョディ・フォスターが選ばれました。
(1989年 | 1988年↓)
1989年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「レインマン」
【配信:アマゾン】 監督:バリー・レヴィンソン 心温まる物語。ロードムービー。自閉症で40年以上も入院していた兄と、ずっと疎遠だった弟が主人公。弟は金儲けしか頭にない人物。自閉症という硬派のテーマに正面から取り組んだ。 兄弟は遺産相続の手続きをするため、米中西部シンシナティから西海岸ロサンゼルスへと長い旅をする。 兄レイモンドに扮したダスティン・ホフマンが主演男優賞に輝いた。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 動画配信(Amazon吹替版)→ 動画配信(U-NEXT)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | バリー・レビンソン (レインマン) |
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主演男優賞 | ダスティン・ホフマン (レインマン) ※1979年の「クレイマー・クレイマー」に次ぐ2度目の受賞。主演男優賞の2回受賞は、マーロン・ブランド、ゲーリー・クーパー、フレドリック・マーチ、スペンサー・トレーシーに次ぐ5人目だった。 自閉症という世間に誤解されがちな病気の男を、繊細にリアルに演じた。 |
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主演女優賞 | ジョディ・フォスター (告発の行方) |
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助演男優賞 | ケヴィン・クライン (ワンダとダイヤと優しい奴ら) |
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助演女優賞 | ジーナ・デェビス (偶然の旅行者) |
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脚本賞 | レインマン (ロナルド・バス) |
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脚色賞 | 危険な関係 (クリストファー・ハンプトン) |
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外国語映画賞 | ペレ (デンマーク) |
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2024年→ | 2023年→ | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | 作品賞(歴代)→ | ページの先頭↑ |
ベルナルド・ベルトルッチ監督の英、伊、中国合作映画「ラストエンペラー」が作品、監督、撮影、作曲などノミネートされた9部門全てで受賞しました。このうち作曲賞では、テーマ曲を制作した坂本龍一氏が受賞者となりました。
主演男優賞は、「ウォール街」で市場荒らしの黒幕を演じたマイケル・ダグラスが獲得。主演女優賞は、ニューヨークのイタリア系移民の未亡人を演じた歌手シェールに贈られた。
1988年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「ラスト・エンペラー」
【配信:アマゾン】 監督:ベルナルド・ベルトルッチ 英、伊、中国合作映画。作品賞のほか、監督、撮影、作曲など計9冠に輝いた。ノミネートされた9部門で全勝。このうち作曲賞では、テーマ曲を制作した坂本龍一氏が受賞者となった。 わずか3歳にして清朝最後の皇帝に任命された薄儀は、王朝崩壊以降も、大陸に侵略した日本軍によって満州国の傀儡皇帝として利用され、戦後は収容所生活を送る。 ベルトルッチ監督は、紫禁城に幽閉された男の物語というユニークな視点から彼の生涯を捉え、従来の大作とは一線を画した。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 動画配信(U-NEXT)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | ベルナルド・ベルトルッチ (ラストエンペラー) |
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主演男優賞 |
マイケル・ダグラス (ウォール街) ※企業の乗っ取り屋として暗躍する有力投資家を演じた。 |
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主演女優賞 | シェール (月の輝く夜に) ※著名歌手。ニューヨークのイタリア系移民の未亡人を演じた。 |
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助演男優賞 | ショーン・コネリー (アンタッチャブル) |
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助演女優賞 | オリンピア・デュカキス (月の輝く夜に) |
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脚本賞 | 月の輝く夜に (ジョン・パトリック・シャンレー) |
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脚色賞 | ラストエンペラー (ベルナルド・ベルトルッチ、マーク・ペプロー) |
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外国語映画賞 | バベットの晩餐会 (デンマーク) |
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ベトナム戦争の悲劇を描いた「プラトーン」が作品賞を受賞しました。監督、編集、音響とあわせて4冠。主演男優賞はポール・ニューマン(ハスラー2)が初受賞。主演女優賞はろう者の新人、マーリー・マトリン(愛は静けさの中に)が獲得しました。ろう者のオスカー受賞は初めて。
ロマンス・コメディー「眺めのいい部屋」が脚色、衣装、美術の3部門を受賞。「エイリアン2」が音響と視覚効果の2部門を獲得。トム・クルーズ主演の大ヒット作「トップガン」が、挿入歌『愛は吐息のように』により歌曲賞に輝きました。
「ET」などの超特大ヒットを連発していたスティーブン・スピルバーグ監督に、映画製作に貢献した人物に与えられる「アービング・G・サルバーグ記念賞」が贈られました。
1987年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「プラトーン」
【配信:アマゾン】 監督:オリバー・ストーン ベトナム戦争に参戦したストーン監督が自己の体験を映画化した作品。最前線の兵士たちが極限状態の中でいかに理性を失っていくかをリアルに描いた。監督賞も受賞した。 受賞スピーチでストーン監督は「重要なことは真実を掘り出すこと。人はすでにベトナム戦争の真実と記憶を忘れ始めており、私はこれを掘り起こしたかった」と語った。 【物語】名門大学を中退してベトナム行きを志願し、最前線の戦闘小隊に配属された兵士が苛酷な戦場で見たものは、想像を上回る現実だった。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 動画配信(Amazon吹替版)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | オリバー・ストーン (プラトーン) |
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主演男優賞 | ポール・ニューマン (ハスラー2) ※1958年の「熱いトタン屋根の猫」から数えて7度目のノミネートで、ついに初受賞を果たした(前年に名誉賞を受賞していたが、コンペティション部門では初受賞だった)。過去、出席したにもかかわらず受賞できなかった経験から、今回は縁起をかついで欠席。オスカーは彼の代理で出席した親友のロバート・ワイズ監督が受け取った。 |
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主演女優賞 | マーリー・マトリン (愛は静けさの中に) ※ろう者として初めてオスカーを受賞した。イリノイ州出身。生後18か月でハシカにかかり、ろう者になった。授賞式の時点では、本作の撮影中に意気投合した相手役のウイリアム・ハートと現在、同せい中だった。授賞式ではそのハートからオスカーを手渡され、感激の表情いっぱいに手話で感謝の意を述べた。 |
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助演男優賞 | マイケル・ケイン (ハンナとその姉妹) |
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助演女優賞 | ダイアン・ウィースト (ハンナとその姉妹) |
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脚本賞 | ハンナとその姉妹 (ウディ・アレン) |
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脚色賞 | 眺めのいい部屋 (ルース・プラワー・ジャブヴァーラ) |
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外国語映画賞 | 追想のかなた (オランダ) |
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アフリカの大地に生きる女性像を描いた「愛と哀しみの果て」(シドニー・ポラック監督)が作品賞、監督賞など7部門を受賞しました。
スティーブン・スピルバーグ監督の「カラーパープル」が11部門でノミネートされました。受賞はゼロでした。
世界の巨匠・黒澤明監督の日仏映画「乱」が、監督賞、撮影賞、衣装デザイン賞、美術賞の4部門でノミネートされました。乱は、シェークスピアの「リア王」を元にした超大作で、黒澤監督の晩年の代表作の一つとなりました。4部門のうち、衣装デザイン賞で受賞を果たしました。受賞者はワダエミ(本名・和田恵美子)。京都市生まれ。当時49歳。安土桃山時代の能衣装を基調にしたコスチュームで称賛を浴びました。
1986年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「愛と哀しみの果て」
【配信:アマゾン】 監督:シドニー・ポラック コーヒー園を経営するヒロインの恋と自立を描いた大河メロドラマ。 アフリカに魅せられたデンマークの女流作家アイザック・ディネーセンの自伝「アフリカの日々」に基づいている。 原作の出版は1937年。 オーソン・ウェルズら大物映画人が映画化を試みたが、あまりに叙事詩的過ぎて実現しなかった。 この難関に、 「ひとりぽっちの青春」「トッツィー」で2度オスカー監督賞にノミネートされたシドニー・ポラック監督が挑戦。大成功させた。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 動画配信(Amazon吹替版)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | シドニー・ポラック (愛と哀しみの果て) |
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主演男優賞 | ウィリアム・ハート (蜘蛛女のキス) |
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主演女優賞 | ジェラルディン・ペイジ (バウンティフルへの旅) |
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助演男優賞 | ドン・アメチー (コクーン) |
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助演女優賞 | アンジェリカ・ヒューストン (女と男の名誉) |
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脚本賞 | 刑事ジョン・ブック 目撃者 (ウィリアム・ケリー、アール・W・ウォレス) |
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脚色賞 | 愛と哀しみの果て (カート・リュードック) |
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外国語映画賞 | オフィシャル・ストーリー (アルゼンチン) |
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「アマデウス」が作品賞など8部門で受賞。18世紀後半、ウィーンにやってきた若い音楽家モーツァルトと当時、宮廷音楽師としてつとめていたイタリア人の音楽家「サリエリ」とのかかわりを描きました。ミロシュ・フォアマン氏が監督賞、サリエリ役を演じたマーレイ・エイブラハムが主演男優賞など、前評判通りの強さでした。
助演男優賞には「キリング・フィールド」に初出演したカンボジア難民の医師ハイン・ヌゴールが選ばれました。
1985年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「アマデウス」
【配信:アマゾン】 監督:ミロス・フォアマン 35歳の若さで死んだ音楽家モーツァルトと、彼に嫉妬する宮廷作曲家サリエリの物語。天才と凡人の確執劇を、大胆に映画化した。 モーツァルトの数々の名曲をバックに、サリエリの独白という形でストーリーが展開。 「フィガロの結婚」「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「レクイエム」などの名曲誕生の過程も描いた。 サリエリ役のF・マーリー・エイブラハム、モーツァルト役のトム・ハルスはいずれも無名の俳優だった。2人そろって主演男優賞にノミネートされ、サリエリ役のエイブラハムが受賞した。 ミロス・フォアマン監督は、「カッコーの巣の上で」に続いて2度目の作品賞受賞となった(同じく監督賞も2度目の受賞)。 撮影は、フォアマン監督の故郷でもあるチェコの古都プラハで行われた。舞台となる18世紀のウィーンを再現。本物の美術品や建造物も映像に収められた。 【物語】18世紀後半、オーストリアの宮廷に仕える作曲家サリエリの前に、青年モーツァルトが出現。 モーツァルトは軽薄ながら、天才的な作曲の才能が備わっていた。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | ミロス・フォアマン (アマデウス) |
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主演男優賞 | フランク・マーレイ・エイブラハム (アマデウス) |
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主演女優賞 | サリー・フィールド (プレイス・イン・ザ・ハート) ※2度目の主演女優賞 |
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助演男優賞 | ハイン・S・ニュール (キリング・フィールド) |
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助演女優賞 | ペギー・アシュクロフト (インドへの道) |
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脚本賞 | プレイス・イン・ザ・ハート (ロバート・ベントン) |
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脚色賞 | アマデウス (ピーター・シェーファー) |
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外国語映画賞 | La Diagonale du fou (スイス) |
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母娘の愛憎劇「愛と追憶の日々」が作品賞など5冠に輝きました。獲得した5部門はいずれも主要部門(作品、監督、脚色、主演女優、助演男優)。ジェームズ・L・ブルックス監督は、映画監督としてのデビュー作で3個のオスカー(作品、監督、脚色)を獲りました。
また、スウェーデン映画「ファニーとアレクサンデル」が外国語映画賞のほか、撮影賞、衣装デザイン賞、美術賞の4部門を獲得しました。非英語作品として快挙でした。
1984年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「愛と追憶の日々」
【配信:アマゾン】 監督:ジェームズ・L・ブルックス 姉妹のように仲の良い母娘オーロラとエマの強い絆を描いた愛と感動のドラマ。主要部門だけで5冠に輝いた。 ジェームズ・L・ブルックス監督は当時43歳。テレビの脚本家として活躍したあと映画に参入し、本作で初めて映画監督に挑んだ。脚本(脚色)も自ら手掛けた。 母親役と娘役の2人が主演女優賞にノミネートされ、母役のシャーリー・マクレーンが初受賞した。 元・宇宙飛行士役で助演男優賞を受賞したジャック・ニコルソンの怪演も話題になった。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | ジェームズ・L・ブルックス (愛と追憶の日々) |
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主演男優賞 | ロバート・デュバル (テンダー・マーシー) |
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主演女優賞 | シャーリー・マクレーン (愛と追憶の日々) |
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助演男優賞 | ジャック・ニコルソン (愛と追憶の日々) |
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助演女優賞 | リンダ・ハント (危険な年) |
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脚本賞 | テンダー・マーシー (ホートン・フート) |
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脚色賞 | 愛と追憶の日々 (ジェームズ・L・ブルックス) |
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外国語映画賞 | ファニーとアレクサンデル (スウェーデン) |
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最多11ノミネートの「ガンジー」(リチャード・アッテンボロー監督)と、9ノミネートの「E.T.」(スティーブン・スピルバーグ監督)の一騎打ちと見られていました。結果は、インドの指導者の伝記「ガンジー」が圧勝。作品賞、監督賞、主演男優賞など8部門を制しました。
1983年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「ガンジー」
【配信:アマゾン】 監督:リチャード・アッテンボロー 非暴力主義を貫き、祖国インドを独立に導いたガンジーの生涯を壮大なスケールで描いた。「無抵抗・非服従」を通して人民の尊敬を一心に集めた偉人。 8部門を受賞。 主演男優賞を獲得したガンジー役のペン・キングズレーは映画デビュー作だった。本物とそっくりぶりが話題となった。 前年の「炎のランナー」に続いて、イギリス映画の作品賞となった。英国映画の作品賞は8度目。 対抗馬のSFファンタジー「E.T.」は興行収入の記録を塗り替える大ヒットを記録。世論の熱烈な支持を受けていた。しかし、大人の風格を好むアカデミー会員の総意には至らず、作品賞、監督賞、脚本賞を逃した。それでも技術部門で4つのオスカー(編集、作曲、視覚効果、音響効果)に輝いた。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | リチャード・アッテンボロー (ガンジー) |
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主演男優賞 | ベン・キングスレー (ガンジー) |
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主演女優賞 | メリル・ストリープ (ソフィーの選択) |
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助演男優賞 | ルイス・ゴセット・Jr (愛と青春の旅たち) |
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助演女優賞 | ジェシカ・ラング (トッツィー) |
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脚本賞 | ガンジー (ジョン・ブライリー) |
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脚色賞 | ミッシング (コスタ=ガヴラス、ドナルド・スチュワート) |
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外国語映画賞 | Volver a empezar (スペイン) |
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2024年→ | 2023年→ | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | 作品賞(歴代)→ | ページの先頭↑ |
スポーツ映画「炎のランナー」が作品賞、作曲賞、脚本賞、衣装デザイン賞の4冠を獲得。ヴァンゲリスのテーマ曲による作曲賞は予想通りだったが、それ以外の部門は番狂わせだった。
歴代2位となる12部門ノミネートを果たした「レッズ」は作品賞を逃した。監督賞(ウォーレン・ベイティ)は獲得した。
キャサリン・ヘプバーンが「黄昏」で主演女優賞を獲得し、4度目の女優賞という新記録を樹立した。名誉賞しか受賞したことがなかったヘンリー・フォンダがついに主演男優賞に輝いた。
1982年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 |
「炎のランナー」
【配信:アマゾン】 監督:ヒュー・ハドソン 斬新な語り口のスポーツ映画、青春映画。感動もの。 2人の陸上選手の人生が交錯する。1924年パリ五輪出場を目指すユダヤ人青年と、キリスト教の聖職者の息子。 走る目的こそ違うが、あくまでもベストをつくす若者たちの姿を、新鋭ヒュー・ハドソン監督がドキュメント・タッチで描いた。 対抗馬の「レッズ」は12部門ノミネート、「黄昏」は9部門ノミネート。作品賞はこの2作の一騎打ちと予想されていた。ところが、7部門ノミネートの炎のランナーが作品賞をさらった。 プロデューサーは、敏腕デビッド・パットナム(英国人)。当時41歳。「小さな恋のメロディ」「ミッドナイト・エクスプレス」で既に大成功していたが、本作が代表作になった。この後も「キリング・フィールド 」「ミッション」などのオスカー関連作品を手掛けた。 <受賞スピーチ▼> 説明ページ→ 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ |
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監督賞 | ウォーレン・ベイティ (レッズ) |
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主演男優賞 | ヘンリー・フォンダ (黄昏) |
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主演女優賞 | キャサリン・ヘップバーン (黄昏) ※4度目の女優賞。新記録を樹立した。 |
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助演男優賞 | ジョン・ギールグッド (ミスター・アーサー) |
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助演女優賞 | モーリン・ステイプルトン (レッズ) |
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脚本賞 | 炎のランナー (コリン・ウェランド) |
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脚色賞 | 黄昏 (アーネスト・トンプソン) |
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外国語映画賞 | メフィスト (ハンガリー) |
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大スター俳優のロバート・レッドフォードが初めて監督を務めた「普通の人々」が作品賞、監督賞、助演男優賞(ティモシー・ハットン)、脚色賞の4冠に輝きました。
日本で一大ブームを巻き起こした「エレファント・マン」(デビッド・リンチ監督)と、マーティン・スコセッシ監督の歴史的傑作「レイジング・ブル」が、それぞれ作品賞を含む最多8部門にノミネートされました。このうちエレファント・マンは無冠でしたが、レイジング・ブルは主演男優賞(ロバート・デ・ニーロ)と編集賞を獲りました。
1981年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「クレイマー・クレイマー」
【配信:アマゾン】 監督:ロバート・ベントン 時代の風潮を巧みにとらえた家庭ドラマ。アメリカで急増し、社会現象化した「離婚」が題材。 子供の養育権をめぐる争いを描いた。 女性の自立に目覚めた妻に家出され、7歳の子供の世話と家事に振り回されることになった夫が奮闘する。 <受賞スピーチ▼> 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 説明ページ→ |
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監督賞 | ロバート・レッド・フォード (普通の人々) |
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主演男優賞 | ロバート・デ・ニーロ (レイジング・ブル) ※「ゴッドファーザー2」での助演男優賞に続いて2度目のオスカー。この間「タクシー・ドライバー」や「ディア・ハンター」で主演男優賞にノミネートされたが、受賞には至らなかった。実在するボクシングのミドル級王者に扮した。体重を増やして役に挑んだ。 |
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主演女優賞 | シシー・スペイセク (歌え!ロレッタ愛のために) |
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助演男優賞 | ティモシー・ハットン (普通の人々) |
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助演女優賞 | メアリー・スティーンバージョン (メルビンとハワード) |
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脚本賞 | メルビンとハワード (ボー・ゴールドマン) |
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脚色賞 | 普通の人々 (アルヴィン・サージェント) |
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外国語映画賞 | モスクワは涙を信じない (ソビエト連邦) |
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2024年→ | 2023年→ | 2020年代 | 2010年代 | 2000年代 | 1990年代 | 1980年代 | 1970年代 | 1960年代 | 1950年代 | 1940年代 | 1930年代 | 作品賞(歴代)→ | ページの先頭↑ |
前評判通り、「クレイマー・クレイマー」が主要部門で圧勝した。作品、監督、主演男優(ダンスティン・ホフマン)、助演女優(メリル・ストリープ)、脚色の5冠。
コッポラ監督がベトナム戦争を扱った「地獄の黙示録」は作品賞を逃したが、撮影賞と音響賞を獲得。「オール・ザット・ジャズ」が技術系で3冠。
1980年 | ||
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部門 | 受賞 | ノミネート |
作品賞 | 「クレイマー・クレイマー」
【配信:アマゾン】 監督:ロバート・ベントン 女性の自立に目覚めた妻に家出され、7歳の子供の世話と家事に振り回されることになった夫の奮戦記。 アメリカで急増し、社会現象化した「離婚」をテーマに、夫婦の新しい形が見なおされた。 それまではオスカーに否定的だったダスティン・ホフマンが受賞式では素直に喜び、感動的なスピーチを述べた。 予告編→ 動画配信(Amazon字幕版)→ 受賞スピーチ→ 説明ページ→ |
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監督賞 | ロバート・ベントン (クレイマー・クレイマー) |
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主演男優賞 | ダスティン・ホフマン (クレイマー・クレイマー) |
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主演女優賞 | サリー・フィールド (ノーマ・レイ) |
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助演男優賞 | メルヴィン・ダグラス (チャンス) |
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助演女優賞 | メリル・ストリープ (クレイマー・クレイマー) |
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脚本賞 | ヤング・ゼネレーション (スティーヴ・テシック) |
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脚色賞 | クレイマー・クレイマー (ロバート・ベントン) |
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外国語映画賞 | ブリキの太鼓 (西ドイツ) |
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